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VSヤンデレ彼女  作者: 柊夏木ヤヤ
2nd seaon
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紡がれる想い

今回で本編最終話となります。

最後までどうぞ暖かく見守りください。

 そして、あの日から一年の月日が流れた。

 高校を卒業した落合先輩は進学して大学に、榎本先輩は進学せず就職をした。しかも就職先は去年、私達が四人で行ったファミレスだった。なので今でもよく通い、時間がある時は話をしたりもしている。

 ちなみに、二人は高校卒業と同時に交際を発表した。私にはバレバレではあったのだが、金銭や孤児院のこととかを考えて、高校を卒業するまでは付き合っているのを隠していようと話していたそうだ。榎本先輩に聞けば付き合い始めたのは去年の夏頃だとのこと。私が思っていたよりは遅かったので誤魔化しているのではとも思っていたのだが、先輩の話を聞いていくうちに「あぁ、本当なんだな……」と思わせられるほどの惚気を聞き、榎本先輩の可愛さを再認識した。



 そして私達はというと……。


「海斗先輩、私サーティナインにアイスを食べに行きたいです。ダブルで」

「食べるのはいいけど、シングルにしておいたら?ほら、彩葉ちゃんこの間、部室で太ってきたって……」

「……うん?何か言いましたか……?」

「いえ……何も……」


 普段からこんな感じで、下の名前で呼んだり、言いたい事を言い合える中になっていた。まぁ、時々余計なことも言われ、ちょっと……ほんのちょっとだけ怒ったりもするんですけどね。()()()()()()()ですよ?友達からは闇のオーラを放っているとか言われたことあるけど、そんな事ないよね?



 お店でアイスを買い、二人で話をしながら歩いていると、海斗先輩が急に足を止めた。

「どうかしましたか?」

「いや、あそこ……」

 先輩が指を指した先にはカップルだと思われる私たちと同じ制服を着た高校生が河川敷のベンチで座っていた。


「海斗先輩、誰か分かりますか?」

「いや、僕は知らない。彩葉ちゃんは?」

「私も知らないです。てことは一年生なんですかね?」

「かもしれないね。制服もまだ新しそうだしね」

 そういって私たちは再び歩き出した。


「それにしても最近の若者はイチャイチャするがお早いですね……」

「いや、彩葉ちゃんも十分に若者だよ。そして、一年生の時に出会って一週間ほどで交際を始めた我々に言われたくはないんじゃない?」

「それもそうでしたね」

 そんな他愛もない話をしながら歩いていると、ふと私は思っていた言葉を発した。

「そういえば、私たちってこうやって一緒に出かけることは増えましたけど、イチャイチャっていうイチャイチャしてませんよね?」

「え?そうかな……?」

「そうですよぉ!だってよく考えたらこの一年で私たち、手を繋ぐことしかしてなくてキスとかしてないじゃないですか!!?」

「いや、だってそういうのはもっと大人になってからじゃないかな……?」

「そんなことないですって!何だかんだ榎本先輩達だって高校生の頃に私たちに隠れて部室でキスしてましたもん!」

 あの二人も未だにバレていないと思っているかもしれないが、二人が部室でキスしているのを私は目撃している。落合先輩なんかは「大丈夫、あいつらもまだ来てないから……」とか言って榎本先輩にキスをしていたが、バレバレなんですけどという気持ちを押し殺して今の今まで黙っていた。


 そして今、先輩を詰問……もとい、事実の確認をするためにこの話題を餌に、言ってしまえばキスをせがんでいた。

 今にして思えば、はしたない女と思われても仕方のないような行為だった。けど、そうでもして私は先輩のことが好きなんだと伝えたくて必死になっていた。

「本当にこんな所でするの……?」

 場所が屋外、しかも何の変哲も無い道のど真ん中での私の傷のせがみに海斗先輩は、少し眉をひそめた。

「いいじゃないですか、どんな場所でも。私は『今』海斗先輩とキスがしたいんです!ダメ……ですか?」

 私は自分でもあざといと思うような上目遣いで先輩を見つめる。しかし、それは先輩にはあまり効いているような感じはしなかった。

「ちぇっ」と思いながら私は再び歩きだそうとした。

 しかし、その動きは私の肩を掴んだ海斗先輩に酔って阻止された。

「ったく、可愛いこと言いやがって……」

 そういうと先輩は半ば強引に私にキスをしてくれた。


「……続きがしたかったら早く帰るぞ」

 顔を真っ赤にしながら振り返ることなく、進み出した先輩に対し、呆気にとられた私はただ「はい……」と言う事しかできなかった。





 この先、私の人生がどう変わって、進んでいくのか、当然今の私には全く検討がつかない。

 けど、確信を持って言える事は、この人となら何があっても乗り越えていけるということ。

 どんな未来になろうとも、私はこの人と一緒に居続けられれば満足してしまうだろう。



 そう思えるようになったのも、一年前のあの日に私に勇気をくれたあの幽霊さんのおかげだ。

 あの幽霊さんにもたくさん感謝しないといけない。





 あの人にも素敵な何かがありますように。



















『私の分まで幸せになるのよ。愛しの彩葉()

高校生の時から始まり、長きに渡って連鎖してきた本作。

一度は完結しましたが、続編の要望が多くこうしてシーズン2を綴り、無事ここまでくることが出来ました。

今回で一度この作品は幕を下ろしますが、シーズン2を作るきっかけになったように皆さんの声が多ければまた新たなストーリーが創られていくことでしょう。


それまでは志帆や彩葉のストーリーをどうか楽しんでもらえると幸いです。


最後に、明日もう一話投稿をします。それを持ってシーズン2は完全完結となります。もっと詳しい想いはまたその時に。


では皆さん、また明日。

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