想い、重なるとき
いよいよクライマックス!
ショッピングを終え、私たちはショッピングモールの中にあるカフェに来ていた。
「改めて試着に付き合ってくれてありがとうね」
「いえ、こちらこそこの服を買ってもらって良かったのですか?」
「それは問題ないよ。さっきも言ったけど、僕はファッションデザイナーになりたくて勉強してるのだけど、知り合いの会社でバイトをさせてもらってるから割と融通してもらえるんだ」
そうだとしてもという量の服を買ってもらい、私は頭が上がらないでいた。
「今日、雪白さんは僕に告白をしてくれたでしょ?」
彼はカフェで頼んだコーヒーを一口飲み、私に向かってそう呟いた。
「え、はい……本当にいきなりで……」
私がすみませんと言いかけたその時、彼が口を開いた。
「最初はね、驚きが先行してきたんだけどね、全然嫌ではなかったんだ。むしろ嬉しかったよ」
そう微笑みをみせた彼に私の頬はすぐに熱を帯びてしまった。だって、まっすぐ見つめながら言ってくるんだもん……。
「恥ずかしながらね、今まで告白をしたこともされたこともなくてね。正直、心の中では舞い上がってたんだよね」
窓を見ながらそう呟く彼は、少しだけ頬を染めながらコーヒーを啜っていた。
「それで、結局私たちってどういう関係なのでしょうか?友達から始めるとは言いましたけど、男女でお買い物に来ている訳ですし……」
「あぁ……うーんと……どう……なんだろうね……?」
煮え切らない返事をしている先輩に私は若干のいらつきを感じていた。
「そういえば私、先輩にまだ私の告白がどうだったのか聞いていません。そこの所、どうなんですか?」
私は持っていたカフェオレのカップを机に置き、先輩に詰め寄るようにして彼を見つめていた。
「え?だ、だから嬉しかったって言ったじゃないですか。それに、部室でも会ったばかりだから友達から始めましょうって言ったよね?」
「ですが、私は好きだって先輩に伝えましたよ?先輩はどうなんですか?」
「えっと……そのぉ……」
このときの私は、先輩からしたらかなりめんどくさい女だと思うが、先輩のことを知りたいと思っていた私は、今の自分の状態なんて気になんかしていなかった。
「さぁ、先輩……どうなんですか!?」
私から一度目を逸らした先輩は机に置かれていたコーヒーのカップを手に取り、一気に飲み干した。そしてからになったカップを少し強めにコースターの上に戻し、その勢いで私の方に顔を寄せてきた。
「好きでもない女の子と二人きりで出かけたりなんかするわけないだろ?」
とても真剣な顔でそういう彼の顔を直視した私は顔から上記がでるのではと思うほど顔を真っ赤にしてしまった。そして絞り出した声は……。
「はい……」
その一言だけだった。そして私たちは二人して顔を真っ赤にした上にカフェの中にいる他の客、店員の注目の的になってしまっていたのだった。
あの場の空気に耐えきれなくなった私たちはカフェを後にし、帰路を並んで歩いていた。
「その……先輩、先程はすみません。急に生意気なことを言って……」
我に返った私は先程の事を後悔して先輩に謝ることしかできないでいた。ただし、顔は直視することができずに……。
「いや、気にしなくて良いよ。雪白さんの言いたいことも一理ある話だったしね」
そう言葉にする彼の目も私を見てはいなかった。その代わりにと言わんばかりに頬を赤く染めていた。
「雪白……いや、彩葉ちゃん」
「ふぇ!?あ、はい……!」
突然呼ばれた下の名前に私は変な声が出てしまった。
「さっきも……まぁ、曖昧な返事ではあったんだけど……それでもあれが僕の本心で伝えたかったことの全て。伝わった……かな?」
そして私は彼とカフェ以来に目を合わせることができた。夕日に照らされていても分かるくらいに真っ赤になっている彼の顔を直視して私は、思わず笑みがこぼれた。
「はい……ちゃんと、伝わりました……」
頬を伝う雫は一つ、また一つと地面に落ちていき、気付いた頃には私の身体は彼の腕の中に包まれていた。
「先輩、大好きです……!」
さぁ、いよいよ持って次回が最終回です!
一部と違い、先輩と後輩という関係だった二人。
どうか最後まで温かい目で見守ってあげてください!




