表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/53

風子&マル 助ける!

 その日はフロアで書類製作をしていた。

 特に何かあるわけもなく、暇な一日になりそうだとのんきに仕事をしていたときだった。


 ジリリリリリリ!!


 突然、けたたましいサイレン音がなり響き、私は飛び上がった。


 な、な、なにごと!?

 とたんにフロアが慌ただしくなる。皆殺気立ってるし、何が起こったの?


「警報何階からだ!?」


 高藤さんが怒鳴る声が聞こえる。誰かがモニターを確認しにいっていた。


「7階の保護外来種部屋……ウィングタイガーです!!」


 え、虎ちゃん……?

 なんのことかわからず私は走っていたカナちゃんを呼び止めた。


「何があったの?」


「外来種部屋のウィングタイガーの檻が一定以上空いちゃうとサイレンがなるんです。たぶん脱走しちゃったんだと……」


 虎ちゃんが脱走!?

 え、ちょっと待って!!


 私は慌てて前に渡された餌やり当番のマニュアルを開く。


 そこには緊急事態の手引きが書いてるんだけど……


 “尚外来種が脱走した場合、確保が難しい場合は殺処分を可能とする”


 やっぱりだ。脱走した場合は保護対象から外れちゃう!!


 このままじゃ虎ちゃんが危ない。


 私は急いで立ち上がると自室へと駆け出した。サイレンは尚も煩く鳴り響き、外来種が脱走した事を伝える放送がひっきりなしに流れている。


 フロアを出るときに、銃で武装した人と何人もすれ違った。あんなのに囲まれたら、虎ちゃんだって動揺して何をするかわからない!


 ただでさえウィングタイガーは強いモンスターとしての認識が大きい。みんな必要以上に警戒してしまう。


 早くなんとかしないと!!


「マル!」


 ぽよん!


 部屋につくなりマルがこちらにやって来る。警報は部屋まで聞こえていたから、マルも何事かビックリしているみたい。


「虎ちゃんが逃げ出して大変なの。このままじゃ危ないから、虎ちゃんを助けにいこう!」


 ぷるん!!


 事情を話すとマルも急ごうと言わんばかりに跳び跳ねた。マルをだっこして部屋を飛び出す。


 虎ちゃんのいる場所はさっき放送で流れていたから、どこにいるかわかる


 地下7階から4階まで吹き抜けで繋がってる、大きな庭があるの。そこに逃げ込んだって。


 あんな広いところじゃ囲まれちゃう!

 今私の部屋は五階だから、吹き抜けエリアにはそのままたどり着ける。


 走ってそこに向かうと、下の庭園で銃を持った職員に囲まれてる虎ちゃんがいた。


「全員気を抜くな、興奮状態のウィングタイガーは獰猛だからな!」


 恐らく指揮官らしき人が叫んでいる。


 ちがう……興奮してるんじゃない、あれは怯えてるのよ!


 一週間ちゃんとお世話して、それなりに信頼関係を気づいたからわかる。虎ちゃんは一人で怯えてるんだ。


 早くこの状況を打破しないと、虎ちゃんが危ない!


「ちょっと待ってください!」


 私は5階から思いっきり叫んでやる。すると、指揮官らしき男性が私に気づいてメガホンを向けてきた。


「そこの君、危ないから降りてこないで!!」


 危なくしてるのはあんたらの方だからね!!


 私は制止を無視して5階から6階、7階へと階段を降りていく。上り下りの階段って円を描いてるから目が回ってくるけど、今は言ってられない!


 そうしてたどり着いたけど虎ちゃんは四方を武装集団に囲まれていて全然たどり着けない。


 このまま間を割ってはいることもできないし……どうしようっ。


「私が道を開きましょう」


 背後から声が聞こえた。え、誰?

 聞き覚えのない言葉に振り返ると……


「っえ、スートン!?」


 そこには、錆びた剣を携えたスートンがいた。


 え、何でいるの!? というか話せたの!?


「先程話せるようになりまして」


 なんというご都合主義!

 でもおかげでなんとか……なるの?


「お任せください」


 そういうと、スートンはない胸を大きく膨らませて……


「退かぬかお主ら! 我主がお通りだ!」


 いきなり大声で叫びだした。


 な、ななななんですとぉ!

 私いつの間に主になってたの!?


 というか今のでかい声で武装集団がこっち見たよ。ひぃ!!


「なっ、スケルトンまで逃げ出してたのか!」


「いや待てあれはスケルトン騎士だ!!」


「上級モンスターがなぜここにっ!?」


 とたんにざわめく武装集団。

 なんでこんなに騒いでいるのか、スートンが話せるようになったのが原因らしい。


 なんでもスートンは、虎ちゃんが逃げて警報がなったときに、とっさに私が助けにいくんじゃないかと思ったそう。


 それは予想通りなんだけど、そうなると武装した集団とぶつかり合いになり私が危なくなると感じたスートンは、私を守りたいと強く願い、その結果進化しちゃったんだって。


 だから話せるようになって、しかも強い技とか出せるから、檻を斬って私のもとまでやって来てくれたらしい。


 ……ご都合主義にもほどがあるけどお陰で助かった。


「くそっ、部隊 の半分はスケルトン騎士を捕縛しろ!!」


 うわぁ! 武装集団が私のところへ……いやスートンめがけてやってくる!!


 ど、どうするのよこれっ!?


「私が惹き付けます故、主は虎殿のところへ。」


 言うなりスートンは剣を構えた。錆びた剣は光輝き、襲ってくる武装集団の銃をことごとく輪切りにしていった。


 すごい! 強い! そして怖い!

 だって骸骨が剣振り回してるのは普通に怖いでしょ!


 でもおかげでなんとか虎ちゃんを囲む陣に穴が開いた!


 待ってて虎ちゃん! 今いくからね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