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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界
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脱出作戦開始

俺と、誠はすぐに行動に移る。教師は、少し離れた空き教室に、隠れていくのが見えた。

ホント教師と言っても、使えない人間は使えないな。


入り口に誠がスタンバイし、俺は入り口から数歩離れた位置で、スタンバイする。


俺はバールの曲がった部分を、利き手で握りしめ。逆の手で、バールの真ん中より手間を握る。狙いが逸れないよう、しっかりと胸の前で構え、先端を入口へ向ける。


俺が誠に頷き、合図を送る。誠はカギを開け、そのまま扉の後ろに隠れた。俺は1度深く息を吸う。


「おい、こっちだバケモン」


俺の声に反応した奴は、1歩ゆっくりと歩みだす。2歩目で、駆けるように俺目掛け。飛び掛かってきた。


落ち着け俺、俺は動かなくていい。奴の頭に先端を合わせる、それだけでいい。


ドスッ!


その音と共に、俺と奴は共に倒れこんだ。


「新?無事か?」


少しの静寂の後、誠は入り口のカギを閉め。恐る恐る俺に近づき、そう聞いてくる。


「ああ、なんとかな」


俺の構えたバールには、奴の頭がしっかりと突き刺さっており、貫通していた。俺は死体を押しのけ、立ち上がり、傷がないか自分で確認する。


「傷1つない、問題なしだ」


俺がそう言うと、誠は安心した表情を浮かべ、肩の力が向けたように見える。


今の戦闘で、初めて殺した、人であったものを、俺は手にかけたのだ。正直あの手に伝わってきた、骨を砕き、肉を貫く感触は、まだ残っており、あまり気分が良いものではない。


生き残るために、俺はこれあと何度繰り返すのか、、、

気分を落ち込ませている暇は俺にはない、今は別のことを考え、気を紛らわせよう。


奴は音に反応し、そしてただ真っ直ぐ、こちらに飛び込んできた。

このことから考えられるのは、奴らは音には反応する。


正確に俺目掛け、襲い掛かってきたのは、人間を認識する感覚が、ほかにもあるのか?まだ情報が足りないな。分からないことを考える時間もない、次のフェーズに移ろう。


俺は死体から、バールを引き抜き、制服のポケットを漁り、スマホを取り出した。


「この機種なら俺と同じだ、ロックを解除せずに、アラーム機能が使える」


俺がそう言うと、安心した表情を浮かべていた誠は、気を引き締め真剣な顔つきに戻る。


「フェーズ2に問題なく進めるな」


誠は持っていたハンマーを、強く握りしめ、俺にそう言った。いつの間にか教師が、俺の後ろに戻ってきており、死体を青ざめた表情で見ている。


「こ、この生徒、本当に死んでいるんですか?」


教師がそんなことを言うので、俺はバールで死体を、何度か軽く小突いて見せる。


「はい。確実に死んでいます」


俺がそう言うと、教師の顔がさらに青くなり、、、、吐いた。


先生それ、自分で拭いて片してくださいね。その死体よりきついです。俺には、、、


俺は誠に手伝ってもらい、死体を空いている教室に運び、入り口に戻る。


「新、、、人を殺す感触って、どんな感じだ?」


入り口に戻る途中、誠が俺にそう問いかけて来た。


「余り良いものじゃないよ、、、」


俺がそう言うと、誠は少し顔をひきつらせた。


「だよな、、、。悪い、変なこと聞いちまって」


「でも、生き残るためには、必要なことだ。この世界で、生き残るためには」


「そうだな、強いな新は」


入り口に戻ってきた俺達は、外に出るための準備を始める、スマホにアラームをセットし、俺は血で汚れたバールを、近くにあった雑巾で綺麗にする。


入り口の死体は片付いたが、先生のあれがあるので、、、匂うな。速く片してくれよ。

匂い、、、奴らは、生きた人間の匂を、かぎ分けらるのか?可能性は高いな。


俺は先ほどの戦闘で感じたことを、誠に説明しておく、匂いのことも含め。


「この先はスピードが大事だ。その前に、誠スマホ持ってるか?」


「持ってるけど、どうしたんだ?」


誠はポケットから、自分のスマホを取り出した。


「この先は別々になるからな、連絡先ぐらい交換しておこうぜ」


「はは!こんな状況で、連絡先の交換かよ」


誠は唐突の提案に、噴き出し笑っていた。

いや、俺だって学校でこんなこと言ったの、初めてだし、結構頑張っていったんだぞ。


「まぁ、こんな状況じゃなきゃ俺達、友達にもならなかったよな。OK交換しよう」


こいつまだ笑ってやがる、、、バールで刺すぞ。


俺達は連絡先を交換し合い、そして入り口の前に並んだ。


「先生、戸締りだけは、任せましたよ」


「わ、わかりました」


この人ずっと顔色が青いんだよな、、、奴らの仲間かな?


