ハワイ二日目~お土産と決断
三十七話です。
今回はハワイ二日目です。二十二話でも言っていたとおり二日目は皆でお土産選びです。
そして、お土産ともう一つのタイトルの意味は……?
では、お楽しみください。
ハワイ二日目。
起きて太一とロビーに行くと既に女子チームは待機していた。
偏見なのかもしれないけど、こういう時って女子は髪とかメイクとかで支度が遅いもんじゃないの?なんで僕たちを、「遅い!」みたいな眼差しで見てくるの?
「す、すみません……。」
「申し訳ない……。」
将来、絶対に尻に引かれるな僕ら………。
はい、謝罪が済んだところで……。今日から本格的にハワイでの旅行が始まります!!
「で、友紀ちゃんどこから回るか決まってるの?」
「ちょっと待ってね………。」
僕らが今いるのはハワイと聞いて一度は聞いたことがあるであろう場所、ホノルルだ。彼女はそこを中心に回っていこうとしている……………のではないだろうか?
「おっけー!説明するね!今、私たちがいるのは『アラ・モアナ』っていう所なのは分かってるよね?」
すいません……。なんとなくしか知りませんでした。
「この辺はね、様々なお店があってお土産を買うのには最適なんだよ。」
「ということはこの辺で探すことなんだな。」
「そういうこと!太一君にしては物分かりが良いじゃん!」
「悪かったな、普段は物分かりが悪くて…。」
こういう時、親友を肯定できないと言うことは、心の中では僕もそう思ってしまっているのだな…。許せ、太一よ……。
友紀ちゃんの言うとおりこの辺りは様々なお店で賑わっていた。この辺なら何か良いお土産が見つかるかもしれない。まぁ、僕が買うところと言えば両親くらいなのだけれども……。
「おいおい、来てみろよ奏!!」
「なんだい?どうしたのさ、太一。」
「これ見てみろよ!」
「なんだ、ただのマカダミアナッツじゃないか……って、んん!!?」
最初はただのマカダミアナッツだと思った。しかし、その商品をよーく見てみると何かが違う…。普通のマカダミアナッツ
は形状は丸い物だ。だがこいつは違う。こいつは、『動物の形』をしている。
「おい……嘘だろ……。」
「な!?凄いだろ!!?」
凄いけど、なんでお前が自慢げなんだ…?
「俺、こいつを部活の皆のお土産にしようと思うんだ!」
「へぇ、良いじゃん。動物の形のナッツなんて手の込んだもの部の仲間も喜ぶ……。」
部の仲間……か。
『おい、雪白!今日も部活動に励むぞぉ!!!』
『うるさい、仁。目玉刳り貫くぞ。』
『やめんか真紀!十八という短い生涯で視界を失いたくないわ!!』
『先輩方、相変わらずですねぇ。』
『雪白も止めろぉ!!!』
なんだか三人で部活をやっていた頃が懐かしくなってきた。最初はあの二人のノリが怖くビクビクしていたのに、いつから慣れていたんだろう…。そして、今年の六月の初めくらいか…。志帆が部活に加入したんだっけ。まだ三ヶ月しか経っていないのにこんなに懐かしいと感じてしまうなんて…。
「僕もこれ買っていこう。」
家族以外に買う人いたじゃんか。喜んでくれるかな。後藤部長……。
さっきとは違い、家族のお土産はなんか近くにあったお菓子の詰め合わせに、紅茶というざっくりした物であっさり終わらせた。
「ん…?」
僕は買い終わった訳で荷物が軽いのは分かるが一人、荷物に違和感があるのがいる。
「志帆?どうしたの?何も買わないの?」
「うーん…。なんか悩んじゃってね……。そうだ、奏君!何かお揃いの物買わない!?」
「え?う、うん……。それは良いけど、お土産とかは良いの?家族のとかは…?」
「うーん……。いいかなー。ゆっくり探すよ。」
「そう、ならいいけど……。」
考えすぎだったのだろうか……。
結局、志帆は今日僕や雅さん友紀ちゃんとのお揃いの物を買ったり、自分が欲しいと思った物を買っただけでその他、お土産と思われる物は買っていなかった。まぁ、残り三日あるわけだから心配しなくても良いか。
「シャッフルしない?」
いつものことなのですけど、友紀ちゃんがホテルに帰ってきた瞬間に急に訳の分からないことを言い出した。
「しゃ、シャッフル…?何を……?」
「メンバーを。」
「メンバー?」
「部屋のメンバー。」
「「あんたは馬鹿かぁぁ!!!!!」」
本当に僕は太一と仲が良いよなぁ。と思いたいけど、思ってる場合では無い。
「あのな!?俺も奏も前回と違い、やっと男二人で居心地の良い宿泊ができてるんだぞ!!?それをもう一回壊す気か!?」
言ってやれ、太一!!
