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死刑囚
この部屋で八年経過した。
そろそろ終焉か。
昨夜、夢を見た。
浪浪とし、ようやく私の前に河原が見えてきた。
・・・あれが『賽の河原』か。
沢山の人達が石積みをして居る。
崩れては積み直し、崩れては積み直し・・・。
私は一休みして、遠目でその人達を見ていた。
どこか見覚えのある人達だった。
もう少し河原に近づいてみよう。
?・?・? アレは私だ!
私が、私より先に着いて石積みをしている。
私は今、河原に着いたばかりなのに。
あの私は、私より先に逝った私か?
周囲を見ると私だらけである。
はるか先まで石積みをしている私が見える。
ふと空を見た。
空中には『走馬灯の提灯』が回っている。
賽の河原の先に川が見える。
川の船着場には渡し船が泊まっている。
渡し船の行先は『針の山』のようだ。
船内は縄で繋がれた罪人達で溢れている。
罪人達の顔はみな同じ『私の顔』なのである。
「三五番! 起きろ」
突然、私は看守に起こされた。
執行の時が来た。
私は・・・