「誠、準備は良いか?」


「大丈夫だ、いつでも行ける」


俺はその返事を聞くと、入り口のカギを開け、そっと扉を開く。俺が先に外に出て、周囲を確認し、手招きで誠を呼ぶ。誠が外に出たことを、確認した教師がカギを閉める。


周囲には奴らはおらず、校庭までは安全に進めそうだ。俺達は音を殺し、ゆっくりと進み、校庭の入り口までたどり着いた。


「ここまでは順調だな」


「ああ、でも気を抜くなよ新」


校庭を見ると、4体の奴らが歩き回っている。俺達の入り口側に1体、中央に2体、俺達の反対側に1体だ。


「3体は確実にやり合うな」


俺の言葉に誠は頷く。


「試したいことがあるんだ」


誠が提案をしてくる。


「奴らは匂を嗅ぎ分けるって、言ってたよな。俺が奴らに近づいて、1体ずつ引き寄せる。奴らが俺に襲い掛かって来たら、俺がバールで突き刺して、動きを止めるから。最後はお前がハンマーで、頭を割るってどうだ?」


「待ってくれ。それは俺の憶測であって、確証はない。仮にそれが正しくても、お前が危険すぎる」


俺がそう言うと、誠は首を横に振る。


「さっきはお前だけ、危険な役回りを、させちまったからな、俺にも体張らせてくれよ」


真剣な顔でそう言ってくる誠に、俺は何も言い返せなった。


俺が外に出るため、手伝ってもらってるのに、こいつはなんで、ここまでしてくれるんだ?

俺は人付き合いが苦手で、今までの学校生活は、なるべく人と関わらないようにしてきた。

ついさっき知り合って、友達になった奴の為に、命を懸けるなんバカだ!なんて、目の前で真剣な眼差しを、向けてくる奴に言えるわけがない。


「わかった、無理はするなよ」


俺は頷き、そう呟いた。


お互いの武器を交換し、誠はゆっくと立ち上がり、校庭を進んでいく。俺はその少し後を。追うように進み始める。


1体目の奴に、10メートル手前まで近づいたが、まだ反応はない。誠は、徐々に距離を詰めていく。

5メートル手前ほどで、奴の行動に変化があった。匂いを探るように、鼻を嗅ぎだし、こちらを向いたのだ。そして、1歩ずつ、こちらに近づいてくる。3メートルほどの距離になると、完全に誠のことを捉え、駆けだした。


誠は、バールを奴にしっかりと向けた。奴はそこに飛び込んでくる、バールは胸あたりに刺さり、奴の動きを止めた。俺はすかさず奴の側面に回り込み、ハンマーで頭をたたき割る。


奴の動きが完全に止まったことを確認し、お互いに頷き合った。

この作戦なら、安全に奴らを倒せると。


誠はバールを引き抜き、さらに先にいる、2体へと進んでいく。2体は10メートルほど、離れた距離におり、この作戦なら問題なくやれそうだ。


俺達は校庭の中央付近まで進み、手前側の2体目に近づく、誠は残り5メートルほどまで近づき、こちらに存在を気づかせた後、数歩下がって引き寄せ始めた。3体目とは15メートルほど離したところで、誠は動きを止め、バールを構える。そして2体目が誠を捉えると、先ほどと同様に襲い掛かり、バールが突き刺さる。俺はすぐさま側面に回り込み、ハンマーで頭をたたき割る。


問題なく2体目を倒し、終わったと思ったが。何が近づいてくる音が聞こえ、俺はそちらへ目線を向ける、3体目がこちらに向かって、走って来ていたのだ。


ハンマーで殴った音が聞こえたのか?なんで気づかれた?いや、そんなことを、考えている時間はない。

誠はバールを引き抜こうとしているが、多分間に合わない。奴が捉えているのは俺だ。


対処方法を考えろ。奴らは音、鼻は効く、だが攻撃は直線的だ。ギリギリだ、ギリギリまで引き付け、奴の足元に足払いだ。足払いなんて、やったことないけど、できないと死ぬ。


俺は奴に目を離さず集中する。2歩手前で、奴は必ず飛びついてくる。そこを狙うんだ。

5メートル、3メートル、、、ここだ!


俺はそのタイミングで、奴目掛けスライディングをする。足に何か、ぶつかった感触があった。

すぐさま立ち上がり、反対を向き直ると、奴が倒れているのが確認できた。


この後どうするかまで考えてなかった、、、


俺がさらに考えていると、起き上がろうとする奴に、誠が近づき、バールを突き刺していた。俺も近づき、止めを刺そうと思ったが、誠のバールが、奴の頭に刺さっており、3体目は死体になっていた。


「誠、助かったよ」


「いや、俺も手間取っちまった。悪い」


その後はすぐに15分後にアラームをセットし、スマホを設置した。

俺達はすぐに別館校舎に戻り、時を待つことにした。


あと、教師のあれが処理されてた。

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