表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VSヤンデレ彼女  作者: 柊夏木ヤヤ
1st season Kanade&Shiho
26/62

答え合わせ

二十六話です。

今回は柵を倒し(壊し?)侵入してきた二人と被害に遭った二人。

それぞれの思いがどうつながるのか。そういう回です。

一人ひとりが何を思い、何を感じるのか。そこがポイントとなってくるのですかね?

では、お楽しみください!

「「 え? 」」


「「 えへ…! 」」


 余りにも突然の事だったので出せる言葉は本当にわずかであった。しかし、時間が少し経ち、理解が少しは理解ができるようになった頃、最初に僕は彼女たちにこの言葉を投げかけた。


「な、何やってんだぁぁ!!!!」


 これが、当然じゃないかな?

「その前にさ、奏よ。」

「何さ!」

「前……隠したら?」

「前?前って……。」

 僕は今の現状を改めて思い出した。そう、僕らも彼女らも『裸』だと言うことを。

 僕はゆっくりと湯船の中に入った。

「お見苦しい姿を……。大変失礼しました……。」

「「…………。」」

 もう手遅れだったのか、二人は俯いて一言も発さない。

「まぁ、奏の粗末な物を見た後で言葉を出しづらい状況なのはわかるんだけど、聞いてもいいか?」

「粗末な物っていうんじゃねぇよ!!」

「まぁ、いつまでも柵の上だと風邪ひくからひとまず湯船に浸かれよ。」

「う、うん。」

「わかった……。」

 二人は妙に正論を言う太一に言われるがままに僕らと同じ湯船に入った。

「それで、この柵は何があったんだ?」

「えっと…それは……。」

「あの態勢からするに柵に寄りかかっていたってのはわかるけど…。」

「その……ね?二人の会話が気になって、聞き耳を立ててたの……。」

「なるほど、そういうことだったのか。聞き耳を……ん?聞き耳?」

 僕は今、頭の中で聞き耳という言葉の意味について確認していた。

 聞き耳……聞き耳と言う言葉は、集中して物事を聞くことを意味する。

 つまり彼女たちは僕たちの会話を集中して聞いていた事になる。良い言い方をすれば。

 悪い言い方、即ち正しい言い方をすると、彼女たちは柵に寄りかかって僕らの会話を盗聴してたと言うことになる。

 ん?いや待て。冷静に分析してるがこれは結構由々しき問題なのではないのだろうか?事によっては僕らは彼女たちを怒らせるようなことを話したかもしれないし、ただただ僕らが恥ずかしい思いをするだけの話をしていたかもしれない。

 思い出せ…思い出せ……。


 ザブゥゥゥゥン!!!!!


「太一!!?」

 突然、太一が顔を湯船の中に突っ込んだ。

「ぶはぁぁ!!」

「お、おま…急に何やってるんだよ?お湯の中に顔なんか突っ込んで…。」

「突っ込みたくもなるよ!?よく思いだせ!俺たちが何を話したのかを!」

 僕たちが話したこと?僕たちが話したこと……。



『顔がタイプ!茶髪にセミロングでタレ目。完璧です!僕の好みすべてが入ってるんです!』


「……………。」


『僕が今まで食べてきた料理の中で一番美味い!お世辞抜き!』


「…………………。」


『絶対志帆を料理の専門学校に入れてやりたい。あの才能を伸ばしたらきっと将来とんでもないことになるよ!三つ星レストランとか、ミシュランとか!』


 ザブゥゥゥゥン!!!!!


 たぶん太一以外、つまり志帆か雅さんの二人は驚いてるかもしれないけど、湯船に顔を突っ込みたくなるという太一の気持ちは分かった。

「ぶはぁぁ!!」

「どうでしたか?」

「うん、恥ずかしさが頂点に達してなんか頭がおかしい…。」

「よし、俺らはつくづく仲良しってことだ。」





「す、すいません…取り乱しました…。」

 余りに自分の発言が恥ずかしすぎて脳内の沸点がおかしくなってしまい、理性が保てなくなるところだった…。

「さて、では改めて…色々聞きたいけど、これ以上風呂に入ってると全員のぼせてしまうから上がって話そうか。」

「お、おう。そうだな。」

「うん……。」

「わかりました……。」


「「「「……………。」」」」


「奏、これ誰から上がるんだ?」

「……。」

 全く考えていなかった…。この場合、どちらから上がればいいのだ?どっちから上がるにしてもそれは相手の裸を見ることに繋がるのでは!?

