57話 色々と明かされる真実
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「そうだな。まずは神殿を作って貰わないと話にもならないんだけど、「鑑定S」を最上位精霊が使えた場合、真っ先に思い付くのは先天スキル鑑定を最上位精霊に任せるって事だよな。それだけでも、精霊信仰の先駆けになる」
「先天スキルを見るんか? その位やったら出来るやろけど、それだけでええんか?」
「まずはそれだけでも十分だ。まあ、折角「鑑定S」で見れるのであれば、病気かどうかも見て欲しいけどな。健康かどうかを確認する。これで健康でない場合は、薬を売るか回復魔法をかけてやればいいだろう。聖属性の最上位精霊の話になって来るけど、治せない病気ってあるか?」
「そりゃな。魔法で治療が出来る病気と出来やん病気がある。なんだかんだ言いつつも聖属性の精霊やからな。その位は解るつもりやで?」
「だったらその時点で薬屋か病院を勧めた方がいいな。それで助かる命がある可能性があるんだよ。そうなったら、精霊を信仰してくれるだろう?」
「助けられたんやったらそうやろな。でも、最上位精霊を聖属性だけで作るんか?」
「いや? 別に鑑定を使うだけで良いんだから、最上位精霊の属性はなんだって良い。今後はレインやシルフェ達にも手伝ってもらう事になると思うけど、原初の精霊の頼みなんだから、最上位精霊の半分くらいは引き込めるだろう? 流石に全員は無理だとは思うけど、その位ならいけると思うんだけど、どうなんだ?」
「あたいは良いよ! 楽しそうだしね!」
「流石に上からの命令とあれば、断れませんわね」
「おいはやる。原初の精霊様が言う事は正しいはずだ」
「まあ、普通はやるやろな。うちもやるって決めたし。この世界が終わりますなんて言われて、黙ってはおれへんやろ」
そりゃそうだよなあ。普通に生活したいと望むのであれば、原初の精霊の話を聞かざるを得ない。だって、世界が崩壊されたら、僕もどうなるのかが解らない。今は好き勝手に生きているけど、今後はどうなるのかが解らないしな。それなら早い内に手を打っておいた方がいいだろう。宗教で宗教を駆逐することになるんだろうけど、全滅させるのは難しいぞ。信者ってことは隠せてしまうからな。特に殉職者や狂信者を改宗させることは難しい。普通の信者であれば、利益を与えればそれなりに改宗できてしまうとは思うんだけど……。
「まあ、最初はシルバリに負担がいくとは思うけど、その内交代要員を作れるとは思うからな。皆で交代しながら教祖をやってくれればいい。神殿に誰も居ない時があっても良いとは思うけどな。流石にずっと居てくれって訳にもいかないからなあ。その辺はローテーションを考えて行ってくれ。出来れば初期は誰か居てくれた方が嬉しいけどな。信者の獲得をスムーズにするためにはそれなりの事をやらないといけないだろうし」
「うーん。せやったらうちが暫くはずっと居らなあかんのか。面倒やけど、やるしかないわな。最上位精霊をさっさと作って欲しい所やで? うちだけやと回らん可能性が高いからな? グレフル当たりが最速で最上位精霊まで来るかもしれんけど」
「その可能性は高いだろうな。多分だけど、普通に中位精霊が出てくるようになるんだろうと思う。そうなってくると、聖属性の最上位精霊がどんどんと出てくることになると思うんだよ。中位精霊を合成に使っても良いのかって感じはするんだけどな?」
「その辺は安心して使ってくれてもええからな。嫌やって奴は最上位精霊まで育てたったらええやろからな。協力はしてくれると思うで? うちだけでやるのは不可能に近いからな。出来るだけの事はするつもりやけど、無理な事は無理やからな?」
