表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/46

入れ歯

 私は野村さんの担当医である。

いつも療養所の休憩室で喋っている野村さん。

今日は一言も喋らない。

野村さんはとてもお喋りが好きな方だ。

 「野村さん、どうしました?」

 「・・・入れ歯を忘れた」

 「忘れた? ・・・私のを貸しましょうか」

 「ありがとう。ポリグリップで磨いてあるよね」

 「ポリグリップで磨く?」

野村さんは時々、訳の解らない事を喋る。

私も野村さんの話しに合わせなくてはならない。

 「・・・勿論です」

 「じゃ、お借りします」

野村さんは私の歯で元気に喋り始めた。

この人も療養所の認定サークルのメンバーである。

最近、私はすっかりこの療養所の雰囲気に染まってしまった。

独り、黙り込んで悩んでいる人を見ると つい、

 「どうしました? 私の入れ歯を貸しましょうか? 」

と励ましてしまう。

私は・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