 いや、それは見なければいいのか…。

 しかし、そうだとしても事の解決にはならない……気がする。

 だが、このまま考えていてはただ時間が過ぎていく一方だ。


「よし、太一。僕らから上がろう。志帆たちはその間、後ろを見てればいいよ。」

「お、おう。」

「うん、わかった…。」






 僕らは風呂から上がった後、広間で彼女たちを待っていた。

 そして待つこと、十五分。

「ごめん、お待たせ。」

「いや、構わないよ。」

 さぁ、ここからが本番だ。僕らは落ち着いて話すために、広間にある『ご自由に』と書かれたクーラーケースの中に入った飲み物を一本ずつ手に取り話すことにした。

「じゃあ、改めて話を聞いてもいい?」

「うん。」

「まず、どこから聞いてた?」

「えっと、その……私に別れたいって言ったって話すのあたりから…。」

 別れたいって話し……。と言うことは、ほとんど中間くらいからか。

 しかし、気になるのは太一が少し安堵したよう顔をしているのはなぜなのだ?

 あぁ、この会話の前に雅さんと上手くやれてるのかなとかグダグダ言ってたからな。そのせいだろう。

「んで、どうするんだ、奏?」

「そうだなぁ……。」

 本当ならここで切り上げてもいい。ただなんだかモヤモヤする。僕らだけこっそり聞かれてデメリットだけでメリットが無い状態と言うか…。

「ひとまず、僕らから質問は何もしない。」

「え!俺も!?」

「その代り、二人が聞いて。」

「え、どういう…何を言ってんだ奏?」

「二人は僕らの会話を聞いてたんでしょ?なら、色々思ったことあるでしょ。むしろ僕と太一が何か言うより二人から何か聞いた方が手っ取り早いと思って。」

「そ、それはそうだけど……。お前は恥ずかしくねぇのかよ!?」

「恥ずかしいよ!」

「逆切れ!?」

「でも、その方がことが進むでしょ!?」

「そっ!?うっ…あ、はい……。」

「じゃあ、どうぞ。」

 太一には申し訳ないが完全に力技であった。

「じゃ、じゃあ……。」

「はい、雅さん。」

「おっ、俺から…ですか…。」

「さっき、私の好きな所について話してくれた時…よ、欲を言えば他にないのかなぁって…。」

「え?」

「だって!奏君は志帆ちゃんの事について容姿もタイプも内面の好きな所も熱弁してたじゃない!」

「はぐっ!!?」

 何だか恥ずかしさが一気に込み上げてきた……。

「そ、それは嫉妬だってするし、もっとないのかって感じちゃうよ…。」

「……っ!」

 たぶん、今の太一の頭の中は……

(そ、そんな上から目線の可愛い声で見つめないでくれ!罪悪感がぁ!!)

 こんな感じだろう。

「そ、そう……ですねー。」

 完全に目が泳いでる。僕の推理は当たっていたのかもしれない。

「いや、だって…わかんないよ……。」

「え?」

「わかんない?」

「だって、好きなもんは好きなんだもん。俺は奏みたいにタイプとかがある訳じゃない。奏みたいに巨乳がす……」


 ボコスッッ!!!!! ドスッッ!!!! ドコスッッ!!!!


 最後まで話させる前に彼をしとめることに成功はしたが、果たして志帆の耳に届いて………

「……?」

 いない!!セーフ!!何でセーフかって思うかはご想像にお任せいたします!!!

