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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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ホームセンター 前編

ホームセンターに着いた俺達の前には、入り口が門が閉ざれた、ホームセンターがあった。

従業員の人が閉めたのか?


「母さん。これじゃあ、トラックが入れないよ」


「そうね、、、。困ったわね」


青山先生以外はトラックを降り、門の前で、突っ立っていた。


「チェーンを巻かれて、しっかり閉じられてるな」


「私はこのまま、帰ってもいいだけど」


葉月以外は、どうにかしようと、考え込み始める。


「先に店内に入って、チェーンカッターを持ってくるのは、どうかな」


俺はそう提案する。


「そうね。それしか、ないわね」


俺達は青山先生に、チェーンカッターを持ってくる事を伝え。門を乗り越え、店内へ向かって行く。ホームセンターの敷地内には、デットウォーカーの姿はなく。安全に、店内の入り口まで、たどり着く。


「ここまでは、安全だったな」


「店内の方は、よく見えないから、分からないけどな」


店内の入り口から、中を覗く。


「ちょっと試したいことが、あるんだけど、やってみていいかな」


俺がそう提案する。


提案の内容はこうだ。店の入り口の窓を、警棒で叩く。デットウォーカーは、音に反応するので。デットウォーカーが店内に居たら、その音につられてやって来る。そうやって、店内の状況を確認するって、感じだ。



「良い作戦ね。それで行きましょう。やっぱ新は、パパに似て賢いわね」


母さんが嬉しそうに、そう言ってきたが。これはちょっと前に、ゾンビ作品を見ていた時、やっていたのを、思い出しただけなのだ。俺が考えたわけじゃないが、伝える必要もないだろう。


母さんは警棒を使い、入口近くの窓を、何度か叩く。暫く、様子を見ていたが。デットウォーカーが、やって来ることはなかった。母さんは、もう1度窓を叩く。しかし、デットウォーカーがやって来ない。


うまく、いかなかったのか?


「いないのかしら。門も閉じられて、デットウォーカーも、入れなかったのかしら」


「その可能性が、高いですね」


「行きましょうか」


母さんがそう言ったところで、入り口に人が現れた。


「なんだおまえら!ここは俺達兄弟の縄張りだ!勝手に入ってくんじゃねぇ!」


茶髪のモヒカンで、学ランを着た青年と。金髪の1つ結びで、セーラー服を着た少女が。2人、入り口の向こう側から、話しかけて来た。茶髪の方は、片手に小野を持っており。金髪の方は、クロスボウらしき物を、持っていた。


「あら、可愛い子たちね」


いや、可愛いのか?母さんの感性がわからん。


「あなた達、二人だけなの?」


「そうだぜ。なんだ姉ちゃん、こっちに混ざりたいのか?」


モヒカンの方が答える。その顔は、女を見る、いやらしい目をしていた。母さんが若く見えるのは、いつものことだが。目の前で、こんな目線を向けられるのは、正直気持ち悪いな。


「親御さんは、いないのかしら?」


モヒカンの目線を無視しながら、母さんは質問を続ける。


「ヘッ!あんな奴らは、いねぇよ」


「あらそうなの、、、。なら、私だけ入れてもらえる?」


「へへ!いいぜ。そっちのちっさい方も、入るか?」


「キモ死ね」


葉月よ、思っていることを、そのまま口に出すのは、よくないぞ。男は、入り口のカギを開け、母さんを招き入れる。


「男はダメだ!おまえらは、どっかに行け!」


流れで入ろうとしたが。モヒカンが斧を、俺達の前に向け、そう言い放つ。母さんは、店内に入る直前、こちらに、軽くウィンクをしてくる。葉月が入らない事を、確認した後、再度カギをかけられてしまった。


ああ。奴らは、爆弾を懐に、入れてしまったな。


俺は、外から眺めていたが。店内に入った母さんに、モヒカンは肩に腕を、回そうとした。母さんは、拒む素振りをしながら、腕を軽く振る。次の瞬間、モヒカンは膝から崩れ落ち、地面に倒れ込んだ。


