響き始めた声
お待たせしました!新作です!
私の頭の中に響いた声は今までに聞いた事が無いものであったが、どこか懐かしさも感じていた。
『あなたがあの人の事を好きだというのなら、誰にも盗られてはいけない。独占するつもりでいくのよ?』
「……だ、誰?」
全ての疑問の中で一番強く思っていた事が、思いもせずポロッと口から出てしまった。
『私が誰かなんて、今はどうだっていいのよ。どうせ何かのきっかけでそのうち分かるでしょ」
「そ、そんな適当な……」
『そんなことより、あなたの好きな……何だっけ?確か、本田とかいう子だったかしら?あの子の事が好きなのか、好きじゃないのか、今の問題はそこだけよ」
「いや、そんなこと急に言われても……」
もう普通に会話をしているけど、今の私って、端から見たら独り言を続けている変な人なのではないのだろうか。という気持ちもどうせこの人には通じないのだろうと悟ってしまったので黙っておくことにした。
『それで、あなたはあの子の事が好き。それで間違いはない?』
「はい、多分……」
『さっきから煮え切らない返答ばっかりね。もう好きなら好きで良いでしょ?』
「で、でも……まだこの気持ちが好きなのか分かってないんだもん……」
『だもんなんて可愛い子ぶってるんじゃないわよ。まぁ、あなたは十分に可愛いけど』
何か分からないけど、知らない人に急に可愛いとか言われると嬉しい反面、恐怖を感じてしまう。
「ねぇ、私どうしたらいいのかな……本田先輩に告白した方が良いのかな……」
『……私もね、好きな人に告白したときは本当に緊張したよ』
「え!?幽霊さんも告白したことあるんですか!?」
『誰が「幽霊さん」よ!!……まぁ、今はそれはどうだっていいわ。私も彼に告白するときは顔からマグマが出るんじゃないかと思ったわよ』
「湯気通り越えるレベルなんですね」
『そうよ。それでもね、あの人を誰にも取られたくないという気持ちの方が何倍も上だったのよ』
「へぇ……幽霊さんが好きになったのはどんな人だったんですか?」
『だから幽霊じゃないって……まぁ、端的に言えば優しさで満ちている人だったよ』
別に見えているわけではないが、頬を赤らめている感じで話を始めた幽霊さんは、思い人さんについて語り出した。ただ、デートに連れて行ってもらった時の話、二人でお弁当を食べた話、もらったプレゼントの話、などなど支離滅裂にバーっと話していたので、話の三割くらいしか理解ができなかった。
『だからね!彼は天からの使いかなんかじゃないかってぐらい優しさに満ちあふれているの!!ねぇ、分かる!?』
「あぁ、はい……そうですね……」
割と自分でも適当に返答しているなっていう自覚はあった。けどそれ以上に話早く終わらないかなという気持ちの方が大きかった。しかも会話の方に集中していないと、本当についていけなさそうなのでスマホも使えないでいる始末だ。
そこからさらに五分くらい経った今でも幽霊さんの思い人の思いは止まらず、話がよく分からなくなってきたので部室にあったポットでお茶を淹れ、鞄に入っていたお菓子を取りだしてティータイムを始めていた。そして幽霊さんがこのことに気付くまでにあともう数分かかるのでした。
いかがでしたでしょうか?
長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
これからまた頑張っていきます!
この作品も完結がもう間も無くです。
残り僅かですがお付き合い頂けますととても嬉しいです。
改めて、これからも宜しくお願いします!




