表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/44

初めての建築

次の日、いつも通り朝食を終え、稽古に移ろうとしたところで、母さんが秀樹と麻陽瑠に声をかける。


「二人も稽古に参加する」


「いいのか!?」


「いいわよ、強くなることはこの世界では必要なことだもの」


「参加させてくれ!」



嬉しそうに秀樹が参加を表明した。

ああ、地獄への直行便に、また1人乗車したな。


「麻陽瑠ちゃんはどうする」


「秀樹がやるなら、やります」


弟が心配なのか、優しいお姉さんだな。だが、それは自殺行為だぞ。


そして、いつも通り玄関前に集合させられ、軽いランニングから稽古が始まった。

昨日の疲れが抜けていないのか、体が重く今日はしんどい。隣の誠も同じようで、かなりしんどそうだ。


初参加の秀樹は最後までなぜか、余裕そうに付いて来ている、こいつ体力バカってやつか。麻陽瑠の方は後半からかなり遅れ、最後は周回遅れになっていた。


次の筋力トレーニングでも、なぜか秀樹は余裕でこなし、麻陽瑠は途中リタイアしていた。道場の稽古に移ると、麻陽瑠の方は隅っこで座って、参加する様子はなさそうだ。


「秀樹君はすごいわね、体力が有り余ってる感じが、伝わって来るわ!」


母さんは秀樹の稽古の様子を見て、褒めちぎっている。


「初めての秀樹君の実力を見る為に、私と試合をしましょうか」


そう言われ訓練用の警棒を持った秀樹が立ち上がり、母さんの正面に移動する。


「頭に一本入れた方の勝ちよ。では、始め!」


その合図とともに、秀樹は両手で持った警棒を上段に掲げ、突進をしていく。母さんの目の前で警棒を振り下ろそうとした瞬間、母さんは警棒を持っている手を掴み、そのまま一本背負いをお見舞いする。

そして、最後に倒れ込んだ秀樹の顎へ、一発入れて試合が終了した。


だから、これは顎じゃなくて頭に一本入れる試合でしょ。


デジャブの様に俺の脳裏には、二日前の光景が思い出される。母さんは慣れた手つきで、気絶した秀樹を目覚めさせる。


「直線的過ぎね。あと、何も考えてないのが見え見えよ」


一瞬で気絶させられ、すぐさま起こされた秀樹は、母さんが言った言葉を、ほぼ理解できていないような感じがする。


「な、なにが起きたんだ?やべぇ、静香さん!いや、師匠!俺をもっと鍛えて下さい!」


理解できていない頭で、咄嗟に出た言葉がそれか。ホントに、本能のままに生きてる感じだな。


「本気で強くなりたいの?」


秀樹の言葉に母さんは真剣な表情で質問する。秀樹もそれに反応し真剣な表情で答える。


「はい!マジです!俺も師匠の様に強い男になりたいです!」


「死ぬかもしれないわよ」


「死んで強くなれるなら、俺は強くなりたいです!」


「わかったわ」


冗談だと思うかもしれないが、死ぬかもしれないのはマジだ。俺が経験しているからホントの話なのだ。


「では、この後はいつも通り葉月対新と、誠君で試合をやってなさい。秀樹君は私が面倒を見ます」


やばい母さんの顔がマジの顔だ。これは死んだな秀樹のやつ。


その後は俺達は通常通りの試合を続け、秀樹は母さんにみっちりボコボコにされていた。

多分30回は気絶していたと思う。麻陽瑠はそんな秀樹の姿を、心配そうな顔で見ていたが、時折近づいて看病のようなことをしていた。


「今日の稽古はここまで!」


母さんがそう告げると稽古が終了した。目が座っている秀樹に俺は近づいて声をかける。


「大丈夫か?」


「僕は秀樹?ダイジョーウブ!」


ありゃ、体と頭がおかしくなってるな。


秀樹に俺と誠で肩を貸してやり、居間まで運んでいく。居間で秀樹を寝かせてやり、俺達も休息を取っていた。そこに、麻陽瑠がやって来て、心配そうな顔で秀樹の横に座る。


「秀樹は元に戻りますか?」


「ああ、しばらく寝れば元に戻ると思うぞ」


俺の言葉を聞いて、安心した表情になる麻陽瑠を見て、優しい姉さんだなと思う。


「あの年増め、私の可愛い秀樹によくもあんな真似を、、、」


そんな呟きが俺の耳に聞こえる。


おっと、思った以上にブラコンなのか?しかも母さんを年増扱いとは、なかなか度胸があるな。


そんなこんなで起きた秀樹と昼食を済ませ、午後からは別行動の俺は母さん達を見送り、建築の実験を行うことにした。今いるのは倉庫の横にある空きスペースだ。先ずは、今後物資が増えているだろうから、倉庫のような建物を作り、ついでに能力の確認をしていく。


