83話 新年、色々と増えすぎた
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新年になった。春がやってきた証拠だな。結局は宗教戦争がちゃんと始まっていたって事を認識して、精霊たちにもっとやれと言ってきた。やる分には構わない。でも、ちゃんと処理の事まで考えてくれって事を話してきた。でも、もう精霊も何体居るのかが解らないことになっているし、どうしたら良いんだろうね？ 1000体は軽く超えてしまっている。どうすれば良いと思う？ 最上位精霊でそれなんだよ。末端まで含めると酷い数になっていると思うんだよなあ。どうしてこうなった。これも全部僕が悪いのは知っている。知っているけど、それでも言わせて欲しい。どうしてこうなった。何でこんな事になったんだ。他の聖地も同じような事になれば良いと思うんだ。
そして、新年という事は、クイーンビーの数も増えた。全部の巣箱で2体の新しいクイーンビーが見つかった。これで全部で402体のクイーンビーが居る事になるんだけど、巣箱を作るのが大変になるだろうと思って、前々から作っていたのを放出した。ちまちまと作っていたんだよ。この位の数にはなるよねって計算していたからさ。134体も居たんだから、この位の数にはなる。これ全部の世話をするのか？ 本当に？
何体かは、いや102体ほどメルクリウスさんに押し付けたいんだけど。僕の所は300体も居れば十分だと思うんだよね。でも、向こうも徐々に増えていくだろうからな。流石に要らないよなあ。こっちもそんなに数は必要ないんだけど。一応キープはするけどさ。何が起きるのかは解らないし、もしかしたら何かあった時の為に保険が欲しいじゃん？ そんな感じなんだよね。それでも402体は多いけど。こんなに要らないけど。寧ろ商売に出来るから、「テイムB」の人を雇うか？ って気分になって来るよな。精霊と違って「精霊視S」は必要ないんだし。誰でも出来ると思うんだよな。巣箱を作る技量さえあれば。後はクイーンビーが勝手にいい感じにやってくれるからな。
精霊もそうだけど、クイーンビーもそうだけど、子供も産まれているんだよな。今年はメビウスとキマリスとメリアが子供を産んだ。数え年なので皆1歳になる。そして、そろそろシャーロットとマーリンの子供も産まれると思う。妊娠どの位だろうか。7か月くらいかな？ 夏ごろには産まれると思うぞ。多分だけど。その辺の予想は解らないからな。子供なんて初めての事なんだ。右往左往する予定はある。メビウスの時でさえ五月蠅いくらいには一緒になって騒いでいたし。メビウスの旦那と一緒にな。やれ大変だ、やれどうしようと言いまわっていた位だからな。シャーロットの時も同じことをやるだろうという自信がある。
楽しみではあるのは確かなんだけどな。一応、鑑定してみたが平凡な先天スキルって事は無く。クレマンティウス商会で抱え込む予定になるらしい。戦える先天スキル持ちも居れば、商売に関係する先天スキル持ちも居る。そういう状況らしい。先天スキルは言いふらすものではないからな。基本的には親と自分しか知らないって事になっている。なっているが、何故か貴族家は知っていたりするんだけどな。そして、そういう先天スキルだった場合に交渉にやってくる。絶対に譲れない時は、強制的に連れていかれたりもするんだそうだ。なんと可哀そうに。強制的に乳飲み子を攫ってしまうのかって感じだよなあ。流石に2歳くらいまでは待つんだろうけど。
しかし、何だな。今回は報告することが多くなりそうなんだよな。薬の方もかなりの進展があったし。基本ステータスの6種類を増加させる薬はやはりと言って良いのか、あったからな。あれからも総当たりで見つけようとして、あった薬が94種類ほどある。その内の4つがステータス向上系のポーションだ。まあ、そうなるよなって感じがあったんだけど、順当に出てくれたって感じだな。それで僕は器用さポーションを愛用している。これがあるだけでもかなり違う。器用さが高ければ高いほど、細かな作業も早くなるし、調薬の助けにもなる。なんというか、漠然とした感じなんだけど、自分が調薬が得意になった感覚があるんだよ。苦手って訳でもなかったけど、出来るって確信を持って調薬できているって言った方が良いんだろうか。これがかなり感覚的に違うんだよ。
いつもと同じ分量を入れれば、同じ薬になる訳でもない。その辺は経験と勘が必要になってくる。だから、僕もS品質を狙ったつもりがA品質になる事もある。流石にB品質まで落ちたことはないけど、それでもブレるというか、あるんだよな。それが一気に減ったんだよ。これはここまでしか入れたら駄目だよなってのが感覚的に解るようになってきたと言える。明らかに「調薬B」の範囲を逸脱しているんだよな。だって、そもそも鑑定と同ランク帯の薬までしか感覚的には解らないはずだもの。最上級ポーションを作る時なんか、最適な分量なんて勘が頼りなんだよ。それでも半分くらいの確率で失敗する。それが8割方成功しているからな。まあ、失敗しても普通というか、ランクが下がった上級ポーションがS品質で出来上がるだけで、それはそれで売り物になるんだけど。それでも大きいんだよ。最上級ポーションが出来るってだけでも。
これは生産職ほど欲しいと思うポーションだと思うんだよ。戦闘職も必要と言えば必要なんだろうけど、それでも何よりも生産職に関わってくる。なので、孤児院出身の生産職に声をかけて、こっそりと販売をしている。院長先生から話を持っていってもらって、試してみたらどうだって声をかけて貰った。結果はいつも売り切れになるくらいには売れている。これがあるだけでもかなりの差があるからな。自分で使ってみてわかるけど、天才か？ って思う時があるようになるんだよ。これはかなりの効果があると思うぞ。自分でも使ってみたし、おススメは出来る。
これらについてもきちんと公開してしまう方が良いと思うんだよね。……酒素材の入手が肝になるんだろうけど、それに関してはメルクリウスさんにだけ教えるとして。そこまでは公開してやる必要もないんだよな。秘匿しても良いと思う程度には重要な事だし。まあ、そもそも「精霊視S」を持っていなければ解らない事ではあるんだけど。誰も酒が毒属性なんて思わないだろうしな。特に酒が好きな人ほど認めないと思うぞ。アルコールは体にとっては毒である。その認識はしっかりと持たないといけないんだよ。
でも、本当にこれらが欲しいのは、クラリスも前に言っていたけど、山地の方面の人たちなんだろうな。こんな強くなるポーションがあっても良いのかって話になってくるだろうしな。存在するんだから仕方がないだろう？ 作れてしまったんだから仕方がないじゃないか。特に火力不足で悩んでいる魔法使いに取っては欲しいと思うはずだぞ。前衛よりも切実だからな。魔法使い自体はそんなに数は居ないはずなんだけど。孤児院出身の冒険者は全員何かしらの魔法を使えるし、仲のいい冒険者には教えてしまっている所為で、カルトールでは魔法使いは別段珍しい訳では無くなってしまったけどな。大体がDランクかCランクの冒険者に教えたみたいなので、結構数的には増えていると思うんだよ。冒険者も基本は流れ者だから、居たりいなかったりするせいで、人口には数えられていないから、総数は知らないんだけど。
その分、魔力ポーションも売れる様になったし、良いんじゃないかな。売れるって事は良い事なんだよ。消費するものなんだからどんどんと消費してもらって。皆が魔法を使い始めた方が良いと思うんだよな。護衛依頼とかには便利だし。
