第二話
暑い…、この暑さは嫌い…。
次元の神の事…女神って奴にこの世界、ファンタジー・ソードブレイクのブリスタリアに転移させられ、ヤバい事態を回避するために俺を寄こしたって事だ。
全くとんでもない事に巻き込まれたな俺…。
兎に角、この最強の戦艦…グラディオンの管理AIであるプラウンにこの世界をもっと知ろう。
「プラウン。改めてこの世界に付いてお知れてくれ。俺はこの世界をよく知る必要がある、ゲーム知識だけじゃ俺は恐らく駄目だと思うから」
『かしこまりました。ではこの世界…ブリスタリアの世界に付いてご説明させていただきます』
プラウンはそう言うとブリッジの窓を閉め、ブリッジを暗くしてそこに立体画像を映し出し、この世界の世界図を表示した。
『このブリスタリアは五つの大陸に分けられていて、1つは我々のいる場所【ノートガーランド】は始まりの大陸、クリフォニア王都があるのも此処です。そして次に二つ目の大陸は【ウッドバランクス】、森林地帯が多い所で、猛毒植物も多い場所と言えます。そして三つ目の大陸は【ザーバック・スラウ】、砂漠地域が多い場所ですが、一応水源は一定の地域にあり、問題ない場所です。そして四つ目の大陸は【スノーリックマウンテン】、雪山が多い地域ではございますが、平地の所に街があります。そして最後に五つ目の大陸は【マグマグラウス】、火山地帯や溶岩地帯が多い所です。しかもここは魔力が途轍もなく多く、魔王の城があるとかです。安易に近寄らない方がいいですね』
プラウンの説明を聞いた俺は頷きながら見る。
成程成程…、これはこれでまた驚きだな…。ゲーム内の大陸と全く同じ…それが異世界と繋がるって驚きだよ、俺はここ数ヶ月ファンタジー・ソードブレイクをやりまくり、それらをクリアするぐらいやったからな。
「…よし、よーく分かった。俺の記憶が正しいなら、ここ以外の各大陸には強大なモンスターが居る、ここはモンスターが弱いからクラスの連中は訓練に最適だろうし…」
俺は納得しながら世界図を見る、この地のノートガーランドは本当にモンスターが弱く、基本を覚える事には丁度いい感じだ。
最初は慣れるのにちょっと時間が掛かって、数時間後ようやく慣れて感じだからな。
まあ後は慣れたら楽しかったよ、モンスター倒して経験値アップさせたり、アイテムをゲットして素材を手に入れたりとか、探索で防具の素材を探したりとか、楽しかったな~…。
だが今はそれに浸っている場合じゃないよな。
「よし、次だな。この船の中の装備を確認しておきたい」
『分かりました。武器庫は先ほど進んだ通路の扉にあります』
プラウンの言葉に俺はソーディアンがあった格納庫の前にあった武器庫へと向かう。
そして武器庫に到着し、その中に入るとズラリと銃器が大量にあり、拳銃やSMGにショットガン、アサルトライフルにスナイパーライフル、そしてロケットランチャーがあるな。
FPSの武装ばかりだがこれはこれで遠距離の敵に効果はあるな。
俺は近くの銃を取る、取ったのはハンドガンで、50口径の拳銃だ。
こいつは【タウラス50 バーストガン】、ハンドガンの中で最強の50口径拳銃で、3点バーストが可能な銃だ。こいつは本当に使い勝手がいい銃だ、装弾数が7発から18発だから、使い勝手がいい。
次に【ハイドラサブマシンガン24】、SMGで最高速の連射速度を誇る銃で、ミニガンに近い感じの連射だ。だがこいつは9㎜口径を使うから、あまり威力は期待できない。
SMGの次に取ったのはアサルトライフルの【オージックV6アサルト】、こいつはアサルトライフルの中でもかなりの威力を持つ。こいつの弾は7.62㎜弾だが装弾数は30発だったな。
通常のアサルトカービンでも30発だからな。これは長所したよ。
これ等を見て、俺はプラウンに問う。
「プラウン、武器は分かった。あと装備品は何処だ?」
『装備品は隣の部屋にあります』
よし、隣の部屋だな?
俺は隣の部屋に行き、そこに入ると防具がズラリと並んでいた。鎧の様な防具が沢山あって、そして同じインナースーツらしき物が沢山あった。
そのインナースーツを取って俺はそれを見る。
【マッスルスーツ.ver10】、これは人工筋肉を使用したインナースーツで、着用すると人工筋肉が起動して、マッチョな感じの身体になる。まあこれは防具…【コンバットアーマー】を装着するのに必要なんだよな。
俺が買ったコンバットスーツは全てヘビーアーマーにしたんだよ。インナースーツを利用して重いアーマーがライトアーマー以上に軽くなる為、これを着て結構戦っていたな。
本当に役立ったよこいつ、お陰で俺は結構楽しめたし、防具とかでコスプレの様な感じで遊んでた。
でもこれから行うのは死闘…、本当の戦いの場に向かう所、ちゃんと心がけをしておかないと、即死ぬな俺。
そうならない為に、俺は冒険者になる。そこである程度の基礎知識を学ぶ必要があるだろう。
でも防具はこれらを着た方がいい。そして銃はタウラス50だけを持って行くか、オージックV6も持っていくかだ。
「これ位の装備があれば大丈夫か。プラウン。俺は今から冒険者になる為にギルドに行きたいんだが、何処が近い?」
『この辺りでしたら、辺境の街の【リプトルタウン】が近いですね。ですが今は行くことをお勧めしません』
「何故?」
『海斗様はここに来てまだ日が浅いでございます。ひとまずお風呂に入ってゆっくり休み、明日向かえば宜しいのでは?』
プラウンの言葉に俺は少し考える。うーん…確かに…、ここに来てまだ日が浅いし、すぐに向かうのもな…。
よし、プラウンの言う通り、一度風呂に入って、ゆっくりと休むか…。
俺は風呂場に行き、湯舟に付かりながら、ここに来た疲れを取る。
この風呂場も結構広い…。これなら彼女連れてでも…って、俺何を考えてんだ…。別に女を連れ込むなんてこと…。
でもここは異世界、その可能性って事もある訳…。
いやいや、変に考えるの止そう、一応その考えはなしとして、風呂から上がり、俺は自分の部屋に向かう事とする。
俺の部屋、狭いがベッドは良い感じの物だ。ゆっくり眠れそうだ…。
そう思いながら俺は休む事にする。