3人目のギフト保持者とギフトについて
居間に戻っり暇な時間を適当に潰していると、時刻は夕方ごろになっていた。
自主練を終えた誠、秀樹、麻陽瑠達も居間に戻り、休息を取りつつ、くつろいでいる。
「今日は何してたんだ?」
誠が俺に問いかけてきた。
「ギフトのことでな」
今日やったことを軽く説明して伝える。
「あとは、ダラダラしてたな」
「有意義な休日を過ごしていいな、こっちなんてあの脳筋と自主練だぞ、もうクタクタだよ」
「なんだ、自主練も十分に有意義だろ」
居間で寝ころびながら文句を言う誠に、秀樹がそう返す。
てか、脳筋の部分はスルーなのか。
「そうだ、今度試してもらいたいことがあるから、付き合ってくれないか」
「別にいいけど、何を試すんだ?」
「クロスボウを量産できるようになったから、みんなが、どれほど使えるのか試してもらいたいんだ」
ダラダラ過ごしていた時に考えたのだが、昔の火縄銃で信長がやった方な三段撃ちの運用方法を考えた。これなら、クロスボウの装填時間を少なくでき、弾幕を張ることも可能ではないだろうか。
現状、俺達七人では実行は不可能なのだが。
「了解。時間があるとにでも、誘ってくれよ」
「ああ」
そんな会話をしていると、居間に葉月がやって来た。
「おはよぅ」
まさか今の今まで、二度寝をしていたというのか!?
「お、おう。おはよう」
多分この中で一番、有意義に休日を過ごしていたの葉月だろうな。その後は、のんびりと会話をしながら過ごし、母さんが夕食の準備が出来たと知らせに来た。俺達は、昨日と同様に外に出て、炊き出しの夕食を受け取り食事をした。
「なんだか、こんな世界になって色々変わっていくけど、順応できちゃうんだよな」
「そ、それには個人差があるんですよ。新君の順応性が高いだけであって、他の人がそうとは限りません。この環境に慣れない人は居ますし、そういう人達がコミュニティで問題を起こしやすいんです」
食事後、何気なく言った言葉に青山先生が真面目に回答してくる。でも、青山先生が言った言葉はその通りだと思う。この場所には今は何十人と人が集まっており、中には俺の様に順応性が高く、問題なく過ごせる人もいると思うが、それ以外の人達は不安や、不満を抱えて生活しているのだ。
なら、俺達は少しでもその不安や、不満を解消できるように、行動していかなければならない。
青山先生って何も考えていないようで、ちゃんといつも色々考えて行動してくれてるんだよな。
「貴方のように無神経な人間にはわからないでしょうけどね」
さり気なく俺達の輪に加わっている雪音が俺にそう言ってくる。
「無神経な人間で悪うございましたね。てか、なんでお前は此処に居るんだよ、親御さんのところに居ろよ」
「貴方には関係ないわ。どこで食事を取ろうが、私の勝手でしょ」
「私は雪姉ぇと、一緒にご飯食べれてうれしいよ」
クッ!葉月はお兄ちゃんよりそいつを選ぶというのか!?葉月がそちら側に付かれると、これ以上俺の言えることはない。
俺はそれ以上は何も言い返さず、そのまま食事を終え居間に戻って来た。何故か、雪音も居間に一緒にいるが、葉月が抱き着いているせいで、文句の一つも言えない。
そんなことを考えていると、母さんも居間へとやって来た。
「あら、雪音ちゃんも一緒だったのね」
「はい。あの、静香さんにご相談が」
雪音が母さんにを告げる。
「相談?別に構わないけど」
「私を物資調達に連れて行って下さい!」
「えっと、先ず確認したいのだけど、親御さんの許可は取ったの?」
母さんが質問する。
「いえ、親には反対されました。でも、私も避難所の役に立ちたいんです」
「うん。雪音ちゃんの気持ちは理解したわ。でもね、親御さんが反対しているなら、私も許可できません」
母さんはそうキッパリと雪音の物資調達への参加を断った。
「私だって、本当はこの子達を物資調達に参加させたくないもの」
一度、俺達の方を見ながら母さんは話を続ける。
「自分の子供達を、命懸けの危険な作業に、向かわせたいなんて思う親はいないわ」
「それでも、私には戦うこと以外役に立つことなんて、、、」
雪音は何かを思い出したようで、一度居間を出ていった。数分後、居間に戻って来た雪音の手には、1本の刀が握られている。
「えっと、雪音ちゃん?その物騒な刀は何かしら」
「お父さんに口止めされていたんですけど。実は私、ギフトをもらったんです」
「ギフトと、その刀に関係があるってことかしら?」
母さんは刀を指差してそう質問する。
「はい。私のもらったギフトはこの刀です。銘は屍丸と言うそうです」
「武器の形をしたギフト?」
「そうですね、、、」
雪音の話を要約するとこうだ。刀の銘は屍丸。能力については、刀の切れ味が落ちることはなく、刃こぼれもしなく。おまけに、仮に壊れた際に、鞘に納めておけば自動修復するらしい。ただ、使用にもリスクがあり、鞘から抜くと徐々に体力を消耗していくらしい。体力の消耗がどれほどなのか分からないが、能力に関してはかなり有能だと思う。
「ギフトについては分かったわ。でも、許可はできません」
「なんで!」
そう反論しようとした雪音を、母さんがそっと手で制すると続きを話す。
「最後まで話を聞きなさい。現状許可はできないけど、明日の稽古で雪音ちゃんを試させてもらうわ。それの結果次第で、雪音ちゃんのご両親を説得するか、決めさせてちょうだい」
「わかりました」
渋々といった感じだが、雪音もチャンスをもらえて納得したようだ。
「ちょっと悪いんだけど、麻陽瑠と、佐城に質問良いか?」
俺がそう伝えると、2人が俺の方を見る。
「ギフトについてなんだが、2人は自分のギフトについてどこまで把握しているんだ?」
「、、、把握ですか。私の場合は、銃器を構えると、銃弾の軌道が分かると言った感じでしょうか」
珍しく、ずっと黙って居た麻陽瑠が答えてくれた。
「それってどのタイミングで分かったんだ?」
続けてに俺は質問する。
「、、、そうですね。神という存在が現れた後、箱の様な物が届いて、それに触れた時でしょうか」
俺は雪音に視線を向ける。
「私も同じよ。箱に触れた時に、ギフトの情報が頭に流れ込んできたの」
「まじか、俺あの箱触った後、気絶したんだけど」
「私はしなっかたわね。鍛え方が足りないんじゃない」
この野郎、何かと難癖付けやがって。てか、その理由なら俺が気絶して、麻陽瑠が気絶しないのはおかしいだろ。
「鍛え方の前に、俺は気絶したことで、ギフトの情報を手に入れられなかったってことか」
「貴方、自分のギフトの能力も把握していないの?」
「そうだよ」
自分なりにギフトについては、調べたつもりだが、俺の知らない能力がまだ、あるのかもしれないな。
てか、なんで俺だけ気絶したんだよ。
「聞きたいことはそれだけだ。答えてくれてありがとな」
俺がそう伝えると、話し合いは終了し。各々そのあとの時間を自由に過ごした。




