42.命の灯⑦
毎日投稿って難しいですねorz
正樹君の活躍の時ですけれど、大丈夫なんでしょうか。彼は今いる術者の中で最弱の設定なんですよね……。
実は正樹君にはリアルでモデルがいます。
彼曰く「クライマックス辺りで何かと対峙して死ぬくらい(弱くて)でいいwww」って言っていて。いいのか?それで?!って思ったり。
風の神様が手出ししないでくれればいいのですけれど……かもしくは手加減してくれれば……。こんなところでキャラロストしたくないなぁ。
正樹は周囲を確認し、彼に人の視線が注がれていないことを確認するとすっと出入り口から出た。
途端に着たままにしていた合羽に雨が降り注ぐ。先ほどよりも雨の勢いが弱まっているのはすぐに判った。
少し歩いてからもう一度周囲を確認して、近くに人がいない事、雨の勢いで視界が悪いことを確認してから、風の術を行使した。
ここに来る時に使った術と同じように自分の周りに風を対流させて雨に濡れることを防ぐ術だ。
途端に雨は勿論、風の影響も軽くなり歩くのが楽になる。と同時に視界も開けたようになる。目に雨が飛んでこないだけでこれだけ視界が良くなるんだなと、我ながら感心してしまう。
車の中で外を見るような視界で歩けるのはかなりのメリットだろう。しかも何かを被ったりしているわけではないので死角は少ない。
さて、どうしたものだろうと思案する。探しに行ってくるとは言ったものの、その方法は正直全くのノープランだった。
そう言えば木の御神は見つかったのだろうか。その事も新汰に確認するのを忘れていた。
失敗したなぁと、軽く頭を掻く。
これだけ雨が激しいと流石に水の気を強く感じる。次いで土の気か。しかし、水の気が強く感じられすぎて普段と違いが分かりにくい。各属性の気のバランスはぐちゃぐちゃになっている。
こういうことは大きい台風の時や地震のときなど、激しい災害に見舞われた際にはままあることだった。
だから、木の気が強すぎることもあまり気にも留めなかった。
「……水。水上……特有の気配……探れるか?」
水の属はどちらかというと得意な方ではない。火や光よりはましという程度だ。けれど今はやらなければならない。水の属の使い手はもう一人しか残っていないのだから。
その使い手を助けるために今ここにいるのだ。
すっと目を細める。先ほどまでぼやけていた視界が急にクリアになった。身体強化の一種だ。視力を強化し通常の人間以上に周りを見通せるようにしたのだ。
すうっと深く一息吸い込み吐き出す。自然界の力を取り込むようにゆっくりと呼吸を繰り返す。
「水の神様……アーガさん……アーガ様……か。頼むよ。許しもなく御名を唱うことをお許しください。貴方の巫女を救うために我に力を与え給え」
唱う言葉は小さい。けれど、その言葉には力があった。
右肩に異変を感じる。急に熱を帯びて熱くなっている。その熱はゆっくりと肩から右腕に下がっていく。今は合羽で隠れているが、正樹はそこに紋章が広がっていっているのが判っていた。
ゆっくりとした呼吸をそのまま続け、意識を広げていく。
脳裏に急に映像のようなものが浮かび上がった。世界を俯瞰するように上空からこの地を見下ろすような映像。
地図アプリを起動した時のように、正樹が今いる場所が光って見えた。もう一か所、ここからかなり南下いた場所山のふもとの辺りに小さく光る点が見える。その光は僅かに青く明滅している。
はっとなって目を開くと、いつも通りのぼやけた視界と打ち付ける雨。いつの間にか目を閉じていたことに気付いた。
風雨から身を守る術も解除されている。慌てて、再び風を操り自らに吹き付ける風雨を防いだ。
尻ポケットに突っ込んだスマフォを取り出し、地図アプリを起動した。先ほど見た映像を思い出しながら場所を探してみる。
「……あった」
その場所は新汰たちと合流した場所から直線距離でも五、六メートルは南に下がった所だった。
「……マジか……これは、ちょっとキツいかも」
正樹はスマフォを操作して、探している人達のいるかも知れば居場所をポイントして、その場所をSNSを使って新汰に送信した。
それから歩き出す。自分ならば、徒歩でも少しは早くその場所に到達できるだろう。
新汰達には移動してきた自動車がある。正樹のカンがあっていれば、新汰はあのデパートに車を停めている筈だ。それがあっていれば車でこちらに応援に来れるかもしれない。
そうでなければ、既にどうしようもない。陸の状態がもし良くなれば、彼の風操術で何とかなるかもしれないがあの状態では期待する方が酷というものだ。
「取り合えず、行ってみるか」
もう一度SNSを使用して、見つかったら連絡するとだけコメントして。
空を見上げて風を読むように、祈るように。
正樹は雨の中走り出す。




