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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第2章 開拓篇

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新責任者!

火葬を終えた次の日、俺達には休んでいる暇などなかった。今この避難所には責任者が居ない状態なのだ。それを決める為に、避難民の家族代表者を集め、母屋で話し合いを行っている。


「えっと、前責任者が亡くなってしまったので、今回はそれを決める話し合いを行っていきたいと思います」


コの字に並べられた机の、誕生日席に座っている俺が立ち上がりそう話す。


全員が俺の方を見て何か考え込んでいるが、何を考えているのだろうか?


「今は緊急事態の為、俺が取り仕切らせてもらっていますが、大人の人が責任者であるべきだと思うので、誰か立候補や、推薦したい人はいませんか?」


集まった人たちは、俺の言葉を聞きまた考え込んでしまった。すると、武田さんが手を挙げる。


「では、俺は新君を推薦します」


「はい?」


朝早くから集まってもらっているので、武田さんは寝ぼけているのか?


「いや、責任者は子供の俺ではなく、しっかりとした大人がやるべきかと」


「多分、この場に居る誰よりも新君が適任だと俺は思う。きっと他の皆さんもそう思っているよ。新君には今日までの大変な時期を、しっかりこなすだけの判断力や行動力がある、これ以上の適任者は他に居ないんじゃないかな」


いや、あのぐらいの対処なら他の人だって問題なくこなせただろ。なんで俺なんだよ、俺は大人がやるべきって言ったよな。


なぜか集まっている代表者達は、武田さんの言葉に頷いている。


このままだとマジで責任者にされかねない。どうにか回避する方法はないのか?


「俺は子供ですし、何があっても責任なんて取れませんよ。俺なんかより、武田さんの方がリーダーシップがあって、適任だと思うのですが」


「俺は頭を使うより、体を動かすことの方が得意だからね。現場仕事の方が向いてるんだ」


困ったな、どう断ろうか?


俺は助けを求めるように、隣に座っている誠の方を見る。誠も俺の視線に気づきこちらを見て、諦めろと言わんばかりの顔をしている。


なんかその顔ムカつくからやめろ。俺は助けて欲しいんだよ。誠はダメだな。


俺は逆サイドに座って居る、青山先生の方見る。しかし、青山先生はうんうんと頷いており、完全に俺の味方ではないことがわかった。


ホントどうしようか、、、


俺が本気で困り果てて居ると、吉田さんが手を挙げた。


「新田君が責任者になる事には反対はしないが、子供1人に責任を押し付けるのは、大人としてどうなんだ?」


おお!神様、仏様、吉田様や!その調子で言ってやって下さい!


「そうだな、吉田の言うことももっともだよ。なら副責任者を付けるのはどうかな?もしよければ、俺がその役目を担うよ」


「それなら問題ないか、、、」


吉田さーん!そんなに早く納得しないで!もっと言ってやってくださいよ。


「本当に俺に任せるんですか?」


「新君が納得しないようなので、多数決でも取ってみようか。新君が責任者として、適任であると思う人は挙手してください」


武田さんがそう言うと、先ほどから黙って考え込んでいた代表者達が徐に手を上げだした。明らかに過半数を超える人が、手を挙げているのが分かる。


いや、ホント俺に任せていいのか?俺はまだ17歳のガキだぞ。正直言ってもうどうにでもなれとしか思えない。


「過半数を超えているね。では、神田新君をこの避難所の責任者に決定します」


俺の気持ちを置き去りにして、俺の責任者就任が決まった。


「はぁ、分かりました。多数決で決定したのなら従います。では、次に決めるべきは副責任者ですね。武田さんが現状立候補していますが、どなたか他に立候補や推薦したい人はいませんか?」


俺が全員にそう尋ねると、誰も何も言おうとしない。


「誰も居ないようですので、武田さんを副責任者に任命させもらいます」


俺が武田さんを副責任者として任命すると、代表者達は拍手で賛同しくる。


俺の時は誰も拍手してくれなかったけど。え?いじめ?


「では、他に議題がある方はいませんか?」


俺がそうとう問いかけると特に誰も何も言おうとはしなかった。


「本日の話し合いはこれで終了とさせていただきます」


俺がそう言うと、集まった代表者達は各々立ち上がり、解散していった。大広間に残っているのは、武田さん達ダーサンズと、いつものメンバーだ。


「みんななんで残ってるんだ?」


俺が質問すると、誠が答える。


「いや、今後の物資調達班の行動について、何も聞いてないからな」


言われてみればそうだな。まぁ、俺も特に考えていることはないんだけど。


「現状は避難所の復興を優先したいからな、物資調達はそれが片付くまでは延期するよ」


「了解」


全員がそんな感じで俺に返事を返してくる。


なんかホントに責任者になった気分だよ。


「あ、でも、毎朝の稽古は継続していくつもりだから、明日から覚悟しておいてくださいね」


ダーサンズの顔が少し引きつっていたが、この世界で生き抜くためには、鍛錬を欠かすことはできないよな。


今更だけど、物資調達メンバーの残り2人は先日の騒動で犠牲になってしまっている。あまり話す機会はなかったが、顔見知りが亡くなるのは正直悲しい。


「そうだ、炊き出しのリーダーとかも決めたいんだけど、誰か良い人いないか?」


「それなら、僕の母さんはどうですか?先日もなんか仕切っているようでしたし」


ずーっと黙っていた、山田さんが久々に発言してきた。


「山田さんのお母さん?」


俺は?マークを浮かべながら問い返す。


「小太りの人です」


「あー!思い出しました。あの人が山田さんのお母さんだったんですね」


「はい。恥ずかしながら、僕の母です」


何というか、性格が真逆だな。


「申し訳ないですけど、山田さんのお母さんにお願いできるか、聞いてみてもらえますか?」


「わかりました。伝えときますね」


これで、炊き出しの方は俺が何かする必要もなくなりそうだ。


「俺はこのあと、簡易居住区で建物の修復を行っていく予定なので。みんなは自由に過ごしてくれて構わない」


「何か手伝うことはないかい?」


武田さんがそう言ってくれたが、修復には俺のギフトを使うので、他のみんながやることは特にないのだ。


「いえ、特に手伝ってもらうことはないです。明日からまた稽古もありますし、今日はゆっくりしていてください」


俺がそう言って物資調達メンバーの話し合いは終了した。俺は立ち上がりそのまま簡易居住区の方へと向かって行った。

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