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悪魔が来たりて  作者: ギャバン
フィリア編
1/4

序章 魔界にて

魔界と呼ばれる場所がある。


地が割れ、空は黄昏に染まり、草木は枯れ、生命の息吹きが感じられない場所……………。





という事は全然無く、自然が溢れ、人間とは異なるが、人間界でいう悪魔やモンスターが、人間界と変わらない生活を送っていた。


長閑な田舎があれば、忙しない都会もある。


都会の中心部に、恐ろしく大きな建造物がそびえ立っており、その建物を魔界の住人はこう呼んでいた__【魔王城】


【魔王城】は日本でいうところの都庁の役割を持っており、建物の中では、沢山の種族が忙しなく働いていた。


「郵便です」


ガルーダの郵便職員が、窓口に大量の書簡やら何やらを置いていく。


「また随分な量を持ってきたわね……仕分けが大変そう」


ため息をつきつつ、クラーケン族の女性職員がぼやいた。


「いつもはこんなに多くは無いんですけどねぇ……今日は特別に多いみたいです。受領印を下さい」


受領印を受け取ったガルーダの郵便職員は、忙しなく次の配達場所へと飛んでいった。


その姿を見送りつつ、今日は本当に忙しいのねぇと呟き、十本の触手を駆使して郵便物の仕分けを始める。


「……これは税務課。これは地域活性課。それでこれは……」


どんどん仕分けられていく郵便物の中に、見馴れないハガキを一つ発見する。


「……魔界家政婦派遣センター?……ああ、この前新設された部署」


女性職員はハガキを手に取り、よく確認をせず、転送魔方陣に放り込んだ。



その時、もし、このクラーケン族の女性職員がしっかりと確認していたら__。


本来、他世界の接触__特に人間界との接触を厳しく制限しているこの魔界の審査が、ちょっとした歪みで誤作動を起こし、通る筈の無い審査がされないまま素通りされてしまっていたら__?


この日が特別に忙しくなかったら__?



様々な偶然が重なり、何かの歯車が、ゆっくりと回り始めた。

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