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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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スーパーマーケットと劣等感 後編

特にやることもなく、段ボールへに腰を掛け、休憩をしていると。誠がトントンと、肩を叩いてきた。


「な、、、」


俺がそう言いかけると、誠は口の前で、人差し指を立てた。そして、外に向かい。指を差す。誠が指を差した先には、1体のデットウォーカーが、こちらに向かい、ゆっくりと歩いていた。


このスーパーマーケットの入り口は、この場所のみだ。1人が母さん達を呼びに行き。もう1人がここで、デットウォーカーを見張る。いや。この作戦だと、デットウォーカーが店内へ入って来た時、残った一人が危険に晒される。二人で母さん達を、呼びに行くか?ダメだ。その場合、デットウォーカーを見失い、店内へ入られたかも、わからなくなってしまう。どうすればいい。


「俺がここに残って、デットウォーカーを見張ってるから。お前は静香さんたちを、呼びに行ってくれ」


「ダメだ。それは、誠が危険すぎる」


今できる最善の策を考えろ。今ある物を使って、デットウォーカーを倒す、それが最善だろう。

今の俺達の装備は警棒と、、、。

俺はインベントリーから、バールを取り出す。これは、学校から持ってきた物だ。


「誠」


誠の名前を呼び、バールを手渡す。受け取った誠は、俺が何を考えたのか、分かったようで。ニヤリと笑う。そして、小声で作戦を伝える。


作戦はこうだ。入り口前で、軽く音を立て。それを聞きつけた、デットウォーカーの突撃を、誠がバールで受け止め。俺が背後に回り、警棒で止めを刺す。


「この作戦で、問題ないか」


俺がそう聞くと、誠は黙って頷く。


「音の出し方は、お前に任せる、なるべく、小さい音で頼むぞ。他のデットウォーカーを呼び寄せたら、それこそ終わりだからな」


「わかってる。新こそ、確実に倒してくれよ」


そう言って誠は、入り口前に移動する。俺は入り口横の、少し離れた位置に移動する。デットウォーカーは、入り口付近でうろうろしていた。


カン!


誠はバールで、近くにあった棚を軽く叩く。その音を聞きつけたデットウォーカーは、入り口に向かい歩き出した。入り口の自動扉が開き、ゆっくりと誠の居る方向へ、迫るデットウォーカー。その間誠は、胸元にしっかりとバールを構え、待っている。デットウォーカーは、嗅覚で知覚できる位置まで進むと、誠に向かい突進する。


誠はしかりと、デットウォーカーの体を捉えており、バールはそのまま、デットウォーカーの胸元あたりに、突き刺さった。俺はデットウォーカーの身動きを、封じた事を確認した後。すぐさま背後に回り、警棒をデットウォーカーの頭へ、思いっきり振りぬく。


「やったか?」


その問いかけに、俺は黙って頷く。誠はバールを引き抜くと、俺の胸元に、こぶしを突き当てて来た。


「やっぱお前も特別だよ」


「何がだよ」


「デットウォーカーって、見た目は人間だろ。そんなのに対して、躊躇なく一発入れられるなんて、正直言って普通じゃないだろ」


誠の言う通り、デットウォーカーは人間だった存在だ。そんな存在に対して、躊躇なく攻撃出来るのは。俺もこの世界に、順応してしまったって、ことだろうか?それか、俺はもともと頭のネジが、外れた人間なのだろうか。


そんなことを考えていると、母さん達が戻って来る。入り口の状況を見て、母さんの顔が、引きつっていくのが分かる。


「あなた達、私が言ったこと忘れたの?二人だけで戦って、何かあったらどうするの!!」


母さんのげんこつが、俺と、誠の頭に、炸裂した。俺達は涙目になりつつ、事の経緯を説明する。


「経緯は分かったわ。でもね、そんな時でも、私を呼びに来なさい。二人に何かあったらと思うと!!」


再度、俺にだけ、げんこつが飛んでくる。


痛い、、、なんで?


「今回のことは、これで水に流します。今後は絶対に、無茶をしないこと。わかった?」


「「はい!」」


その後は、母さんの指示で、集めた物資を、車へ積み込んでいった。葉月は「私だけ何もしてない」と、ぼやいていたが。デットウォーカーと、自ら戦いたいと思うのは、どうかと思うぞ。


「やっぱり、この車だと、あんまり積み込めないわね」


俺達が調達した食料は、段ボール10箱ほどあり。青山先生のファミリーカーでは、全部積み切ることが、出来なかった。


「もっと大きな車が、欲しいところね、、、。あ!いいこと思いついたわ」


母さんは突然に、何かを思いついたようで。俺達三人を、車の中で待機しているよう、指示を出す。そして、青山先生を連れ、スーパーマーケットの建物の方へ、消えていった。


暫く休憩がてら、誠と他愛もない話をしていると。スーパーマーケットの裏の方から、大型トラックが駐車場へ入って来る。


「誠、葉月、誰が乗っているかわからないから。念のため隠れるぞ」


「なに、いきなり」


2人ともトラックに気づいたようで、俺の指示で後部座席に伏せるように、3人で身を隠す。窓から少し顔を出し、トラックの動向を観察していると。トラックは俺達の乗っている車の、すぐ横に駐車した。


「知らない人たちなら、どうするんだ?物資の取り合いとかに、ならないか」


「その可能性も、なくわないが。取り合えず、様子を見よう」


トラックの助手席から、誰かが下りてくる。そして、こちらに近づいてくる。その時点で誰が来たかは、確認できたので、俺達も外に出ることにした。


「これがあれば、いくらでも物資を運べるわよ」


ドヤ顔の母さんが、仁王立ちで腕組しながら、そう言ってくる。運転席から、青山先生も降りて来て。こちらにやって来た。


「あ、あの~。そうなると、私の愛車は、、、」


「ここに置いて行きますよ」


キッパリと母さんは言い放った。青山先生は肩を落とし、ぶつぶつと何か言っているが、何を言っているか聞き取れない。


「じゃあ、トラックに荷物を、積み込みなおしたら。他のスーバーマーケットを、はしごするわよ」


母さんがそう伝えると、全員で荷物を積み替え。別のスーパーマーケットへと、移動し始めた。運転席は少し窮屈だが。俺、誠、葉月は、運転席と助手席の後部スペースに、体育座りで座れている。


「くぅー!あの愛車には、世話になったが。大きいトラックもいいぜ!」


豹変モード青山先生が、運転しながらそう言っていたが。出発前まで、少しごねていたのを、俺達は知っている。豹変モードになると、性格まで男らしくなるのか。


「先生が、大型自動車の免許も、持っていて助かったわ」


「一通り、車は全部運転できますぜ!」


青山先生らしくない、謎の才能だな、、、。


母さん達がそんな会話をしていると、2件目のスーパーマーケットへ、たどり着いた。1件目同様に、母さんが戦闘を行い、安全を確保したのち。食料調達をして、トラックへ食料を積み込む。3件目も同じ流れで、何事もなく終了した。


3件目の食料調達が終わり。全員が車内で、休憩していた。


「トラックの積み荷にも、まだ余裕あるわね。日が落ちるまで時間もあるから、新が言ってた、ホームセンターに行ってみましょう」


母さんが、そう提案してくる。俺としては、ありがたい話ではあるが、昨日今日の稽古と、食料調達で。結構肉体的に、限界にきてるんだけどな。


そんな俺の思いも、母さんには届かず。トラックはホームセンターへと、向かって行った。

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