心静かに……ムキイイイイ!!!!!
昨日は優しく激烈にイケメンな先輩(でも塩よりしょっぱい塩対応のツンデレ)のおかげでお休みでした。
朝からパソコンの前でお仕事をしていると、ノックの音が。はて? こんな朝早くに誰だろう?
出てみると朝刊を持った彼氏さんでした。新聞にわたしが載っていると気づいて、近くのコンビニで新聞を買い占めて持ってきてくださった。どんだけ優しいの(涙)。
彼氏:マチちゃんがバイトへ行くまえにお届けしようと思いまして。
ソウ:今日はバイトはお休みです。
彼氏:え? そうなの? それなら一緒に展覧会へ行きますか?
ソウ:行きたい!
奈良県の大和文華館というところへ行きました。私立の東洋古美術を中心とした美術館です。ここで仏教にまつわる美術品の展覧会があるらしい。
彼の車で行って迷って美術館のまわりをウロウロしたのですけれど、いかにもおハイソな大きくてお洒落な家が立ち並んでいる……。高級住宅街……。どんな人たちが住んでいるんだろう?
ジロジロ見ていると美術館に到着! 木立に囲まれたゆるやかな坂を上ってゆきます。暑い日射しから木陰に入るとほっとする。誰もいない坂をゆるゆるのぼっていると、たくさんのセミの声が聞こえます。幾何学的な漆喰細工で飾られた美術館に到着! こじんまりとして上品な建物です。
広いエントランスを抜けると大きな展示室にゆったりと間隔をあけて展示品が並んでいる。今回は「追善の美」という主題です。死者が功徳を積んで浄土へ行けるように、遺された者たちが死者のために追善をする。その過程で生まれた肖像画や巻絵、彫像や埋葬品が展示されています。
男性をかたどった素朴な埴輪がありまして、その腕にかわいらしいカラスの埴輪がとまっています。ひよこまんじゅうを少しシャープにしたような丸っこいカラス♪ 「カラスかわいい♡ かわいいカラス♡」そう言ってガラスに張り付いて見ていたら「鷹狩をする少年」と書いてあった……。てっきりカラスかと思っていたら鷹だったのか……。鷹だと思って見てみても、やっぱりカラスにしか見えない……。でもかわいい♡
学芸員さんが展示品を解説する時間になりました。20人ほどの人が学芸員さんの周りに集まって解説に耳を傾ける。中には熱心にノートをとっている方がちらほら……。勉強熱心というが意識が高いというか……(汗)。そして幾人かの方は小さなオペラグラスをお持ちでした。気に入った作品があるとガラス超しにオペラグラスで細部を鑑賞している。いいな、あれ。わたしも欲しい……。
美術館は好きなのでたまに行くのですけれど、いつも気に入った作品があるとガラスにぺったり張り付いて長時間ガン見します。他のお客様がいればご迷惑にならないようさっと見ますけれど、誰もいない時はずうううううううっとガラスに張り付いて見ている。するとわりと高い確率で警備員さんに目を付けられて、わたしが会場を出るまで警備員さんがわたしに張り付いているという……。
そういえば近くで見たいあまりに身を乗り出した結果、警報装置が作動して警備員さんに叱られたこともあったなぁ……。夢中で見ていて気付かなかった……。
来館者の中に女子中学生と思われる3人組のお嬢さんがいらっしゃいました。中学生で仏教美術!? どんだけ意識高い子たちなんだ!? そう思って見ていると、どうやら近所の子たちらしい。当日は学生の入場料が無料でしたから、お嬢さんたちは涼みがてら美術館へ遊びにきたみたいです。遊び場が美術館……。田舎育ちのわたしには、想像もつかないおハイソな世界。そういえば3人とも目立たない服装をしているけれど、なにげに高価そうな服を着ている……。
展示品を堪能して心の栄養をチャージして暑い日射しの下に出ます。セミの声が沁み入る坂の両脇には大きな樹が茂って厳しい日射しをさえぎってくれる。すごく暑いはずなのに、涼やかで心が落ち着く。門を抜けると目の前の丘に高級住宅街の家々が見えます。どの家も大きくてお洒落で、涼し気です。さっきのお嬢さんたちはきっと、ああいう立派な家にお帰りになるんだろうなぁ……。そして周囲はそういう友達ばっかだから「わたしは普通の女の子」って思ってるんだろうなぁ……。
ムラムラと怒りがこみ上げる! デカくて立派な家に住んでお洒落な美術館が遊び場で、何不自由なく暮らしているのをフツーとか言うなや! お前ら立派な金持ち令嬢やぞ! 一般人が全員お前らと同じと思うなよ! こちらとらお前らの家の玄関より狭い部屋に住んでて「いつか蛇口からお湯が出るのが夢です♪」なんて言ってて、ついに蛇口からお湯が出た理由が「夏の暑さ」やぞ! 古いアパートだから貯水槽がむき出しなんや! 神様そういうのじゃないんです! わたしは寒い時期にお湯が欲しいんです! ボロアパートで夏の暑さで出るお湯は、なんとなくヘンなニオイがしてヤバイんです! お料理する時に「この水……大丈夫か……?」ってめっちゃ悩むんです!
ソウ:あいつら……うらやましすぎる!! 許せねぇ!! ムキイイイイイイ!!
彼氏:マチちゃん、落ち着いて!!
心静かに美術品を愛でるはずが、金持ちへの嫉妬となって爆発してしまいました。でもあの子たちは何も悪くないんですけど……。荒ぶれたわたしを落ち着かせるために、彼が美味しいラーメンをご馳走してくださいました♪ とっても美味しゅうございました♪
いつか寒い冬に、蛇口からお湯の出る生活がしたい……。それと今出ているぬるいお湯、ヘンなニオイがするけど大丈夫なんかな……?? ビンボー人の悩みはつきません♪wwwww