うん。顎に、一発入れたな。


金髪の方は何が起きたのか、理解できておらず。動揺し母さんに、クロスボウを向けようとする。しかし、その前に母さんは、金髪の背後に回り込み、げんこつを頭に叩き込んだ。金髪の少女は、涙目になり、頭を抑えその場に蹲る。


女の子だから。げんこつで済ませて、もらえたんだな。


「これでちゃんと、お話が出来そうね」


笑顔の母さんが、腕を組みながら、そう告げる。その後は、母さんが二人を抱え、店内へと一度消えていく。暫くして、縄で縛った二人を連れ戻って来た。カギを開けてもらい、俺達も店内へと入る。


「さて。この子達、どうしようかしら」


「勝手に押し入ったのは俺達だし、必要なもん取った後、解放してあげたら?」


母さんに、俺がそう提案する。


「そうね。うちに持って帰っても、問題ないわよね」


んん?ちょっと母さんが。何を言っているのか、分からないな。


「お嬢さん、お名前は?」


母さんが金髪の少女に、話しかける。少女はビクッっと、体を震わせ答える。


佐藤麻陽瑠さとうまひるです」


「麻陽瑠ちゃんね。親御さんは、どうしたのかしら?」


母さんは続けて、質問をする。


「、、、」


少し涙ぐんだ瞳を浮かべながら、黙って居る。


「そこからは、俺が話す」


いつの間にか起きていた、モヒカンが話に割って入っる。


「俺の名前は佐藤秀樹さとうひできだ」


秀樹と名乗ると、続きを話しだした。


「俺達家族は俺と、姉貴、母さんの、三人家族なんだ。この騒ぎが起きた時、俺達はたまたま家に居て、母さんの提案で。近くの学校に、避難することにしたんだ。だけど、その途中に、あのゾンビみたいなやつらが襲ってきて、母さんは姉貴を庇って、、、」


母親が目の前で、食われる所を見てしまうなんて、死ぬほどつらい体験をしたんだな。


秀樹と名乗った男は、話し続ける。


「俺達は、母さんがゾンビに襲われてるのに、何もできず。その場から逃げ出して、このホームセンターに、たどり着いたんだ。このホームセンターは、門が閉まっていて、ゾンビも居なかった。ここで俺達は、今日まで生活していたんだ。そんで、あんたらが来た」


「そう、、、。辛かったわね」


母さんは、話を聞き終えると。優しく二人を、抱きしめる。


「経緯は理解したわ。あなた達は悪くないわ。そんな状況で、どうにかできるのは、極僅かな人間だけよ。お母さんが、襲われてしまったのは、あなた達の責任じゃないわ」


母さんはそう言って、2人の頭を撫で始める。2人は母さんの優しい言葉に、涙を浮かべる。


「お、俺こんな見た目で、母さんに沢山迷惑かけたのに。何も親孝行できずに、、、」


「そんなことないわ。あなた達がこうして、無事に生きていることが。お母さんにとって、何よりも嬉しいことのはずよ」


暫くの間、静寂の店内に、二人の鳴き声だけが響いていた。


ピリリリ!


と携帯の音が鳴り響く。なっているのは、俺のスマホだ。


「あ、、、。青山先生からだ」


俺は通話ボタンを押し、電話に出る。


「み、皆さん大丈夫ですか?私が大丈夫じゃないので、助けてください!」


「どうしたんですか?」


「デ、デットウォーカーに、囲まれてしまって」


忘れていた。青山先生の乗っているトラックは、今も門の外にあることを。

でも、この空気をぶち壊すなんて、流石青山先生だな。


俺は母さんに、青山先生の状況を説明する。母さんはすぐに、トラックの方へ向かう。俺はチェーンカッターを探し、門へと向かった。


「あ、ありがどうございまずー」


門を開け、駐車場に止めたトラックから。半泣きの青山先生が、降りてくる。


なんで、あんたも泣いてんだよ。


俺は、デッドウォーカーが入ってこないよう。門を再び閉め、3人で店内へと戻った。

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