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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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準備完了

「新、、、これは何?」


母さんが指を差した先には、俺の記憶にない(夢中になって記憶にない)建物が建っていた。見た目は3階建ての立派なログハウスだ。


三角屋根がなんとも家って感じがするな、、、


「えっと、何だか創作意欲が湧いてきて」


そんな言い訳を言うと、俺の頭にげんこつが降って来た。

痛い、、、


「倉庫の隣に大きな建物が立っていたり、門の端には小さな家が何件かあったけど、あれは実用性があっていいと思うわ。でも、これはダメよ!建物は無駄に大きくて、個室なんて12部屋あったわよ!1階なんて無駄に広いリビングじゃない!」


説明しよう。今回俺が作ったログハウスは、一階が広々とした縦横16メートルあるリビングになっており。奥には、くの字になっている階段を設置し、1階から3階へと続いている。そして一番の魅力は、2階、3階にある個室だ。建物中央が廊下になっており、左右には3部屋ずつ個室が設けられているのだ。


「結構いい出来だと思うんだけど、、、」


「却下。この建物を片づけるまで、晩御飯は無しよ」


そんな、、、俺の自信作が。ゲームでは実用性重視で、見た目や内装には拘れなかったから、現実世界でちょっと楽しくなって、作ってしまっただけなのに。


俺はそのあと1時間ほど掛け、自慢の自信作を涙目で簡易分解していった。居間に行くと、母さん以外の全員がそこに居た。各々自由に過ごしており、秀樹だけは稽古の疲れかぐったりとしている。


「片づけ終わったみたいだな」


誠が俺に話しかけてくる。


「ああ、悲しかったけど取り壊してきたよ」


俺の返事に苦笑を浮かべる誠。


「でも、ほんとに驚いたよな。帰ってきたら、あんなに沢山の建物が建ってんだから」


「ログハウス以外は、そんな時間掛からなかったぞ」


「マジか!?ギフトってホントすげぇ能力だな」


俺もそう思うけど、正直いって戦闘で役立つギフトが欲しかったよ。そんな会話をしていると、母さんが夕食を運んできた。


「あら、もう片付け終わったの?」


「建てるのも簡単だから、壊すのも簡単なんだよ」


「そうなのね、、、」


母さんは急いで、台所の方に戻る。


片づけに時間がかかると思って、俺の分用意してなかったなこれ。


戻ってきた母さんは、ササっと食事の準備をしていく。いつも通り全員で手を合わせ。


「「いただきます」」


俺の食事だけ小分けなんだけど、やっぱ用意してなかったのか、、、。


食事が終わり、全員がいつも通り居間に集まっていた。


「俺から報告させてもらうよ」


俺は今日建てた建物のことを説明していく。


「ログハウスは壊したけど、それ以外はちゃんと使える物だから。あとはブルーシートで、入り口を塞ぐだけかな」


「新のギフトがこんなにも有用なものだと思わなかったわ、ご苦労様ありがとね」


母さんは俺にねぎらいの言葉をかけてくれたが、俺はログハウスの件をかなり根に持っているからな。


「私たちの方はスーパーマーケットを5件ほど回って来たわ。これで食料の確保は完了でいいわね」


そうか、今日は食料調達のみを行った感じなのか。


「それで次は住居と思ったけど、その問題は新が解決してくれたわね。これで受け入れ態勢は整ったと言って良いわね」


そうか、これで一歩前進したってことになるのか。


「居住スペースは新が作ってくれた倉庫と、道場を開放します。足りなければもう一軒、新たに作ってもらうことになるけど、大丈夫かしら?」


「建築の方は問題ないけど、物資は少し足りないかな。でも、多分どうにかできると思う」


母さんは真剣な表情になって話始める。


「その時は、よろしくお願いね。では明日はこの家に隣接する家を、一軒一軒回っていきます。そこで避難を求める人は受け入れ、望まない人には何かしらの援助を行おうと思っています」


母さんはそこで話を一度止め、全員の顔を伺う。俺達は黙って頷く。


「明日の午後から避難誘導を行うから、今日もゆっくり休んで万全の態勢で行きましょう」


俺達は再度頷いて返事を返す。


稽古がある時点で、万全にはならないんだけど。


「ごめん、俺から一つお願いがるんだけど」


そこで全員が俺の方を見る。


「確証はまだないけど、俺のギフトってどうやら、デットウォーカーを倒さないと、クラフトできる物が増えないみたいなんだ。だから、避難誘導の時はなるべく俺に、デットウォーカーを倒させて欲しいんだ」


今日の建築中にも考えていたが、やはりDポイントの取得方法は、デットウォーカーを倒すことだと思い至った。


「んー、そうなるとデットウォーカーを、無力化する方法が必要ね」


「俺と、誠がデットウォーカーを倒す時、バールで突き刺して行動を封じ倒していたんだけど。この作戦だと難しいかな?」


「バールで無力かね、、、あ!いい物があったわ。明日までに準備しておくから大丈夫よ。では、他に何も無ければお終いよ」


誰も何もないようなので、これで話し合いは終了だ。俺は自室に戻り早めに寝ることにした。

次の日の稽古が終わり、いつも通り玄関前に集合集合している。


「青山先生は今日は自宅待機ね。それ以外の全員は避難誘導に参加してもらいます」


各々返事をする。


「とりあえず、正面の家の佐城宅から行きましょうか」


佐城?どこかで聞いたことがあるような、、、。思い出せないな。


誠の顔を見ると俺を見ながら、なぜか苦笑いを浮かべている。


何か俺の顔に付いているのか?


「出発の前にこれね」


母さんは足元に置いてあった長い棒を持ち上げる。


「さすまたよ、これでデットウォーカーの動きを封じるわ。私と秀樹君がさすまた担当ね、新はこれ」


さすまたを1本秀樹に渡す。俺にも長い、、、バールだな。


「私が先行してデットウォーカーを地面か、壁に押し込むから、秀樹君はそのあとに足元を抑え込んでちょうだい。最後は新がバールで止めを刺す作戦よ」


俺と、秀樹は母さんの作戦に頷いて返事を返す。


「基本的に単体で行動している、デットウォーカーのみを狙います。複数いる場合は、麻陽瑠ちゃんがクロスボウで数を減らしてちょうだい。麻陽瑠はデットウォーカーを打つことになるけど、覚悟は大丈夫かしら?」


「はい。問題ありません」


少し声が裏返っていたように感じた。始めて人の形をした者を射抜くのだ、誰だって怖いし、力が入るだろう。


「葉月と、誠君は基本的に、予期せぬ事態の対応をしてもうことになるわ」


「要するに特にやることなしってことね」


不満げに葉月が言い返す。だが、母さんは真剣な表情で言い放つ


「ダメよ葉月。予期せぬ事態が起こるのが実践よ。あなたの力を頼りにしているから、任せるの分かった?」


「はぃ」


まだ不満そうな葉月だが、母さんの真剣な表情に気圧されて了承した。誠もそれに続いて了承する。


「では、避難誘導開始よ!」

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