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24.原因の究明へ①

 遅くなりました。本当にもう、一週間くらい投稿してないかもしれません。


 でも失踪はしませんので、ご安心(?)ください。


 今回は短いですが、生きている証明に(え)

 シンと静まり返る室内、紙を繰る音と僅かなざわめきだけが支配していた。


 新汰あらたは目的の本を書庫から見つけ出し、人の多いカウンター側を避け奥まった場所にしつらえてある机に歩み寄った。


 その席には先客がおり、その人物は分厚い本を何冊も積み上げた中に埋もれるようにして、開いた本に目を通しながら自らのノートにメモを取っている。


「どう?進捗しんちょくは」


 新汰の声に手を止めて顔を上げたのは、彼の従兄弟だ。


 りくはため息を付くと、掛けていた眼鏡をはずし首を振った。


「ダメですね。ネットで検索したことと殆ど差異はないように思います」


「そうか……。まあ、そう簡単に事が進むとは思ってないけれどね」


 陸の隣に腰を掛け、新汰は持って来た本を目の前に投げ出すように置いた。


「それは……?」


 今まで集めていた文献とは少し毛色の違うタイトルを目ざとく気付いた陸が問い掛けてくる。


「ちょっと違う方向から攻めてみようかと思ってね」


 その本はこの地方の民話伝承や眉唾ものの都市伝説を集めたもののようだ。


「なるほど。意外とそちらの方が成果が出るかも知れませんね」


 軽く伸びをし、凝り固まってしまった体をほぐすようにしながらの台詞は、もうこの作業を収束させようとするかのようだ。


「しかし、ここの図書館の蔵書は凄いね。さすが、崎宮一の大学ってことかな」


 室内を見回しながら感嘆とも付かぬ言葉を吐き出したのは新汰だ。


 大学併設の図書館は、大学構内ではなく付属高校との間に建設されており、一般開放されていた。


 まだ、軋むように痛む体を押しての作業だったが、目の前の従兄弟はけろりとしている。


 急遽、雄斗袴山に登山をし、土の神・トゥルバとの謁見を果たしたのはまだ一昨日の事だ。


 新汰はその時のことを思い出してため息を付く。漫画などの展開であれば、謁見の後は麓にひと飛びに返してくれそうなものであるが、謁見の後に彼らのいた場所は、山頂の休憩小屋であり、彼らはきっちり帰りの道も歩いて降りて来た。


 登ったのだから降りる。当たり前といえば当たり前ではあったがそれくらいサービスしてくれてもいいのにと思ってしまう自分がいた。


 山頂には三メートルを超える太刀が奉納されており、山頂でも一番高い場所に塚から付き立ててあった。その景色、山頂でしか見られない珍しい様子を見られた事が唯一の慰めになっていた。


「まず間違いなく、崎宮で一番の蔵書量でしょうね、ここは」


 だからこそ、希望を持ってこの場所に来たわけだが、ここに文献がないとなると次の手を打つのも難しい。


 古い文献ならば何か手がかりがあるかと思っていたのだが、どうにも空振りに終わりそうだった。


「木の神様も、天岩戸あまのいわとよろしくお隠れになっていらっしゃるってことかねぇ」


「でしたら、色男が岩戸の前で裸踊りするしかありませんね……」


「陸君がんばってくれよ」


「……お断りしますよ……」

H30-11-27 誤字訂正

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