「それは解った。何とか頑張ってみるけど、期待はするなよ? 頑張ってもそれなりにしかならない可能性があるんだから。まあ、先に神殿を建てないと意味がないんだけどな。あ、文字は書けるよな? それが一番の問題になると思うんだけど。筆談をする必要があるからな。鑑定結果を紙に書いてもらわないといけないし」
「それなら大丈夫やろ。普通に書けるで。紙と書くものはちょっと多めに用意しといてくれれば大丈夫やろ」
神殿を建てて、そこで信者を集めていく。それは出来そうだな。この方法ならスラムのカルトにも勝ち目がある。スラムの信仰はあくまでも実利による信仰だからな。実利をしっかりとこっちも与えてやれば簡単にひっくり返ると思うんだよ。後は今まで精霊は信仰してたけど、そこまで熱心にしていなかった人たちを引き込めれば最高だよな。信者は多い方が良いんだから。
それと、神殿をどうするのかだよな。大きく作ってしまうって手もあるが、場所を何処にするのかなんだよ。中心部に近いとスラムからは使いにくいだろうし、端っこに作ってしまうと、逆側の所からの信者を得られにくい。2つ作るにしても最上位精霊が忙しくなるからな。それは避けた方がいいだろう。まずはこの町の信仰を固める。その後に他の町で信仰を集めていく。村からも信仰を集められるんだろうけど、村の規模なら町を1つ信者にした方がお得だし。大体村が20個分くらいで町なんだから。最上位精霊が余ってきたら考えたら良いのかなって思うな。
「それと、上級ポーションと上級魔力ポーションの作り方も聞いて来たで。上級ポーションは、ジェルリ草+ミンティ草+生命力の高い素材+新鮮な魔物の血液+水素材で作れる。上級魔力ポーションは、ゲルチネ草+ヨウバイ苔+魔力が高い素材+新鮮な魔物の血液+水素材で作れるらしいわ。魔物の血を使うらしいで? 新鮮な方がええらしいけどな」
「おっ! そっちも知ってたか。流石に知っているよな。しかし、魔物の血か。しかも新鮮な方が良いんだよな。そうなると冒険者から買わないといけないことになるかな。血を保存するのって難しいんだけどなあ。まあ、それは何とかしないといけないとして、それが解ればこっちでも上級ポーションを作ることが出来るな。魔物に関しては何とかしてもらうとしてだな」
「せやろな。うちらが戦ってもええんやろうけど、それは難しそうやからな。今後は神殿の仕事もあるんやろ? 限度ってもんを考えなあかんやろなあ」
「そうだな。流石に全部を精霊任せにするのもちょっとって感じもあるし。こっちでも何とかしてみるけどな。クラリスたちに頼めば持ってきてもらえると思うから。そこまで心配はしてないけどね。新鮮なってのが引っかかるんだけど」
何処までの鮮度を求められるのかだよなあ。固まったら終わりって考えた方が良いのかもしれない。いや、出来るんだろうけど、品質ががっつりと下がると思うんだよね。錬金術師ならどうなのかは解らないけどな。でも、粉にするなら固まっている方が楽なんだけど。新鮮な状態で使うって事は、水素材と同じような感覚って話なんだろうし、難しそうではある。
「最後にや。例の魔物の大量発生な。あれも精霊信仰が落ち込んできているかららしいわ。制御しきれてない生命の流れが出て来ているらしいからな。最上位精霊なら何とか出来るらしいけど、現地までいかなあかんからな。面倒やけど、やろうと思えば出来るらしいで?」
「マジで? そっちも精霊信仰の関係なのかよ……。国ももっとしっかりと把握しておけよな。というか、国には精霊と話が出来る人が居ないのか? しかも最上位精霊が居ないって事にならないか? ちょっとどころじゃなくて不味い気がするんだけど」
国の中枢が最上位精霊と会話が出来ていないって事だからな。不味いんじゃないのかね? 大丈夫だったらこんなことにはなってないんだよな。問題しかないと思われる。これも解決しないといけないのか? クラリスたちに相談だな。




