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VSヤンデレ彼女  作者: 柊夏木ヤヤ
1st season Kanade&Shiho
7/62

番外編1 出会い

七話です!

今回は少し本編を離れ、過去のお話になります。

そもそも、奏、志帆はどのようにして出会ったのか、どのようにして恋人になったのか。

そんなことを描いてみました。

ぜひ、お楽しみください!

 そもそも、僕らはどうやって知り合ったんだっけ?

 最近、志帆の豹変に付いて行くのに精一杯で忘れてしまった。

 あれは確か……一年生の冬だったような…。冬休みだぁ!ってなって、さぁ、帰ろう!っと思ったときに同じクラスの女子に呼び止められたんだっけ。それが………。



 一年前、冬。


「あぁ!学校終わったぁ!」

「なぁ、太一。今年のクリスマス&年末&お正月はどうするんだ?」

「英文法は正しく使おうな?&は最後だけ。そうだなぁ、クリスマスは、ボッチ。年末は掃除からの「笑ったらアウト」を見る。お正月は、気が向いたら初詣。でも、三日以降は家族で親戚んとこへ新年の挨拶回りに行くと思うわ。」

「大体、去年と同じ三点セットか。」

「そういう奏は?」

「クリスマス、ボッチ。年末、掃除からの紅白。お正月、気が向いたら初詣の三点。」

「年末が紅白に変わっただけじゃねぇか。」

「てことは今年も…。」

「二人で、年末打ち上げパーティーだな。」

 毎年、二十七~二十九のどこかで名前の通り、二人で打ち上げをするのが、小学校からの幼馴染、太一との恒例行事となっている。


「となるとだ。去年は家でやったから、今年は奏の家だな。」

「だな。母さんに言っとくよ。言わなくてもわかってると思うし。てか、仕事でいないと思うし。」

 うちは、両親共働きで夜が遅い。父は、IT企業の会社の経営、母は、弁護士。僕はおそらく、母に憧れたのか、弁護士を今、目指している。父もそれを応援してくれている。一方、母は応援してくれているが、その話になると時々、職業病が出る。

 何はともはれ、こんなんではあるが、家族の中は悪くはないしむしろ、凄くいい。



「ゆ、雪白…君……。」

「うん?」

 急に、後ろから女子に呼びかけられた。確か、同じクラスの………

「桜ノ宮さん…?」

「今、少しお時間いいですか…?」

「え?あぁ、はい。大丈夫だけど…。」


 僕は、彼女とともに誰もいない学校の端にある音楽室にやってきた。正式に言えば、音楽室自体は鍵が掛かってるので音楽室の前になる。

 太一には、「告白じゃないの?」とからかわれていたが、今の雰囲気的にはあながち、間違いには思えなくなってきた。


「ゆ、雪白君!」

「は、はい!」

 突然、張り上げられたので、驚いてしまった。

「えっと、その…あの…。」

 あれだけ、ドンッ!!と勢い付けて構えたのに結局、失力するんですか……。

「えっと、桜ノ宮さん?なぜ、僕を呼んだのかな?わざわざ、ここまで来たということは、他の人には聞かれたくないということなんだよね?」

「え!?あ、うん…。あ、あのね…。」

 うん、よし、頑張れ!もう少しで言葉にできるよ!


 ……って、あれ?何で僕は桜ノ宮さんの応援をしているんだ?

「あの!す……。」

 でも、ちゃんと、気持ちを伝えようと必死な彼女を見てたら、なんだか応援したくなっちゃうんだよなぁ。

「す、好きです!わ、私とお、お…お付き合いしていただけませんか!!」

 すごいなぁ。この思いを伝えるのに、どんなに緊張したのだろう。そう思うと、勇気を振り絞った彼女の行動は、どんなに凄いことか…。


「はい…!お受けいたします。」


 あと、茶髪、セミロング。好みだなぁー。




「奏、どうだったんだ?」

「あぁ、やっぱり告白だった。」

「おー!マジでか!?で、返事は!?返事は!?」

「うん、引き受けたよ。」

「うぉー!!ついに、奏に初彼女かぁー!!」

「悪いな、お先にだ。」

「くっそぉー!先を越されたか!見てろよ!俺だって近々、絶対追いついて見せるからな!!」

「ま、せいぜい頑張りたまえ。俺は満喫するよ。よく見たらさ、俺のタイプドンピシャなんだよねー、桜ノ宮さん。」

「あー。茶髪に長い髪ってか。」

「そ。」

「ちっ!惚気か。」

「悔しかったら………」

「これでもくらえぇぇ!」

「はぶぅっっ!!!」

 僕は太一に口の中にチョココロネを詰められた。




 その日の放課後、桜ノ宮さんが再び、僕の席にやってきた。用件としては、一緒に話しながら帰ろうとのことだった。僕は当然、賛成をした。

 帰り道、同じクラスだからとわざわざ桜ノ宮さんに自分の席に毎度毎度来てもらうのは可哀想だし、そもそも、休日とかに会うときのために、連絡先を交換した。


「ごめん、同じクラスなのに今知った。桜ノ宮さんの下の名前、志帆っていうんだね。」

「はい、そうなんです。私たち、同じクラスでも、選択科目とかで授業が一緒になることほとんどなかったですからね。」

「うちの学校、就職コースと進学コースと二つのカリキュラムがあるからね。」

「はい。私は就職、雪白君は進学ですからね。」

「さっきから思ってたけど、同じ学年なんだら敬語じゃなくてもいいよ?もうちょっと気楽に、ね?俺のことも『奏』って呼んでよ。」

「そう…ですか?では……。はい。私のことも『志帆』って呼んでね……ください…。」

「あはははは!!敬語が抜けるのは、もう少し先かな!?」

「は……はい…。」

 彼女の頬はたぶん、僕が見てきた人の中で一番赤かっただろう。



「すみません、送ってくださって。」

「気にしないで、それくらい。むしろ、志帆と色んな話ができて楽しかったよ。」

「わ……私も、楽しかったよ!こ、これからよろしく……ね?」

「…ぷっ!!何で疑問形なのさ!?」

「えっ!?なっ!なんでだろう……?」

「あっははははは!!志帆ってやっぱ面白いや!うん!これからよろしくね!」

「う、うん!!」

 自然に、敬語が抜けていた彼女。そして、赤面して戸惑う姿が可愛く、改めて僕は彼女に惹かれたんだと思う。


「それじゃあ、また学校で!」

「う、うん!また明日!」

 でもやっぱり、抜け切ってないタメ口はぎこちなかった。

いかがでしたでしょうか?

今回はいつもと違う志帆を見れたのではないでしょうか?一年前、志帆はこんなキャラだったんですねー。

では志帆はなぜ、あぁなったのか!?それはまた、次回のお楽しみということで…!

この間、初めての短編を出しました。ぜひそちらもよろしくお願いします!

今回も見ていただきありがとうございます!

ぜひ、次回も読んでいただけるとと嬉しいです。

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