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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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ボーナスタイム

次の日も、稽古を終わらせると、俺達は玄関前に集合していた。


「全員いるわね。今日は霊園に物資調達に向かいます」


「霊園にですか?」


吉田さんがそう質問する。


「ええ、簡易住宅を建築するのに、石材が必要なの。今日は石材確保の為に、霊園に向かいます」


「わかりました」


吉田さんは納得したようで、了承した。


「では、出発の前にこれを」


母さんは、俺、武田さんに無線機を渡してきた。


「私も1つ持っているわ。何かあった際はこれで連絡をすること、周波数は合わせてあるから」


「「了解」です」


俺と武田さんはそう返事を返す。その後車に乗り込んで出発となった。

門を出る時に、数十体ほどのデッドウォカーが群がっていたが、母さんが軽く屠って安全を確保していた。


霊園までは少しかかるようで、のんびりドライブが続いている。最近は物資調達にも慣れてきて、のんびり車の窓から、外を見る余裕ができてきた。


路上には何体かのデッドウォカー達がウロウロしているが、先頭を走る青山先生のトラックが、轢き飛ばしている。


豹変モードの青山先生って躊躇ないよな、、、


引き続き窓の外を眺めていると、立ち並んだ住宅のベランダなどに、SOSと書かれた布が、垂れ下がっていたりするのが見える。この世界が変わって1週間ほどたった、備蓄の食料もなくなってきた家庭がほとんどだ。他者に助けを求めることは間違っていないが、他人を助ける余裕がある人などほとんど居ないと思う。


俺達もこれ以上避難民を受け入れるには、準備も足りていないしな。


「こちら静香よ、聞こえる?」


突然無線機から母さんの声が聞こえた。

武田さんは運転中で無線に出れないので、俺が代わりに返事をする。


「こちら新、聞こえてるよ」


「この先車が道を塞いでるから迂回が必要よ」


トラックで前方は確認できないが、車が道を塞いで先に進めないようだ。


「何台ほど車が道を塞いでる感じ?」


「3台よ」


「それなら俺がどうにかできそうだよ」


俺は母さんに外の安全を確保してもらうよう伝える。母さんは安全を確保した後、こちらの車両に近づいてきた。


「それで、どうするの?」


「俺のギフトで車を解体するんだよ」


俺は車を降り、トラックの前方へと向かった。他のメンバーは車内で待機している。母さんは俺の援護に回ってくれたいる。


俺はインベントリーからレンチを取り出し、車に近づくとボルトが表示される。それを回していき、3台の車を解体していった。


「なんかすごいわねそれ」


俺に近づくデッドウォカーを屠りながら母さんがそう言ってくる。


「俺もそう思う」


解体が終わり車へと戻ると、俺達は再び霊園へと向かって行く。この後の道中は、特に何もなく霊園までたどり着いた。


「前は霊園って聞くと幽霊が出るんじゃないかって思ったけど、こんな世界になって幽霊なんて怖くないなって思うな」


車を降り、周囲の安全を確保している時に、誠が話しかけてくる。


「幽霊より厄介な、デッドウォカーってのが居るからな」


安全を確保しあと、俺達は墓石が何基も並んでいる場所へとやって来た。他のメンバーに周囲を警戒してもらい、俺は1基目の墓石をハンマーで叩く。


『簡易分解を行いなすか? Yes/No』


もちろんYesだ。墓石1つ解体すると、石材が500個手に入った。ここ一帯で100基ぐらいの墓石あるな、これはボーナスタイムだ。俺は次々に墓石を簡易分解していく。


コン!っと分解を行う度にハンマーをぶつける音がするので、周辺に居るデッドウォカー達が、何体かこちらに近づいてきていた。母さんの指示で近づいてきたデッドウォカー達は、問題なく屠られていったので、俺は作業に集中している。


見える範囲の墓石を分解し終え、インベントリーと、アイテムボックスを確認してみると、40000個の石材が集まっていた。


14スタック分集まったか。も少し集めてもいいけど、、、。


「母さん、ある程度集まってけど、まだ集めてもいいかな?」


「時間もそんなにかからなかったわね。今後使うことを考えると、集められるときに集めちゃいましょうか」


母さんがそう言うと、俺達は別の墓石をが集まっている場所へと移動した。先ほどと同様に、片っ端から墓石を簡易分解していく。近づいてくるデッドウォカー達は、母さんたちに任せていれば問題ないな。


すべの作業が1時間ほどで終了した。今回集まった石材は90000個だ。アイテムボックスが、パンパンになってしまっている。


そうだ。この場所にはかなりの数の木が生えている。俺は石斧を取り出し、木を叩いてみる。

コンッ!っとさっきより大きい音があたりに響いた。


やっべ、結構響くな。


墓石の簡易分解より大きい音が鳴ったのに驚いたのか、母さんがこちらに近づいてきた。


「新!今の音は何?」


「ちょっと木を伐ろうかと、、、」


俺はそう説明しながらインベントリーを確認してみると、木材100個と表示されている。やっぱ木を伐る為。のアイテムだったか。


「ギフトの試しも兼ねてるから1本だけ、お願いします」


「わかったわ。それが終わったらすぐ撤収するわよ」


母さんは呆れた顔で俺を見て、そう言い残し周囲の警戒へと戻っていった。


俺は続けて木を何度も叩く、10回ほど叩くと、木がバサッ!と言う音と共に倒れる。倒れた木は地面に転がると、少し時間を置いて消えて無くなった。

俺はインベントリーを確認すると、1500個の木材が入っていた。


「母さん」


俺がそう呼ぶと、母さんは作業が終了したことを察し、全員に車へ戻るように指示を出す。車に戻る道中に何体か集まって来た、デッドウォカー達に遭遇したが、母さんが先導し屠っていった。


車内へと入ると、無線から母さんの声が聞こえてきた。


「物資調達の方はぶじおわったの?」


「ああ、問題なくおわったよ」


「そう。時間もまだあるから、近くのスーパーマーケットを何軒か回ってから、避難所へ戻るわよ」


そうして、俺達は、数件スーパーマーケットを回り、避難所へと戻って来た。最近では、俺達が戻って荷下ろしをしていると、避難民達が率先して手伝ってくれるようになった。

正直、こっちは疲れているからありがたい。


俺達は荷下ろしが終わり、居間でくつろいでいる。俺は今回の物資調達で集まったアイテムを、まとめてみた。木材1500個、石材90000個、鉄4500個、布1500個、バネ15個、歯車9個、集まった。暫くは物資調達の必要もないだろう。


母さんが居間へとやって来た。


「みんな聞いてちょうだい。物資調達を順調に行えているおかげで、毎日調達に行く必要がなくなったわ。3日に1度のペースでしばらく、やっていくつもりだから。物資調達がない日は、自由にしていて構わないわ」


物資調達がない時間は何をしよう、、、


「母さんは他の物資調達メンバーにこのことを伝えてくるわね」


そう言って母さんは居間を後にした。


俺達はそれぞれ、物資調達が休みの日の事を考え込んでいた。

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