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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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休日

オリ鉄と自主練で葛藤している秀樹を置いて、俺達は夕食を取りに炊き出しをしている場所までやって来た。


「秀樹を置いてきちまったけどいいのか?」


「あいつは今自分自身と戦ってるんだ、そっとしておいてやろう」


「そ、そうか」


誠は俺の言葉に引きつった顔をしていた。


決して俺が秀樹の相手をしたくないわけじゃない、秀樹は今大切な戦いをしているだ、決して他人が口をはさんではいけないな。


俺達は食事を受け取り、いつも通り円になって食事を取る。


「明日なんだけどさ、誠はやることある?」


「特に無いけど、どうしてだ?」


俺の問いかけに誠がそう答える。


「この前言ってたクロスボウの練習に、付き合ってもらおうと思って」


「了解」


箸を持ちながら誠は、俺に敬礼して見せた。


俺はお前の上官ではないからな。


食事を終え、俺はそのまま自室へと戻る。少し早いが今日は寝ることにした。


久しぶりの楽しい1日だったからな、今日はよく眠れそうだ。


次の日、午前の稽古と昼食を終えた俺は、誠、秀樹、麻陽瑠を連れ、倉庫横にある射撃訓練所に来ている。葉月や、雪音を誘ってみたが、「面倒くさい」だの、「貴方が作った物に触りたくない」だの言われ断られた。物資調達メンバーにも声を掛けたが、筋肉痛を理由に断られた。


