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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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もう一人のギフト保持者

無事、物資調達から、帰宅した俺達は、荷下ろしを終え。居間で休息を取っていた。今日から仲間となった2人は、どこか落ち着かない様子だったが。


まぁ、この家などを見たら、そうなるよな。


母さんが夕食の準備を終え、テーブルには夕食が並んでいる。


「また、新しい家族が増えたことを祝って。今日も豪勢にしたわよ!遠慮しないで、みんな沢山食べるのよ!」


「「いただきます」」


誠と、青山先生が来た時と同様に、2人は遠慮しながら、箸を進めていた。しかし、母さんの押し付けにより、皿にはどんどん食事が、取り分けられていく。最初は二人とも、渋々食べているようだったが。食事のおいしさに、次第に笑顔が漏れ出てきていた。


これが母さんのすごいところなんだよな。


食事も終わり、全員で後片付けを済ませる。その後は、特に何もやることを決めていないが。全員が居間に座っていた。


「そう言えば、自己紹介がまだだったわね。私は神田静香よ。そこの3人の、ママです」


母さんは、麻陽瑠と、秀樹に、自己紹介をする。


てか。3人って、誠も含まれてるのか、、、。


秀樹が「3人のママ」っと呟いていたが。口説いた相手が、人妻だったのが、衝撃的だったのだろう。


続いて、俺に目線を飛ばしてきたので。順番に全員が自己紹介をしていく。



「自己紹介はこれでお終いね。二人は今の状況を、どれぐらい理解してるのかしら?」


母さんが二人に問いかける。


「ゾンビがそこら中にいるって、ことぐらいだな!」


秀樹はなぜか偉そうに、そう言い放つ。麻陽瑠の方は、黙って居ることが多いな。あまり、話すのが得意じゃないのか?


母さんは、今知りうる情報を、事細かに2人に説明していく。


「なるほどな!なんとなくわかったぜ!」


うん。秀樹は絶対に理解していないな。姉の方は、あまり表情も変わらないので、よくわからないな。



「あの。私多分、ギフトを持っています」


淡々とした話し方で、そう伝えるのは、姉の麻陽瑠だ。


「私。銃器を持つと、その弾道予測が、見えるんです」


「ホント!?すごいわね。だから、クロスボウを持っていたのね」


弾道予測が見えるということは、命中率がほぼ100%と言うことだ。


「そうね、、、」


何故だ母さん。俺を廊下の端に立たせ、頭にリンゴを置くんだ。


「じゃあ。こんな感じで、やって見せてくれる?」


廊下の反対に居る母さんが、麻陽瑠が持っていたクロスボウを借り、構える。次の瞬間、俺の頭に乗っていたリンゴに、矢が突き刺さり、廊下の床に転がっていた。


死ねる、、、。いや、普通に心臓が止まってたぞ。多分。


母さんはクロスボウを麻陽瑠に返すと。再度、俺の頭にリンゴを乗せる。


「遠慮はいらないから。気にしないで、撃ってちょうだい」


「待って母さん。これ、俺じゃなくて、机でよくないか?」


「緊張感がないと、つまらないじゃない」


笑顔でそう返された俺は、神に祈ることしかできず。死を覚悟して麻陽瑠を見る。麻陽瑠はクロスボウを構え、ゆっくりと標準を合わせている。ギフトで軌道が分かるといっても、外したら人を殺しかねない状況で、緊張感しない人などいるはずもない。母さんは別として。


照準が合ったのか、クロスボウの手の動きが止まる。次の瞬間、矢は俺の頭の上のリンゴを貫通しており、俺の命が救われた。


麻陽瑠は、ホッとした表情を浮かべていた。


「生きてるって幸せだな、、、」


そんな俺の呟きを、誠は憐れむような表情で見てくる。


やめてくれ、俺はまだ生きているんだ!


「すごいわね。一発で成功するなんて。やっぱりギフトの力って、本物なのね」


おい、母さん。ギフトの力を、信じていなかったのか?それなのに、こんなことをしたのか!


「これからは、戦力が増えて大助かりね」


「でも、矢があまりなくて。今使っているのと、後三本だけしか」


「それなら心配いらないわ。うちには弓道で使っている、矢が余ってるから」


ホント、何でもあるよなうちには。


居間に戻り、話の続きが始まった。


「明日の予定なんだけど」


「その前にいいかな」


母さんが話しているところに、俺が割って入る。


「なにかしら」


「明日なんだけど。俺、物資調達休んでもいいかな?」


「どうしてかしら?さっきので、怖気づいたの?」


息子をチキンみたいに言うな!実際、ちょっと。ホントちょっとだよ。ちびったけど。


「今日のホームセンターで、色々物資を揃えられたから。明日は試しに、建築をしてみたいんだ」


俺はそう提案してみる。決して、稽古の後の物資調達が辛いから。嫌だってわけじゃないんだらね!


「そうね、、、。どのぐらい、建物が建てられそうなの?」


「多分だけど。簡易的な建物なら、2、3軒かな」


「わかったわ。じゃあ、明日は新抜きで、物資調達に向かいます」


俺の提案は受け入れてもらえたようで。危険な物資調達に行く、みんなには悪いが。明日はギフトの、建築能力の確認が出来そうだ。


その後は、明日の予定についての話し合いが進められ、特に何もなく終了した。今は自由時間なので、風呂に入って、居間でテレビを見ている。

テレビでは一昨日と変わらず、ニュース番組が流れている。


「えー、突然ですが発表があります。我々はこれまで沢山の、情報を発信してまいりましたが。このスタジオの安全確保が、難しくなってきました。私たちはこれから、避難所へ避難を開始いたします。ですので、このテレビ局の報道も、これが最後となります。テレビをご覧の視聴者の皆様、今後とも安全を心より祈っております」


ニュースキャスターがそう言うと、テレビの画面が放送休止状態となる。他の局に変えてみたが、どこも休止状態で、完全にテレビでの情報集が、出来なくなってしまった。


日を増すごとに、デットウォーカー達の数も増えてきている、ということだろうか。この先何週間、何ヶ月もしたら。生きている人間より、デットウォーカー達の数が、多くなっているのではないか。

先の見えない不安が、俺の心に暗い感情を落としていく。


「て、テレビ観れなくなると。やることが、なくなってしまいますね」


呑気に、そんなことを呟く青山先生を見て。なんでこと人は、そんな平然としていられるんだ、と思ったが。この人はホントに、何も考えていないんだと思う。そう思うと、何故だか笑いが込み上げてきて、さっきまでの暗い気持ちが、晴れていった。

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