39話 全員が中位精霊に
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あれから数日。結局は護衛依頼を請けることにした様だ。今は護衛で北の1つ先の町まで行っているらしい。まだ帰ってきていないので解らない。片道だけの依頼になると思うからな。帰ってきたら様子を聞きたいと思う。どんな依頼内容なのかって気になるしな。……それに、最悪は僕を守って移動をしてもらわないといけないこともあるだろうし。何かある可能性もあるんだよなあ。そんな事にはならないとは思うんだけど。でも、いざという時に護衛依頼を出せる所があると良いよね。色々と頼みごとも出来るようになるし。
まあ、何事も無い事を祈るしかないんだけどな。何かあってからでは遅いんだよ。何かが起きてから慌てても仕方がないんだよな。慌てる前に対策をしておけって話だし。準備は怠らない方が良い。それは薬師の仕事をしていると解る。いざ薬が足りないって状態は防ぎたいよな。だから色々と作って置いておくわけなんだから。店をするって事はそういう事なんだよ。基本的には品切れって状態を防いでおきたい。何かあったら直ぐに作れる状況を作っておきたい。そう思う訳なんだよな。
かといって、売れない薬を沢山作る訳にもいかないし。必要ない薬は沢山ある。でも、今必要って言われるときもある。在庫を常に抱え込まないといけないという状態になっているんだよな。それが良いのか悪いのかが解らない。在庫切れで、泣く泣く客を追い返すってのは避けたいよなあ。
まあ、ここにしか無い薬ってのも少ないんだけどな。いや、滅茶苦茶多くの種類の薬を貯め込んでいる訳なんだけど、そんな病気になったとして、鑑定が無かったら病気かどうかも解らないだろう? って薬まで置いてあるからな。痛風の薬とか。飲んだら次の日には痛風が治っているというもの凄い薬なんだけど、そんな薬があると思っているのかどうかだよなあ。症状を聞いたら、ああ、痛風なんだなって思うかもしれないけど、解らない症状の人に薬をどうやって出すんだっていいたくもなる。腎臓が悪くなったから薬をって来る人の方が少ない。腎臓が悪いっていう事も解ってないだろうからな。基本的には「鑑定A」以上が求められる。そんな事は殆どないとは思うんだけどな。
お客はなんだかんだと言って来ているんだよ。こんな所に薬屋がある方が珍しいからな。近所の人たちにはご愛顧してもらっている。特に傷薬や風邪薬が売れているな。そこまで高くしていないってのもあるんだけど、それでも銅貨はするからな。
後は順調に洗浄剤と整髪剤が売れている。特に洗浄剤だな。こっちは洗い物をするときは必要になってくるから、沢山使うと思うんだよ。食器を洗う時、洗濯をする時、体を洗う時。それを全部同じ洗浄剤で賄える。だからかなりの数が売れている。こっちは売り切れ御免状態なんだよな。売り切れる。簡単に売り切れる。採取をしていても間に合わないくらいには売れる。それだけ需要があるって事なんだよな。採取物についてもある程度の価格で買っているし、こちらの儲けはそこまで多くはないんだけどな。
しかし、洗浄剤の売れ行きは想定を超えているな。口コミでどんどんと広がっていっている。どんどんと購買者が増えることは良いんだけど、売り物が無いのが問題なんだよな。採取の回数を簡単に増やすわけにもいかないし、問題は山のようにあるんだよ。冒険者ギルドから買い取ると赤字になるし。その辺は考えてやらないといけないんだよなあ。流石に赤字は駄目だろうと。お店としてやっている以上は利益を出さないといけない。その辺が痛し痒しだよなあ。
どう頑張っても僕だけではどうにもならないとなっては仕方がない。冒険者ギルドに採取専門の冒険者を雇えないかという依頼を出した。採取専門でやってくれる冒険者が居るのかどうだかよ。安全面は保証されている。聖地で採取をしてもらうだけだからな。ある程度の素材の見極めが出来るのであれば、簡単な筈なんだよ。問題はそれで生計を立てられるのかだよな。冒険者の月収を考えると、採取専門となると、少しばかり報酬が少ない。割高で買っているとしてもだ。魔物の素材程高くはない。それはどうしても仕方がない所ではあるんだけどな。
楽して稼ごうと思っても無理なんだよな。こっちが単価を上げ過ぎる訳にもいかないし。素材の採取だけで食っていける冒険者がどの位居るのかって話だよ。割と気にしていたんだけど、孤児院出身の冒険者を基準に考えてはいけないって事がよく解ったかな。話を聞いてみると、勘違いをしていたんだけど、冒険者って毎日戦う訳じゃないんだよな。毎日素材の採取に向かう訳じゃないんだよな。その辺が勘違いをしていた部分だ。普通は3日に1回働くだけなんだという。
だから貯金も出来ないし、冬に備えた装備も購入できない。もうちょっと考えろとは思うんだけど、普通に考えたらいい話だよな。休みは必要だと思う人が多いって事なんだよ。毎日は働きたくないと思うのが普通なんだ。……僕だって採取の日があったり、精霊たちとわちゃわちゃする日だったりとあるからな。だから、冒険者で冬装備をしているのは一部。普通の冒険者は冬装備無しで過ごしているのが当たり前なんだと。そんな事で良いのかよとは思うんだけど、本当に良いんだろうか。
だから、採取専門の冒険者にしても、毎日動いてくれるのかが解らないらしい。ちょっと何を言っているのか解らないって感じなんだけど、無駄にお金を払うだけになるかもしれないと言われてしまったときの僕の顔を見てみたいと思ったほどだ。金がないなら働けよとは思う。冒険者が普通に働いたら、銀貨数枚は貯金できるはずなんだよな。それが出来ないって時点で色々と終わっているような気がしないでもないんだけど、それでも採取専門の冒険者は探してもらうようにしてある。聖地は今の所荒らされていないのが良い点だよな。聖地に入る冒険者が少ないのが問題なんだけど。普通に聖地には入らないらしいからな。
採取も周りの森が普通だし。聖地に行ってもらいたい冒険者を募集して集まるのかどうかだよな。集まってくれるといいなあ。安全にお金を稼げるって考えて欲しいんだけど。そうはならないんだろうか。
ああ、後は、ホムラが中位精霊にランクが上がった。まあ、元気系の男の子って感じだよなあ。ああ見えてもポイゾルとは仲が良い。あまりタイプが似ているとは思わないんだけど。単純な元気系の子供と、悪戯っ子の様なやんちゃ坊主。相性が良いのか? まあ、相性がいいんだろうから仲が良いんだろうけど。アースとは全然違うよな。アースは本当に真面目って感じでいるし。
でも、順当に精霊が中位精霊にランクアップしたんだけど、樹精霊と雷精霊が全くいないのはどうしてなんだろうな。樹精霊は聖地にいるっぽいことは解っているんだけど。奥地に居るのと、基本的に動かないらしいので、会う事は無いのかもしれない。会うとしてもその内なんだろうな。雷精霊の方はもっと見ないけど。いや、雨はちゃんと降っているし、雷の音まではしているけど、この近辺に落ちた事って無いんだよな。落ちる方が困るんだけど。落ちたら災害待ったなしだからな。森が燃える可能性がある。魔物が増えている今、そんな事をされたら、何が起きるのか解らない。町が魔物に襲われるって事にはなって欲しくないよな。




