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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第2章 開拓篇

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責任感

ベットで目を覚ました俺は本日の午前に行われる、話し合いについての内容を頭の中で纏めていた。


今日の話し合いで決めるべきことは、簡易住宅の清掃の件と、今後のこの避難所の方針だ。清掃の方は個人の住居なので、個人でやってもらうのが1番だろう。ただ、一家全員が亡くなってしまった住居に関しては、手伝いを募集して片していくしかないだろう。


今後の方針については、正直いってどう決めていけばいいか俺にもわからない。今この避難所で生き残っている人間は40人、人手が足りないわけではない。しかし、全員が何かしらの役割があるわけでもない、40人の人間が居て何かしらの役割をもっている人が少なすぎるのだ。


役割って言っても、何かあるわけでもないし、、、。


女性陣達は洗濯や炊き出しの手伝いをしてくれている。しかし、男性陣は物資調達メンバー以外に役割がなく手伝ってもらうことがない。


何かやれることを考えるべきなんだけど。


この避難所には圧倒的に戦いができる人材が足りない。この前のような出来事が起きた際に、助け合うことが出来る様に、戦闘面の強化は必要だと思う。しかし、戦いを強要することなど、俺の一存で決めれることではない。


「清掃問題と、避難所の戦力強化が課題か、、、」


自分の中で粗方話し合いの方向性を決めた俺は、ベットから起き上がり居間へと向かった。居間にはこの家に住んでいる、俺以外の全員が揃っている。他の避難民には悪いが、母屋に関しては被害がなかったので、俺達は昨日から母屋での生活に戻っていた。


「おはよう」


俺がそう言うと全員が返事を返してくれる。


「責任者さんは重役出勤ですか?」


すでに居間で座っている、誠が茶化すように俺に話しかけてくる。


「午前中の話し合いについて考えてたんだよ」


「責任者さん気苦労が多そうで大変だな、そんで、1人で考えて良い考えが浮かんだか?」


「正直言ってあまり」


俺は今のテーブルに座りながらそう返した。俺が座ると青山先生がお茶を入れてくれた。


「そうだ青山先生、避難民の方で電気関係の仕事をしていた人っているか確認してもらえますか?」


「あ、はい。わかりました。確認してみますね」


青山先生は俺の話を聞いた後すぐにノートPCを開き調べ始めてくれた。


「どうして電気関係の仕事している人をさがしてるんだ?」


誠が俺に質問をしてくる。


「そろそろ梅雨だろ?そうなると、ソーラー発電だけで電力が賄えるか分からないからな。もしも時の為に他の発電方法を試せないかと考えてるんだ」


「なるほどな」


そんな会話をしていると、青山先生が調べ終えたのか答えてくれた。


「ひ、避難民の方々にはそういった仕事をていた人は居ないですね」


「そうですか、、、」


俺は再び自分の中で他の方法がないかを考え込み始める。暫くの間居間には静かな時間が続く。


この避難所を安定して維持していくためには、色々な分野の専門的な知識を持って人が必要だろう。人を増やすのも1つの案ってことになるのか?


「、、、おい」


1人で考えに浸っていると、誰かが俺に話しかけている気がした。俺は声のする方を向くと、そこには呆れた顔の誠がこちらを向いている。


「そろそろ炊き出しの時間だぞ。1人で考え込むのもいいけど、もう少し周りを見ろよな」


「あっ、すまん」


俺は他のみんなに付いて行くように、居間を出て炊き出しが行われている道場へと向かった。道場への道中も俺は1人、今後のことについて考え続けている。


人を増やすにもどこから集めてくるか、、、。この前の様に周辺の家を回って集めるか?いや、人を集めてもこの避難所には、役割を任せる事もないし、無駄に人を増やして物資の浪費にもなってしまうのか?


「はぁ~」


「溜息なんて付いて、ホント大丈夫か?」


炊き出しを受け取る為の列に並んでいた俺が溜息をつくと、誠が心配そうに声を掛けてきた。


「考えれば考えるほど、沼にはまる感じだよ」


「1人で考え込むからいけないんじゃねぇか?」


「そうなんだけどよ、責任者としてしっかり考えたいんだよ」


俺はそう言って食事を受け取り、何時ものように道場の一角で円になって食事を取り始めた。食事中も俺は、1人で今後の方針について考え込んでおり、周りのみんなは黙って食事を取っている。


役割か、、、。自給自足で敷地内に畑でも作るか?素人に簡単に畑なんて作れるのだろうか?


色々な案を考えては、やめてを繰り返しながら、俺はただ1人で考え込んでいた。そんな時、後頭部に突然衝撃が走った。


「痛った!」


衝撃と言うか、誰かに殴られた頭をさすりながら、周りを見ると食事を取っている全員が、不満そうに俺の事を見ていた。


「どうしたんだよ?てか、俺の事殴ったの誰だよ?」


位置的に考えて、殴ったのは隣に座っている誠だろうが、俺は全員に向かいそう投げ掛けた。


「そ、そうですね。ここは私から言わせてもらいます」


何故か、青山先生が改まった顔で俺に向かい話始めた。


「新君、何故そう1人でずっと考え込んでいるのですか?」


「それは、責任者として今後のことを決めていかないといけないので」


青山先生は俺の話を聞いた後、少し咳ばらいをして話始めた。


「責任者として考え込んでしまうのは、任命された立場上しょうがないと思います。ですが、周りを見てください、みんな新君が1人で考え込んでいるのを見て、心配しているのが分かりませんか?」


俺はそう言われて、改めてこの場に居る全員の顔を見る。全員が俺の方を見て、何かを待っている感じがする。青山先生は続けて話す。


「1人で考えるのが悪いと言っているわけではありません。ですが、ここには私達が居ます、みんなさんは新君がどうしたいのか、何を考えているのか、相談してほしいんです。今までだって、そうやって来たじゃないですか」


青山先生にそう言われ、今までの事を考えてみた。母さんは何をやるにしても俺達に相談してくれて、そして決断をしてくれていた。だが、今の俺はどうだ?1人でただ考えて、何も言わず自分で答えを出そうとしていた。周りのみんなからしたら、1人考え込んでいる俺を見て心配するのも当たり前の事だろう。


ダメだな俺は、、、。責任者とか以前に、周りのこんなに心配かけちまって。


「みんな、、、ごめん。なんて言うか、責任者としてどうするか以前に、もっと早くみんなに相談して決めるべきだった」


「分かればいいですよ。失敗して、経験を重ねていけばいいです。そうやって少しずつ成長していけば」


何だろう、今日の青山先生はいつもより立派な大人に見える。でも、責任者としての責任感で、周りが見えなくなってしまっていたのだろう。


そして、俺は昨日から今まで1人で考えていたことを、全員に話し始めた。

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