表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔無剣士の探求道  作者: NITU
序章
6/15

魔道書

色々設定などはありますが、順を追って書いていきたいと思います。

ほら、一気にだと読みづらいと(言い訳

 それは、店というより露店だ。

 道のわきに紫色の布を敷いてその上に商品を並べ、ほかの店と同じく客を呼びかけている。

 露店といってもだいぶ本格的で、様々なものが売っていた。

 と、一番はじの方に粗末に並べられていた魔道書に、アレクの目が止まった。

「……アレかな?」

 アレクが少し口角を釣り上げ、嬉しそうに呟くと、露店の主人がアレクを客と認めて声をかけてきた。

「いらっしゃい兄ちゃん。何か気に入ったものはあったかい?」

 胡座をかきながら話しやすそうに笑う主人は、四十代ほどの角刈りが特徴的な感じのいいおじさんだ。

 アレクも気を楽にし、魔道書を指さして尋ねる。

 レイスは定位置の、アレクの右斜め後ろに収まった。

「その魔道書はいくらですか?」

「おっ、兄ちゃんも物好きだな。これは火系魔法の応用で偶然できた、珍しいがしょうもない魔法が載っているものでね。八百Gだ」

「八百G⁉」

アレクがその破格に驚きの声をあげる。

「え、本当に八百Gですか⁉」

 再度確認するが、おじさんは笑って肯定で返すばかり。

 すると、おじさんはその魔道書を手に取り、アレクの前に差し出す。

「ためしに読んでみるかい?」

「是非!」

 アレクはそのまま突っ込む勢いで魔道書を受け取り、そのぶ厚い本のページをハラハラしながらめくった。

「……ハァハァ」

「アレク様、けっこう危ない人になっています」

 レイスの声は、アレクの耳に届かなかった。

 なぜならば、アレクの全神経が魔道書を読むことに集中しているからだ。

 八百Gと聞いて、中身が薄いのかと予想したがそんなことはなく。

 内容もしっかりしており、魔方陣の組み方や呪文はもちろん、その魔法が発動した過程、秘話などがびっしりと書かれている。

 八百Gなんて信じられないほど良い魔道書だ。

 ゴクリ……生唾を飲み込む。

「この魔道書……売れていないんですか?」

「ああ、全然。ほかの商品なら売れてるんだが、こいつには見向きもしねぇよ」

 おじさんは頭を掻きながら豪快に笑う。

 欲しい。これが欲しい。とても欲しい。喉から手が出るほど欲しい。

「……これ、予約できますか?」

 すると、無意識にそう口走っていた。

 いや、いくらなんでも無理があるだろう。

 おじさんにとっては、こんな少年の頼みを受けるメリットはない。

 慌ててアレクは取り消そうとするが、おじさんはニヤリと、笑って、

「ははは! いいぜ、何日でも待ってやるよ。だから絶対に買いにこいよ!」

「……あ、ありがとうございます!」

 アレクは頭を下げて礼をし、魔道書を返す。

「今日中には戻りますので、その時はよろしくお願いします!」

「おう、そんときは別の商品も見て行ってくれよ!」

「はい、たくさん稼いできます!」

 もう一度頭を下げ、その場をあとにした。

「……さてレイス、稼ごうか」

「はい、嬉しそうですね、アレク様。しかし、商売交渉の観点からみれば、まんまと思う壺にハマったともいえーー」

「いいんだレイス。とりあえず3000Gは稼ぐつもりでいくよ」

「かしこまりました、アレク様。引き締まった顔も、男らしくて素敵です」

 ただいま前の十時。

 今日もアレク様の一日も、楽しくなりそうですね。

 活力に満ちたアレクの顔を見て、レイスはそう思うのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