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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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稽古!

食事中に俺は、時折机にあるものを拾って、視界の下隅にある、6つの四角形。

いや、ゲームでは、インベントリーと呼んでいたから、インベントリーでいいか。

インベントリーに、出し入れをしていた。


テーブルも拾えそうだが。今拾ったら、机に並べられた料理全てが、落っこちてしまうので、やめておこう。ほかに確認できたのは、取り出した物は手元に現れ、インベントリーにも表示され続けることか。机に置いたり、手元から離れると、インベントリーから表示も、消えるようだ。


「コラ!食事中に、変なことして遊ばないの!」


母さんが、そう注意してきたので、これ以上のお試しは、やめておくことにした。

朝食を食べ終え、全員で後片付けをし。居間のテーブルに、全員座っている。


「それで、さっきからやってる、あれはなんなの?」


単刀直入に、母さんが問いかけてくる。


「どう説明すればいいか。俺にもまだ、把握しきれてないんだけど。朝起きてから」


俺は、自分の視界に現れた表示や、現在できることを、説明していく。


「これは俺の憶測なんだけど。昨日神ってやつが、ギフトを送るって、言っていたでしょ。昨日、みんなに聞いて、確認した、箱のことだと思う」


昨夜、全員に確認し、誰にも見えていない箱が、ギフトだったと伝える。全員あれのことか、みたいな顔をしているが。実際、見えていない物だから、半信半疑で、聞いている感じだ。


「まだ確証はないけど、多分それが原因だと思う。まだ、分からない事だらけだけど。何か分かったら、また説明するよ」


最後に、俺がそう伝えると、話し合いは1度終了した。すると、母さんが立ち上がり、腕を組んで、仁王立ちをする。


「ここからは、稽古の時間よ!着替えたらすぐ、玄関前に集合!」


やだなー、と思いながらも。俺は、誠を連れ、自室へと向かった。誠に運動着を渡し、俺も着替え、玄関へと向かう。部屋を出ると、葉月も着替え終わったようで、タンクトップに、短パンと、動きやすい服装になっていた。


「何見てんの?キモ」


うん、いつも通りだな。


軽いやり取りを終え、俺達は玄関前に集合した。俺達の前には、金属バット片手に、仁王立ちしている母さんが、立っている。


「まず初めに、軽いランニングからね」


俺達は言われるがまま、外壁に沿って、3人で走り始める。走っている途中、誠が俺に尋ねて来た。


「なぁ。この家の敷地って、どのぐらいの広さなんだ?」


「大体、、、東京ドーム1個分ぐらいかな」


「ま、マジか!?軽いランニングだし、1周ぐらいか」


誠よ、母さんの軽いは、そんな軽くないぞ。俺は心でそう呟き、誠の心が折れないよう、黙っていた。2時間ほど経ったころ、母親の終了の合図で、軽いランニングは終了する。


「か、軽いランニングって、言ってたよな、、、」


へとへとになって、寝転ぶ誠が、死にそうな顔でそう呟く。俺も久々の運動だったので、肩で息をしながら、返事をする。


「まぁ、これが母さんってことだ」


そんな状態の俺達を、気にもせず、母さんは告げる。


「次は、筋力トレーニングよ」


母さんがそう言うと、家にある鉄棒へと向かう。家の鉄棒は、横幅5メートル、高さ2メートルほどある物だ。

俺達3人は、1列に並び、棒へぶら下がる。


「開始!1!2!3!」


その掛け声に合わせ、俺達は、懸垂を行っていく。1セット10回を、10セット行っていく。それが終わると、その場でスクワットに移行し。1セット10回を、20セット行う。


「や、ヤバイ死ぬ」


そんな声が、隣の誠から聞こえた。誠は何とか、食らいついて、付いてきている。俺自身も結構キツイ。小学生から、中学校卒業ぐらいまで、毎日行っていたが。最近はサボっていたので、体が怠けているようだ。


