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『Orde Qiska//オルデキスカ』

― 対摂理・ジェミニ計画 ― Episode Lazu[L // R]ite//エピソード・ラズライト

作者:或火譚
――「幸福な楽園のはずだった。しかし、それはただの幻想だった。」――


鉄と蒸気が支配する巨大都市〈鉄星街=フラトレス〉。
そこは、地上を覆う無数の煙突と、赤く脈打つ巨大炉〈鉄星炉(テッセイロ)〉によって駆動する、
世界最先端の魔法機械技術の集積地だった。

この都市の地下深くに、外の世界を知らぬまま育つ“特別な子供たち” がいた。
彼らは全員、双子――計画のために集められた、親に捨てられ、愛されることのなかった者たち。

計画の名は――『対摂理・ジェミニ計画』。
魔法起動機兵《カルディア》、その究極形である 『タイプ・ジェミニ』 を生み出すための実験。
その成功には、「双子の存在」が不可欠だった。

選ばれた四組の双子たち。
盗賊の娘、貴族に捨てられた者、戦争孤児、そして――赤と青の瞳を持つエルとアル。

彼らは皆、「幸福な環境で育てられる」と言い聞かされ、
地下都市の“箱庭”――完璧に管理された楽園へと連れて行かれた。
そこでは、何不自由ない暮らしが約束され、学校、遊園地、水族館、動物園、お菓子工場までもが用意されていた。

だが、それはただの“演出”だった。
彼らの成長は、計画の成功に必要な“素材”として管理されていたに過ぎない。

新たな人生を与えられたはずの双子たちの前に、
「ブリキでできた教師と生徒」が並ぶ奇妙な学校が現れる。
壇上に立つ男――計画責任者・ファウスト博士 は、彼らにこう告げた。

「このフラトレスで、12歳になるまで仲良く、楽しく、何も疑わずに生きなさい。」

拍手を送るブリキの教師たち。
機械仕掛けの人形たちが、ぎこちない笑みを浮かべる。
子供たちが暮らす“楽園”は、最初から歪んでいた。

――違和感に気づいたのは、エルだった。

「……なに、ここ……?」

目の前に広がる世界は、本当に楽園なのか?
それとも――ただの“檻”なのか?

幸福なはずの世界で、彼らは何を見つけるのか。
そして、計画の本当の目的とは何なのか。

『エピソード・ラズライト』――今、運命の歯車が静かに動き始める。



@或火譚


※このエピソードは、『Orde Qiska//オルデキスカ』という作品の11話~21話を切り取ったものです。本編を知らなくても一つの作品として読めるように、一部、文章や表現を変更しています。
01|起点 α
2025/03/11 14:01
02|停滞 β
2025/03/11 14:02
03|岐路 γ
2025/03/11 14:03
04|崩壊 δ
2025/03/11 14:05
05|起動 ε
2025/03/11 14:10
06|転換 ζ
2025/03/11 14:10
07|双焔 η
2025/03/11 14:10
08|偽装 θ
2025/03/11 14:10
09|狂宴 ι
2025/03/11 14:12
10|終幕 κ
2025/03/11 14:13
11|萌芽 λ
2025/03/11 14:15
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