「はぁ……。」
「なんだぁ!!その溜息は!!」
「いや、二人ともとても『チキン』なんだなって。」
「なぁっ!?」
「うぐっ!?」
ただ安らぎを求めただけでチキン……つまりはビビリ呼ばわりされる僕らってどうなのだろうか……。
「じょ…上等だ!そこまで言うのならそのシャッフルルール乗っかってやるよ!」
アホかぁぁ!!!そんな安い挑発に乗せられるとは……。太一、お前はそこまでアホだったのか……。
「フッフッフッ……。これで、誰も逃げられないからね……。」
「誰もって、僕もか……よ?」
なんか知らないけど、志帆たちがものすごい顔でこちらを睨んでいる。さっきまでは普通……いや、下を向いていた筈………。
「そういうことか…。太一、お前やってしまったな………。」
「は?どういうことさ?
「これは、友紀ちゃんによって仕組まれた物だったんだよ。僕らだけじゃない。彼女たちも…。」
「雅と、志帆ちゃん?」
「僕か太一がオッケーと言えば全員でやるシステムになっていた、そうでしょう?」
「はい!そういうことです!いやぁ、ありがとうね、太一君!今夜は面白くなりそうだね!」
「……………………………………………………………………。」
自分の犯した失態を今感じ始め、放心状態になってしまった。
「じゃあ、シャッフルのルールはこれ!」
「くじ引きか。分かりやすいな。」
「そう!二人部屋は赤、三人部屋は青のテープが貼ってあるから。」
「なら話は早い!」
太一復活早かったな。でも、どうするんだ?
「俺と奏が赤を引けばいいんだぁぁぁい!!!」
先陣を切って勢いよくくじを引いた太一の結果は……………………。
「しゃあぁぁ!!!れぇぇぇっっどぉぉぉぉ!!!!!」
「おぉ!!良くやった太一!!」
よし、これで僕が赤を引けば!
「さぁ、奏君?四分の一だよ?」
息を呑んだ。このくじの結果で今日が安眠か不眠かが決まる。
「僕はこれだぁぁぁ!!!!」
「さぁ、ようこそ奏君!女子の花園へ!」
「結局、青を引いた…。さすがに三枚も入ってれば一枚を引くのはきついよ…。」
トレードされたのは僕と、志帆。僕もきついが向こうもきつい筈だ。だって、宿泊のペアが自分とは違う人の彼女なのだから。せめて僕は志帆と一緒が良かったし、太一も雅さんと一緒が良かったはずだ。
「あぁ……今夜は不眠だな……。」
―志帆Side―
うぅ……。奏君と違う部屋だし、雅ちゃんも友紀ちゃんもいないし、どうしよう……。良く思い出してみれば、私太一君どころか奏君以外の男の子と二人きりでまともに話したことないよ……。
「うーん、どうしようか…。ひとまず何か話すか。それぐらいしか、俺らにはできることなさそうだもんな。」
「え、う、うん…。そうだね。」
「おいおい、緊張しないでくれよ…。まぁ、無理な話なのだろうけどもさ…。」
「えへへ…。そうだね……。」
やっぱり、奏君の親友なんだな。優しいところが似てる…。
「そういえばさ、志帆ちゃんさ、九月二十三日が何の日か知ってる?」
「九月二十三日?秋分の日だっけ?」
「まぁ、それもあるんだけどね……。その日はさ、奏の誕生日なんだよ?」
「え!?そうなの!?」
「やっぱり知らなかったか………。」
やっぱり?太一君は私が奏君の誕生日を知らないと分かっていてこの話をしたという事なのだろうか。
「あいつ、中々自分のこと中々話さないから言ってないんじゃないかなって。」
「なるほど、そういうこと…。」
言われてみれば思い当たる節がある。この間、奏君の子供の頃の話を聞いたときも教えてくれなかったから結局、友紀ちゃんに聞いたわけだし、部活やってたことも随分後になってから聞いた。
「せっかくハワイにいるわけだから何か『特別なプレゼント』でサプライズしてあげたらいいんじゃない?」
「特別、プレゼント、サプライズ………。」
そうだ、この間もそうだった。私は奏君のプライベートを邪魔したり、勉強見てもらったりといつも迷惑をかけてばっかりだ。何かここでお返しをして奏君の役に立ちたいし、ずっと奏君の隣にいたい。
「うん、私何か探してみるよ。ありがとう太一君!」
「どんな物が奏の元に行くのか楽しみにしているよ。」
信じてて待ってて奏君。私、きっと…………
その頃の奏………。
「だぁかぁらぁ!!?さっきから志帆の好きな所の具体性が無いんだって!!!」
「勉強でも大事でしょ!?抽象的なの!!『可愛い』とか『一緒にいて楽しい』とか!!ありきたりだし!!前にゆっきーの家で堂々語ってたじゃない!!」
「いや、じゃあ……あの時ので良いのでは………。」
「それはそれ!!」
「これはこれ!!」
「さぁもう一回言って!!」
「「志帆 (りん)の好きな所は!!??」」
「あ、えっと……その………あぁ………。」
(太一ぃぃ!!!!!助けてぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!)
いかがでしたでしょうか?
相変わらず、友紀の爆弾発言はすさまじいですね…。今、思い返せばなんか同級生に似た感じのがいた気がします……。
そして、志帆が太一からありがたい情報を手に入れ、奏のために行動をする決意をしました。過去を振り返り、未来の彼のために。それが良い方向に行くと良いですね……。
今回も見ていただきありがとうございます。
次回も読んでいただけると嬉しいです。