「これで、準備運動も済んだわね。この後は、道場に移動よ。15分後に集合ね」


そう言い残し。母さんは、スキップしながら、稽古場の方へと消えていく。

右隣では、葉月が涼しい顔で、汗をタオルで拭っている。左隣では、生気を失った誠が。倒れ込んでいた。

俺もその場で、座り込んで、動けずにいる。


「お兄ちゃん、だらしないな。まぁ、サボってたから、しょうがないけどね」


俺も昔は、葉月の様に、涼しい顔して、こなしていたんだけどな、、、。


葉月はそう言い残し、稽古場へと、向かって行った。残された俺達は、少し休憩した後、誠に肩を貸しながら、道場へと向かう。


「わるいな」


「気にすんな。俺も最初は、そうなっていた」


道場に到着すると、すでに葉月は正座し、待機していた。母さんは、いつも通り仁王立ちで、待機している。俺達も葉月に習い、正座し、母さんに対面する。


「揃ったわね。先ず誠くん、よくここまで、付いてきたわね。正直、無理だと思ってたわ。私は結果を出した人に、相応に応えると、決めているの」


母さんはそう言って、誠の正面に座り、誠の顔をじっと見る。


「誠くんには、この先の稽古を、受ける権利があります。正直、この先の稽古は、かなりハードよ。それでもあなたは、参加を希望しますか?」


「はい」


誠も、母さんの顔をじっと見て、そう答える。


「いい返事ね。この後の稽古は、これを使います」


母さんは倉庫から、何本かの棒を、取り出してくる。

なんか見たことあるな、、、。うん警棒だな。


「この世界で、生き抜くために必要なのは、このような接近武器で、的確にデットウォーカーの頭を、叩き割ることです」


母さんはそう言って、警棒軽く振ってみせる。


「実践形式の1対1で、頭に1撃入れた方が、勝ちよ。安心して、これをそのまま使ったら、死人が出ちゃうから、こっちを使って」


母さんが持っている、本物とは違い。俺たちに渡されたのは、持ち手が以外がゴムでできた、訓練用の警棒だ。


「久しぶりだし。最初は私と、みんなで試合をして、実力の確認をしましょうか。最初は、新からね」


俺は立ち上がり、母さんの前へ対峙し、一礼する。そして、警棒を構える。


「開始よ」


母さんの合図で、俺は先手を取る為、前に出る。

母さん相手に、攻められてしまえば、防戦一方になってしまうからな。

駆け足の状態で、警棒を上段に構え、母さんの頭目掛け、振り下ろす。


「甘すぎ。それと、直線的過ぎね」


警棒を振り下ろす直前、足払いをされる。俺の体はその場で、空に浮かされる。

次の瞬間、俺の目には、母さんの警棒が俺のあご目掛け、振りぬくのが見えた。

俺は薄れゆく意識の中こう思う、、、


いや待ってお母様、それ本物じゃね?


「ふぎゃ!」


そんな声と共に、俺は意識を取り戻す。周りを見ると、さっきの道場のようだ。後ろに母さんがいるので、無理やり起こされたのだろう。


「ごめんね新。ママ、警棒替えるの、忘れてたみたい。でも、新でホントよかったわ」


「俺でよかったって、ひどくないか」


「新じゃなければ、死んでたかも、しれないじゃない」


おい。死人が出るほどの一撃を、俺に食らわせたのか。


「ほらどいて、次は誠君よ」


俺に対し、シッシッと手を振ると、外に出るように促す。そして誠を呼ぶ。俺は二人が座っている、場所へ戻る。俺と入れ替わりで、誠は立ち上がり、母さんのに対峙する。


「よろしくお願いします」


誠は一礼し。そう言うと、警棒構える。


「安心してね。武器は、訓練用に変えてあるから。では、開始よ」


訓練用の警棒を見せ、母さんが開始の合図をする。誠は俺の試合を見ていたので、無理には突っ込もうとせず。ゆっくりと、距離を詰めていく。


悪くわないけど、母さん相手には悪手だな。


半歩ずつ、ゆっくりと間合いを図って行く誠。母さん少し様子見ていたが、一歩大股で踏み込み、下段から顎に、一閃を叩き込む。誠はその場で、膝から崩れ落ちていく。


あれ?これって、頭に一撃じゃなかったっけ?


地面に顔がぶつかる前に、母さんが体を支え、受け止める。その後、背中に手を当て。ゴキっ!と効果音がなった気がする。そして、誠が目を覚ます。


「大丈夫かしら?」


「は、はい」


「なら、少し休んでなさい。次は葉月よ」


誠は少し、ふらついた足取りで、戻ってくる。

脳震盪から、無理やり起こされたら、ふらつくよな。俺も最初のころは、何度も経験させられたな。

誠は俺達の触っている場所に戻り、俺の横に座る。それを確認した葉月は、立ち上がり母さんの前に対峙し、一礼する。


「開始よ」


その言葉で、葉月は一気に距離を詰める。俺と同様に、上段に警棒を構えた。

母さんはそれを見て、足払いをする。

葉月はその場で軽く飛び、足払いを躱す。足払いを躱し、葉月は構えていた警棒を、振り下ろす。

母さんは少し身を引いて、葉月の一撃を避ける。


流石に高レベル過ぎて、ついていけないですけど、、、。


警棒を避けた母さんは、下段から顎目掛け、警棒を振りぬく。

葉月もそれを読んで、少し身を後ろに逸らし、避ける。


「甘いわね」


コン!と言う音と共に、警棒が葉月の頭に当たる。外から見ていたから、分かるが。母さんは、下段からの一撃の後、流れるように上段へ切り替え、振り下ろしていたのだ。


「うぅ」


頭を抑え、半泣きの葉月が、俺達のもとへ戻ってくる。母さんは、葉月が座ったことを確認し、話し出す。


「新は攻めっけが強すぎて、足元がお留守よ。誠君は慎重なのは良いけど、唐突な相手の動きに、対応できていないわ。葉月は気を抜きすぎよ」


母さんは試合の評価を話し終えると、しばらく考え込む。そして、また話し出す。


「今後は葉月対新と誠君で、やっていこうかしら。葉月は多対一を想定し、しっかり考えて、行動できるようにすること。2人は、実践感を養うって、感じかしらね」


ふむ。母さん的には、俺達が葉月に、ボコボコにされる前提で、話しているな。

実際2人掛かりでも、葉月から1本取れるとは、思っていないけど。


男のプライド的には、負けたくないな。だって考えてみろよ、女子小学生にボコボコにされる、男子高生2人。哀れすぎんだろ。


そして、稽古が終わるまで、2対1での稽古は続き、結果は俺達の惨敗であった。

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