挿絵(By みてみん)


設計図を取り出し、先ずは土台から作成していく。使う資材は石材、サイズは四方5メートルだ。地面より少し高さをつけて、試しに一つ建築してみる。


「問題ないな」


俺は次にハンマーを取り出し、土台を叩いてみる


『簡易分解/強化』


なるほど、簡易分解も可能か。強化の方を選択してみる。


『必要コスト 鉄200個 強化しますか Yes/No』


Noを選択して表示を閉じる。

ゲーム同様に、更に強い建物にすることが出来るようだな。確認するのはこのぐらいにして、倉庫建築を進めるか。


土台を縦に三つ、横に四つ繋げて建築する。要するに、縦15メートル、横20メートルの土台を作ったってことだ。次に壁を建築していき、出入り口になる所にはドア枠を建築する。これで天井がない、だけの簡素な建物に見える。


「もう少し高さが欲しいか?」


俺は壁の上に、壁を建築して高さを倍にしてみる。


「倉庫だしこのぐらいか、足りなければ簡易分解で改築も可能だし」


壁はこれで十メートルの高さが出来た。最後に屋根なのだが、ここはゲームの知識を生かし、床を屋根、替わりに建築していく。これで、簡易的だが倉庫の外装が完成した。


外から視ると見た目は長方形の四角い建物だ、色は石の様な灰色をしている。

見た目にこだわらなければ、倉庫には十分なサイズの建物だな。


「内装は物資に余裕が出来たらかな」


ふむ、一人で作業していると独り言が多くなってしまうな、、、


倉庫の建築にかかった時間は大体30分ぐらいか、現実ではまず不可能な建築速度だな。

使った石材の量は土台1つに200個、それが14個で2400個、ドア枠含め壁が1つに100個、それが28個で2800個、天井が1つに100個、それが14個で1400個、合計6600個か。前回の物資調達で石材を15000個集めたから、その3分の1ぐらいか。


俺は次に門を背にし右手側の外壁の角にやって来た。ここでは、簡易的な住居の試し作りを行っていく。

サイズはどうするかな、、、。

5メートル四方の建物であれば、一般的な寝室の広さはあると思が。家族構成によって、家族の人数も変わって来るからな。今日は試しなので、色々試してみるか。


先ずは木材での建築をしてみる。5メートル四方土台を建築し、壁で囲いドア枠も建築する。


今更ながら気が付いたのだけど、ドアってクラフトできなくね、、、。まぁ、しばらくはブルーシートなどで塞げばいいか。


最後に天井に床を建築するれば完成だ。中はしっかり広く、布団を3枚は敷けるスペースがある、簡易住宅としては問題ないと思う。


「窓がないから中は暗いんだよな」


窓枠のついた壁も建築できるが、現状窓をクラフトできないのでやめておいた。明りに関してはホームセンターなどで、ライトを集めてくるとしよう。今回使用した木材は、土台に200個、壁に400個、天井に100個で、合計700個の木材を使用した。製作時間はなんと5分だ、もはや神がかっているな。


昨日の物資調達で木材が12000個集まったので、これならある程度の数の建物を建築できそうだ。問題があるとすれば、耐久性、可燃性、断熱性か。これは住んでみないと分からないが、可燃性は問題だな。すべての家を木材で作った場合、火事が起きたら大惨事だ。


「そうなると、簡易住宅は石材で作った方がいいか」


石材のストックは残り8400個で、今回作った簡易住宅と同じものを作るとすると、1軒で700個なので12軒は建てることが可能だ。


俺は1度木材で作った建物を、簡易分解し取り壊す。再度同じ建物を石材で5軒ほど、横並びで建築していった。


何故だろうか。そのあと母さんたちが帰ってきて、母さんに怒られるまでの記憶が飛んでいる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