簡易居住区完成
母さんが避難民に状況を説明に行っている間、俺達は今後について少し話し合っていた。
「インフラが止まったてことはお風呂に入れないの?」
不安そうに葉月が呟く。
いや、風呂なんかよりもっと事態は深刻なんだが。
「風呂も入れないし、電気もなるべく節電していかないとな」
「ネットも使えなくなってるな」
「電力の供給が止まれば、水道施設も、通信施設も機能しなくなるからな」
今後の通信手段はを考える必要があるな、無線機などってどこで売ってるんだ?水も確保も必要だろうし。
「考えれば、考えるほどいろんな問題があるよな」
誠がそう呟く
「そんなもんだろ。でも、俺達は俺達が出来ることをやればいいじゃねぇか」
秀樹が珍しくまともなことを言っていた。
「その通りだな、今焦ってもやれることなんてないんだから」
暫くみんなが黙り込んでいると、避難民に説明をし終わった母さんが戻ってくる。
「あら、みんな暗い顔をしてどうしたの?」
「インフラが止まって、今後のことを考えてたらさ」
「大丈夫よ。食料の備蓄も十分にあるし、電力だってうちにはソーラー発電があるわ。水だって調達しているから、そんなに深刻な問題なんて何もないのよ」
母さんがそう説明すると、少し全員の雰囲気が明るくなった。
「少し考えて行動して行かないといけないけど、基本今まで通りよ」
「そうだね。母さんの言う通りだ」
「ママ、、、お風呂」
葉月よお前はお風呂の事しか頭にないのか。
「んーお風呂か、、、。今は少し難しいかな」
「うー、お風呂に入れないと死んじゃうー」
クッ!どうにかして葉月をお風呂に入れる方法はないのか!葉月が死んでしまう!
「ごめんね。お風呂の話は置いておいて、新、明日から簡易居住区の建設はできそう?」
「問題ないよ、物資の方は足りると思う。あとは、住み心地がどんなものかって感じかな」
「今建ててもらった倉庫の方に、住んでいる人達から聞いたけど。石造りだから、絨毯のような敷けるものが欲しいそうよ」
そうだったな、一応倉庫として建てた建物に住んでいる人達が居るんだ。その人たちの意見を聞いて、明日は簡易住宅の建築をしてみよう。
「絨毯か、それは家具屋に行って調達してもらえる?」
「そうね。布団や毛布なんかも調達してくるわ。他に必要なものはあるかしら?」
「今のところはないかな」
「明日、新は午後に建築作業ね。その他の人はいつも通り物資調達に向かいます」
母さんがそう伝えると、全員が頷く。その後はいつも通りに、夕食を取り、電気の節電も兼ねて、早めに就寝した。次の日、午前の稽古が終わり、俺は自分で建てた倉庫にやって来た。今暮らしている人達の、意見を聞きに来たのだ。
倉庫に入り、何人かの人達に声をかけてみた。住み心地を聞いてみると、床が固い、窓が欲しい、着替えるスペースが欲しいなど、色々な意見が聞けた。
俺は簡易居住区を建設する場所へとやって来た。
すでに5軒の建物が建っているが、今回の意見を聞いて少し建て直しをする為、すべて建て壊した。
「資材の方は問題ないかな」
昨日のホームセンターで木材を10000個、石材を18000個調達できている、持ち合わせ分含めると、木材21300個、石材26350個だ。これだけあれば、他のやりたいことも出来そうだな。
俺は一軒目の建設に取り掛かった。先ず四方3メートル土台を2つ縦に繋げる、その横に横幅1メートル、縦幅3メートルの長方形土台を2つ繋げ合わる。これで土台の完成だ。
次に3メートル四方の土台に、壁を建築していく、東側の壁には窓枠が付いた壁、長方形の土台側にはドア枠のついた壁、2つの土台分建築した。長方形の土台の方は、ドア枠のついた壁を1つ、普通の壁を3つ建築すれば壁の完成だ。最後に天井代わりの床を建築し、木製のドアを3つ取り付ければ完成だ。
「こんなもんかな」
なということでしょう、最初に立てられていた正方形の建物から、長方形の建物へと華麗に作り替わりました。室内は玄関完備の、2部屋構造、快適の2文字が頭に浮かびますねー。
解説はこのぐらいにして、この建物に掛かったコストが石材2000個、木材300個。まぁ、問題ない感じだな、あと11軒作っていくか。その前に窓を開放しておかないいけないな。
俺はクラフトツリー画面を開く。
そう言えば、簡易サイトの下のアイテムを、確認していなかったな。
簡易サイト下には、サプレッサーが表示されている。
「んー使い道がないな、放置で行こう」
俺はクラフトツリー画面で窓を開放する、これで残りDポイントが37となっていた。窓の下クラフトツリーには、椅子が表示されていた。これは今はいらないな。
Dポイントは昨日増やせたから、もう少し貯めて50ポイントで分解機を開放してみたいな。
今度はクラフト可能アイテム画面を開き、窓を2つクラフトしてみる。
『窓 必要コスト 木材100』
俺は作成した窓を、建築した建物へ設置してみる。
「窓だな。木材しか使ってないのに、ガラスがあるのは神様パワーってことか?」
見た目は木の枠にガラスが付いた普通の窓って感じだ。開閉はできないが、部屋に陽の光が入り、十分明るく感じる。
「よし!これならいい感じの簡易住宅になったな」
俺は残り11軒の簡易住宅をパパっと建築していく。まったく同じ造りなので、苦労もなく終了した。
何というか町が出来ていく感じがするな。
立ち並んだ簡易住宅を見てそう感じた。
「手持ちの物資も少なくなってきたし、取り合えず避難民に家を割り当てていくか」
母さんと事前に打ち合わせをし、完成後は速やかに引っ越しを誘導するように言われていた。
家の割り振りは適当でいいそうだ。
俺は道場と倉庫を回り、各家庭代表者を1人連れて居住区へと戻って来た。
「じゃあ、あなたはここで、そっちの穴化はここです」
俺が適当に指を差し、指名して部屋を割り振っていく。避難民は割り振られた簡易住宅を見ると、嬉しそうな表情を浮かべていた。
この顔を見ているとなんかやる気が出るな。そうして、全ての家庭に家を割り振り、引っ越しをしてもらう。全員あまり私物はないので、引っ越し自体はすぐに終わった。
俺は時間が余っているので、木箱の性能について調べようと思う。倉庫へとやって来た俺は、依然調べた事を思い出す。ゲームだと食べ物などを入れられたが、この木箱には食べ物を入れることが出来なかった。しかし、飲み物などは入るのだ。
俺はもう少し詳しく調べる為に、凍らしたペットボトルを用意する。それを木箱へと入れる。30分ほど放置して取り出してみると、キンキンに凍ったままのペットボトルが出てきた。
入れた物は時間が止まるってことか?これならガソリンを保管しておいて問題ないな。
俺のインベントリーと、アイテムボックスには昨日調達したガソリンがパンパンに入っているのだ、入りきらなかった分は、倉庫にそのまま置いてあるが。
俺は木箱を2つほど作成し、倉庫内に設置すると、ガソリンが入ったドラム缶などを仕舞っていった。
「ほぼ2箱ガソリンで埋まったな。んー倉庫も手狭になって来たし。俺が建てた倉庫に、今度移動させるか」
俺は完全にやることがなくなったので、みんなが帰ってくるまで居間で昼寝をすることにした。