「ぼ、ぼ…びかく……ぼれは、ばばびやびがづきというびもちはかばべにばけてないとおぼう。」

(と、とにかく俺は、ただ雅が好きと言う気持ちは負けてないと思う。)

「太一……。」

 え?雅さん、今ので伝わったの?バ行っぽいばっかで全然聞き取れなかったけど…。そうさせたの僕だけど…。

「じゃあ、次は私から質問してもいい?」

 志帆…?

「あのね………………。」

「ん?志帆?」

「ねぇ、奏君…?この話…二人でできないかな?」

「え?」

「いいんじゃないかな奏?ここからは各自部屋に戻ってしっかり向き合って話し合おうぜ。」

「うん、私もそうした方が良いと思うかな。」

 二人のその意見を聞いた後、再び志帆の顔を見た。

 彼女の目は、こちらを真っ直ぐに見つめ、真剣な表情にも見えた。いつもの僕ならその光り輝く二つの宝石のような眼差しを見て舞い上がったテンションになってしまうが、今は違う。今の僕に向けている彼女の眼差しは確実に覚悟決め、何かを伝えたい、聞きたいという。そう、語りかけていた。


「うん、わかった。それじゃあ、今日はこれで解散にしよう。風呂のことは後で僕が友紀ちゃんに言っておくよ。」

「ごめんなさい……。」

「それは、私たちも言いに行った方が……。」



「もう手遅れよ?」


 突然、広間の奥から声が聞こえてきた。その声の主はここの家の主。僕らの友達である友紀ちゃん。そして……。

「お、おばさん……。」

「お、おばさんって、もしかして、友紀のお母さん!?いや、どう見ても若すぎるだろ!?お姉さんだろ!?」

「あら、随分、嬉しいこと言ってくれるのねー!これでも今年で四十なのよ?」

「えぇ!?嘘ぉ!!?」

「おばさん、ご無沙汰してます。」

「奏君、大っきくなったのね…。どう?美優と慶人さんは元気?」

「は、はい。相変わらず仕事ばっかりですが…。」

「ふふ。二人らしいわね。今度会おうって連絡入れたんだけどね?」

「え?そうなんですか?」

 何も聞いてないんですけど?どうなってんですか?何故に息子に連絡が回ってきてないのですか?別にいいか的なあれですか?

「さて、本題なのだけど……。」


「「「「 !!?? 」」」」


 その刹那、おばさんの目が鋭くなり、背筋がゾクッ!っとなった。たぶんこの時がこの現象に陥っただろう。

「あ、あの……あれはですね……。」

「ごめんなさい!!」

「!!?」

 真っ先に謝ったのは志帆だった。僕の横に並び、おばさんに頭を下げ大きい声で『ごめんなさい』と謝罪の言葉をしっかり述べた。

「あれは、私が倒してしまったせいであぁなって……本当にごめんなさい!!」

「志帆……。」

「待って!それだったら私にも責任があります!私も一緒に倒したのだから。本当にごめんなさい!!」

「雅……。」

「…………。」


 それでも尚、おばさんは言葉を発さない。おばさんが何を思っているのか僕もわからない。

「あの、僕からも謝ります。だから、どうか二人を許してあげてくれませんか?お願いします!!」

「お、俺も謝ります!すいませんでした!だから許してあげてください!」

 おばさんに向かって四人全員が頭を下げた。もう、どういう表情なのかも伺えない。



「皆、顔を上げて……。大丈夫、私は怒ってないから。」

「え…。」

「本当ですか?」

「うん。だって、どういう経緯で倒れたのか全て知ってるもん!」




「「「「 ……え? 」」」」

いかがでしたでしょうか?

皆、それぞれが思い思いに思っていたこと伝え、その事を受け止めていく。

受け止め、改め、何を思ったのでしょうかね?

さて、そしてついに友紀のお母さんが登場しました。太一情報では四十歳にして見た目若いとの事です。

どのくらいなのでしょうかね?

そして最後に行った事、『倒れた経緯を知ってる』

何故なのでしょうか?それはまた次回のお楽しみということで!


今回も見ていただきありがとうございます。

次回も読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