嘘を吐く客
伝聞なので「らしい」が多いのは仕方ないですが
書いてて不便なので今回は少なめです。
「何か身に覚えのない事で
店長に御叱りを受けましたわ。」
「S君、鍵閉め忘れた俺が悪いんだろうし、
入ってくるなとは言わんけど
一応インターホンくらい鳴らそうか?」
今回はそんな会話から始まった。
そもそもは、先週の連休中に
家族連れの自称田舎者のオッサンが
「おい、兄ちゃん。
チケット売ってくれ」
と来店してきたのが最初らしい。
何のチケットか分からなかったので
「何のチケットですか?」
と尋ねると
「テーマパークのチケット」
と言われたので
「テーマパークのチケットでしたら、
そちらの機械を使って発券していただき
こちらのレジで清算していただく形になっております。
ただ、対応していないテーマパークもございますので、
ご了承ください。」
と、普段通りに対応したのだが
「おい、なんやその言い方は?
俺は客やぞ?」
とキレられた。
「申し訳ございません、お客様。
失礼いたしました。」
「その言い方はなんや、言うとんじゃ。
田舎者やと思うて嘗めてると承知せんぞ。」
と、怒る怒る。
内心、
『俺も土佐の漁師町で育った田舎者やけんどのぅ』
とか思いながらも
「申し訳ございません。」
と、他のお客さんが居たのでスルーした。
で、このオッサン。
マニュアル通りにしていたS君の態度が気に入らなかったらしく
S君がレジ打ちをしてる斜め前で
「田舎者嘗めんなよ」
だの
「お前の名前は覚えたぞ」
だのと、手飼う。
(=挑発してくる)
あんまししつこいので、オッサンの女房子供が見てようが関係無しに
『アンタよりNの爺さんの方が怖いわ。
なんなら、お望み通りに制服脱いで
田舎者らしく殴りあいしてやろうか』
と思ったそうな。
流石にしなかったが。
で、
「誠に申し訳ございません」
の連呼で相手にしなかったら
「田舎者嘗めてると承知せんぞ」
と、捨てゼリフを吐いて帰ったらしいが
翌日に
「店員が選んだチキンが焦げてたから、
他のに変えろと要求したら
その店員に断られた。
そいつの人相はこんな感じやった。」
と、店長さんに報告したらしい。
実際は喚き散らしてただけで
買い物していないので
全くデタラメである。
店長さんも、態々客が嘘を吐くとも思ってなかったので
謝ったとか。
『その人相やとS君やな。
やけど、あの子がそんなんするか?』
と、信じてはいなかったらしいので
数日忘れていた。
で、今日というか日付的に昨日。
店長さんが残業になったので
S君と働いている時に思い出したので
「そういや、先週に
お客さんから、こんなクレームきてたよ。
しっかりしてや。」
と言われて、全く身に覚えがなかったが
「忙しくてやったかもしれません。
すいません。」
「頼むでホンマに。」
と、軽いやり取りをした後で
『忙しくても自分がそんなことするか?』
と、本気で疑問に思って
「ところで、そのお客さんって
オッサンじゃなかったですか?」
と尋ねると
「うん、オッサンやった。
心当たりあるん?」
「そのお客さんが、僕の思ってるオッサンなら
買い物してませんよ。
だいたい、その日は僕は
昼勤の子に頼まれて、21時頃まで商品の補充してましたので
レジ打ち自体、数件しかやってませんから。」
と、事情を説明し
監視カメラで確認してもらい
記録されていた映像+音声で
事実無根だとハッキリスッキリさせたらしい。
ちなみにNの爺さんとは
「自分の漁船を陸に揚げられんなったけん
船は引退する」
と宣言した翌日に
【一人で地引き網を引き上げていた】
という
【あの爺さんならやりかねない】
逸話を持つ地元で有名な爺さんである。
引退宣言したのは72歳だったと聞いている。
この爺さんに比べりゃ、オッサンなんぞ
怖くも何ともないだろうよ。
この翌日、S君は献血に行って血を抜いてきた。
血液量が普段より増えてたのか
献血開始してから、400ml抜くのに
5分程度で終わったとかいってた。
ついでに
「兄貴んトコで呑む時くらいしか使いませんから
悪いスけど置かしといてくださいや。」
とか言って、献血10回記念のお猪口を置いてった。
抜いた分が回復するくらいはするだろうけど
それ以上に増えるかまでは知らんが
たぶん、本当に増えてたんだろうな…




