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差別と不条理

 「キャーッ! ゴキブリ〜〜ッ」

妻が叫んだ。

妻はゴキブリが大嫌いである。

虫を見つけると全てゴキブリと呼んでいる。

私は小さな、ハネもない『トビムシ』である。

今朝、妻がベランダの枯れそうな花に水を挙げに来た。

私と友達は、枯れ落ちた花びらの下で腐葉土を食べていた。

妻は掃除好きである。

植木鉢の中の掃除も欠かさない。

枯れ落ちた花びらを摘み、小さなゴミ袋に入れてゆく。

私と友達は急いで腐葉土の中に隠れた。

妻は花に水をかけ始めた。

私と友達は冷たさに驚いて、腐葉土から飛び出した。

すると仲間達も驚いたのか、ぴょんぴょんと飛び出して来た。

妻は驚いて、

 「キャーッ、パパー。ゴキブリ〜〜〜ッ! パパー、殺虫剤ッ」

と叫んだ。

ゴキブリ? 実に不条理で差別的な叫び方ではないか。

私はトビムシだ。

益虫で、ゴキブリなどではない。

私は腐葉土の中のバイ菌を食べていただけなのに。

私は・・・

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