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20.湖畔の宿にて⑤ 邂逅後の密談 新汰side

 ちょっと短めですが、「一方その頃」ってやってみたかったことの一つかも(笑)

 昨日中に出したかったのですが間に合わず。ハロウィンはどうすごされましたか?私は友人とすき焼きパーティしてました。

 最近牛肉でも赤身が好きになりつつあります。年ですね……。



 話は変わって、新汰の片思いの相手が出てきましたが、名前が未だ決まっておらず……。何か言い名前はないものでしょうか。今後話しに食い込んでくるかは謎ですけど名前だけでも設定して置きたいのですけれども……。


 一方、新汰と正樹は、正樹と陸の部屋で卓子たくしに向かい合っていた。


「さて、どうするか……」


「まさかここの地鎮神の方から接触してくるとはねぇ」


 いつもどおりのんびりとした口調である。十織からの報告を受けるまでもなく、”外”にいた彼らにも彼の神の降臨は感じる事ができた。今頃事の次第を確認しているのだろう。


「お目通りが許されたのが日上君だったのが悔しい?」


 面白がるような口調で、正樹が問うと新汰は軽く肩を竦めただけだ。


「あの子はいろんな意味で、規格外過ぎてライバル心も湧かないよね……」


 新汰は浮かない顔でため息を付く。地の属と親和性のある神だけに会ってみたいという希望はあったが、存在は感知できたものの巧妙に隠匿された居場所まで特定するには至らなかった。完全にこちらの実力不足だ。


「まあ、だからこそ宗家が手放さないんだろう。あんなどろどろしたとこ、外様である俺たちには針のむしろでしかないなのになぁ」


「宗家の人間だってあんま近寄りたくないって」


 新汰が陸に向けるライバル心は、彼らが仲が良いという前提から始まっているので幾分可愛げがある。が、宗家の中には本気で彼等を敵視している一派もいた。


 陸の父の弟、新汰の父の兄、彼らからすれば伯父・叔父にあたる人々から成る一派だ。今年大学生になる歳の女性術者を当主にせんと目論んでいるらしい。


 その女性の顔を思い浮かべながら新汰はため息を付く。


 陸や十織たちとも歳の近い年齢である。こんないざこざがなければ、従兄弟同士として清藍も交えて仲良く出来てたかも知れないというのに、当主争いからは縁の遠い新汰からすれば彼ら全員が不憫でならなかった。


「けれど、その御大がお出ましになったところで、原因を簡単には教えてくれないだろうね」


 新汰は胡坐をかいていた足を伸ばし、両の手を後ろで支えて伸びをするようにしてからぽつりと言う。


 既に座椅子を避け、畳の上に寝転がっている正樹が意外そうな顔をこちらに向けてくる。


「考えてみもなよ。人より何倍も長く生きていて、深い英知を持つ生き物ですら対処が出来ない事態になっているってことだよ」


「原因が判ってるなら自分で対処してるってことかぁ。その解決法の一つが地震を起こすことなのか」


「そうなんじゃないかと俺は考えてる」


 けれどそれが現実に起これば、この辺りの集落は全滅しかねない。


 地鎮神をお奉りするこのお社も何もかも諸共に破壊するしかないと判断したら彼の神は迷わず事を起こすのだろうか。


 そんな想像をし正樹はぞくりを身を震わせた。


「すぐにでも荷物まとめて他県に引っ越すかなぁ」


「おいこら。彼女はどうすんだ、置いていくのか?」


「連れて逃げる」


「だったらついでにプロポーズしてしまえ」


「……そうするかぁ」


「阿呆」


 正樹は最近出会ったばかりで()()清い付き合いのままの()()の一人を思い起こしため息を付く。


 友人の中でも特に晩熟おくてな正樹である。気になる女性の話を聞いた時には驚きしかなかったが、やはりというか何と言うかその進展状況はびっくりするほど遅いようだ。


もくの気かぁ。こんなに自然溢れる場所なのにここの木々たちは静か過ぎるしねえ」


 仕切り直すように正樹が呟く。


「何か理由があって木の気が阻害されているとして、だ」


「その理由を探って片を付けろって辺りが神様のご要望ってとこかな」


「だろうな。しかも結構シビアな期限付きで」


「うひょ~。彼女の電話番号何番だっけ」


「早速、逃げる算段かよ」


 そもそも近く大地震が来るから一緒に逃げようって言ったところで本気にするわけがない。どうやって連れて行くつもりなんだと新汰は思う。


 強硬手段をなど取ってしまえば誘拐ととられ兼ねない。


「あらちゃんと違って地元の人間には死活問題だよ」


 新汰は仕事の都合で月の半分は東京にいる。


「俺だって杏子あんずはこっちに住んでんだから、同じだよ」


 お前を含め友人だってこっちの方が多いとは思いはしても言葉にはしなかった。


 戸上一族に関しては問題なく生き延びるだろうし、そのほかの友人達にしても何故かそれくらいで死んだりしないだろうと言う奇妙な確信があった。


「まあ、後は陸君たちと話してどう行動するか決めるかね」


「そうだね、あっちもそろそろ相談終わってる頃かな」


 なんとなく目線を隣の部屋の方に向けて二人は頷きあった。

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