二話
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「兄ちゃんはもし異能があったらどんなのがいい?」
登校中、翠が話しかけてきた。
「そうだな…一瞬で家に帰れる異能がいいな。」
「…つまんなーい、もっと面白いのがいいなー。」
「じゃあそうだな…目的地まで一瞬で行ける異能とか?」
「おんなじじゃんか。」
嗚呼、今日も妹様の笑顔が眩しい。僕はなんて幸せな兄なのだろうか。
愉悦に浸っているうちに学校に着いてしまった。
「じゃあな翠。勉強頑張れよ。」
「ありがとう!お兄ちゃん。」
僕は3年生、翠は1年生なので玄関で分かれた。
名残惜しい。
廊下を歩いてさ3年5組の教室へ移動する。
僕の席は一番窓側の前から3番目だ。夏場は風が抜け、冬場は日が当たって心地よい。
「おはよう、明。国語の宿題やったか?」
「おはよう、康。宿題?知らんなそんなものは。」
「仲間だな!俺もだ!」
そう言って隣の席から白紙のノートを見せつけて来るのは、古野 康 僕の数少ない友人である。
「後で一緒に先生に謝りに行こうぜ!」
「康、考えてみろ。今日は異能の検査日だ。授業はない。」
「なるほど…今日は集めない可能性が高いな。」
キーンコーンカーンコーン
「ホームルーム始めます。日直!号令!」
「じゃあ今日は謝りに行かないということで。」
僕はうなづき、威圧感のある担任の話を聞く。
「えー、今日は皆さんもご存知の通り、異能の有無の検査があります。そのため、今日の時間割はすべて自習となります。」
勝ったな。心の中でそう思った。
「名前を呼ばれたらすぐに検査会場へ向かうこと。あと国語の先生から宿題を集めておくように言われているのでHR終わり次第私に提出してください。」
終わった。
怒られるなら国語の先生の方がよかった…あんなゴリr…圧迫感の強い人に怒られたくない。
__________
先生にしこたま怒られたあと、自習時間中に追加課題を終わらせ自分の番がくるのをまっていた。
4時間目の中頃くらいにとうとう自分の番がきた。
ドアをノックし、入室する。
「失礼します。3年5組29番の能見です。」
「能見明くんね、そこに座って。」
白衣を着た医者のような男が着席を促す。
どうせ自分に異能なんてないが、妹の言葉を思い出しもしあったらなんてことを考える。
多少の期待を胸に異能の検査に臨む。
2019年10月10日 異能者の人数に関する描写を削除しました。