大人は稽古の後に、自主練のような事をするのは肉体的にキツイのか。


「今日試してもらいたのはこれだ」


俺はインベントリーから、クロスボウVer. 1.1を取り出し3人に見せる。


「以外にちゃんとしているな」


誠はクロスボウVer. 1.1を見てそう感想を述べたる。


「見た目は少し不格好で、少し扱いにくいが問題なく使えると思う」


俺は1度試射して見せる、俺が撃った矢は的の少し左に命中する。


「こんな感じで、やってみてくれ」


クロスボウの使い方を軽くレクチャーし、さっそく試射してもらった。秀樹は初めてだからか、的からだいぶ離れた位置に命中し、誠は初めてのクセに的を僅かに捉えている。


誠の奴なんかむかつくな。俺は少し練習を重ねて、的の近くに当てるられるようになったのに。


誠はこちらを見ながらドヤがをしてくる、そんな誠の横で麻陽瑠が的のど真ん中に、矢を命中させていた。


「プっ!お隣さんはもっとすごいようですよ」


「麻陽瑠は別もんだろ!ギフトの力もあるんだから」


誠はそう言い訳をする。そんな誠を見て麻陽瑠が呟いた。


「なんか、ごめん」


「いや、謝られたら逆に俺がみじめだからやめてくれ」


そんなやり取りのあと、各々自由に試射をしてもらい使用感を聞いてみた。


「使ってみてどんな感じだ?」


「まったく当たらないな!」


ドヤ顔でそう言う秀樹は、撃った矢すべてが的から、かけ離れた場所に命中していた。


「それはお前が下手なんだよ」


「俺に遠距離武器は性に合わないぜ」


カッコつけていっているが、多分秀樹が不器用なだけなのだろう。


「誠はどうだ?」


「んー、慣れれば割と思ったところに当たるし、悪くはないと思うな」


誠は前半、的を逸らしたりしていたが、後半には的をかすめる程度にはなっていた。


誠って何でもできちゃうタイプだよな、本人に直接言うとなんかムカつくから言わないが。


「改善してほしい所はあったりするか?」


「そうだな、、、。矢の再装填が面倒ってぐらいかな」


「それは、クロスボウの性能上無理だわ」


クロスボウが連射できてしまったら、弓の価値が0になってしまうだろ。


「麻陽瑠はどうだった?」


「特に、普通かな」


麻陽瑠からしてみれば、どんな銃器でも同じものに感じてしまうだろうな。まったく羨ましいギフトだよ。


「これからは練習したい時は言ってくれ。実践でも使う機会が来るかもしれないから」


「えー、コレくれないのかよ」


「もし無くしでもしたら大変だろ。こう言う殺傷能力が高い武器は、一括管理するもんだ」


誠が持っていたクロスボウを回収すると、子供の様にそう駄々をこねた。


「それじゃあ、戻るか」


クロスボウの練習も終わり、居間へと戻っている道中、ダーサンズが自主練をしているのを見かけた。


「お!新君達じゃないか」


俺を見つけた武田さんが声を掛けてきた。


自主練をしているようだけど、さっき俺がクロスボウの練習に誘ったら断って来たよな。


「武田さん達は自主練ですか?」


俺がそう問いかけると、いやいや付き合っているであろう感じのする、吉田さんが答える。


「武田が無理やりな、、、。俺はゆっくり休みたかったんだが」


「そんなこと言うなよ吉田。俺も稽古終わりは休むつもりだったんだが、新君の誘いを断った後、俺達も頑張らないといけないと思ってきてな」


なるほど、俺が誘った後にやる気が湧いて来たのか。それなら、俺達と合流して一緒に自主練すればいいのに。


武田さん達の自主練は稽古の延長のようなもので、3人で順番に試合を行っていた。


「まだ続きやるのか?」


俺と武田さん達の会話に秀樹が割り込んでくる。


「ああ、も少し続けるつもりだよ」


「なら俺も混ぜてくれ!なんかスッキリしなくてよ!」


秀樹にはクロスボウの練習がお気に召さなかったようで、武田さん達の稽古に混ぜてもらえるよう聞く。


「もちろんOKだよ。新君達も参加するかい?」


武田さんにそう質問され、俺は1度誠の方を見た。


うん。これは参加したくない顔だな。


「申し訳ないですけど、俺達は少し疲れたので遠慮させてもらいます」


「そうか、また今度付き合ってくれ」


「はい、次の機会におねがいします」


そう言って俺と、誠は居間へと戻っていった。麻陽瑠は、秀樹の面倒を見る為なのか、自主練の場に残っていた。


居間へと戻った俺達は、青山先生が入れてくれたお茶を飲みながら、のんびり雑談をしている。


「明日は物資調達だな、人数も増えたしホント楽になったよ」


「物資調達は楽になったけど、稽古は相変わらずきついけどな」


俺がそう言うと、誠は少し遠い目をしながらそう返してきた。


誠も稽古を始めて1週間ぐらい経つけど、よく頑張っていると思う。小学生相手に毎日ボコボコされてるけど、メンタルはきっと鋼で出来てるな。


「先生は今日はどうされていたんですか」


ノートPCにいつも通り張り付いている青山先生に問いかける。


「ト、トラックのメンテナンスをしていました」


デットウォーカー達を何度も轢いているので、どこか調子が悪くなったりしているのだろうか?


「どこか調子が悪いんですか?」


俺がそう問いかけると、青山先生は首をぶんぶんと横に振り返事を返してくる。


「ど、どこにも異常はありません。ただの日課です」


「そうですか、ならよかったです」


俺がそう伝えると居間に母さん、葉月、雪音が入って来た。3人は少し汗をかいていた。


ふむむ。運動後の葉月はかわいいな。


「何見てんのよ」


俺が葉月を見ていると、自分が見られていると勘違いした雪音が苦情を言ってきた。


お前なんか見てもこっちは1ミリも癒されないんだよ!勘違いするな!


「お兄ちゃんって、ホント良く雪姉をみてるよね」


「いや、コイツのことなんか1ミリも見てないから」


雪音が葉月の近くによくいるせいで、変な勘違いをされてしまったぞ。


「そうね。新も思春期だから、同い年の女の子に興味を持つのもしょうがないわね。でも、手を出しちゃ駄目よ」


なんで俺が雪音を見ていることになっているんだ!あと、俺は思春期じゃない!

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