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VSヤンデレ彼女  作者: 柊夏木ヤヤ
1st season Kanade&Shiho
23/62

ハワイ旅行計画~皆で過ごす夜

二十三話です。

今回は前回友紀が言い放った謎の一言がきっかけで事態が大きく動いていきます。

一体、彼女の言動の真相とは?

それでは、どうぞお楽しみください。

「だって私は旅行計画が『一日だけ』とは言ってないですからね?」



「「「「 え? 」」」」


 たぶん、ハモった四人の気持ちは同じだと僕は思う。

『この人は今、何を言ってんだ?』と。

 その気持ちを僕は言葉にして彼女に問いかけたかった。けど、あまりにも突然のことすぎて放心状態になっているせいで僕は言葉に出せないでいた。

 すると、その気持ちを先陣を切って問いかけてくれた勇者が出現した。


「な、なぁ、友紀さんよぉ。俺には何を言ってるのかさっぱりわかんねぇわ…。その言葉からは俺らは明日も来いと言うことですか?」


 勇者太一が現れた。勇者太一の攻撃『質問』。


「うーん、ちょっと違うかな。」

 友紀の防御、『否定』。


「じゃ、じゃあ、どういうこと…?」


 雅の攻撃『質… いや、もういっか。


「正直、今日帰ってもらって明日また来てもらうのも申し訳ないじゃん?」

 この時、僕の中では彼女が何を言いたいのか八十五パーセントくらいわかった。わかったのだけど、言いたくない。だって、残りの十五パーセントに賭けたいから。

「だからさ、家に泊まってってよ!」

 八十五パーセントが勝った。ちなみに、残りの十五パーセントは、『明日の場所を変更しよう』、だった。

「はぁぁあ!?急に何を言い出すの!?って何で奏は平然としてるんだよ!?」

「してるわけないだろ…。ただ、後半あたりから読めてたとうか、何というか……。」

「さぁ、皆どうかな?」

「言っとくけど、俺ら男だからな?女子の家に泊まりって…。第一、家族の人に許可とか取ってんのかよ?」

 太一にしては、まともな意見が出た。しかも、二つも。

「こんなこともあろうと、ママには連絡済みです!」

 よ、用意周到過ぎませんか、この子…。

「では、改めて。どうかな皆?後は皆の家族に連絡するだけだよ?」

「でも、いきなり泊まりって言われても、何も私たち道具もないよ?寝具だって着替えだって…。」

 確かにそれは志帆の言う通りだ。泊まるには僕らの今日の荷物にはあまりにも不可能だ。

「………。」

「友紀ちゃん、盲点だったみたいだね。」

 おかしいな。この人、全国模試、三位の人なんだけどな。時々抜けるのかな?いや、そこまで買いかぶっても、実際は僕らと同じ高校二年生なんだ。こういう事があっても当然っちゃ当然なのか。

「ねぇ、友紀ちゃん?」

「うん?何、雅ちゃん?」

「確か、友紀ちゃんのお母さんに既に宿泊の許可は頂いてるんだよね?」

「え?う、うん。取ってあるよ?」

「ならさ、せっかくだし皆でお泊りしない?ご厚意に甘えて。」

「え!?な、何を言ってるのさ、雅…。第一、荷物は?」

「一旦帰って持ってきましょうか?」

「なんですとぉ!?」

「だって、せっかく許可を頂いたんだし、このまま帰るのも失礼じゃない?」

 そう言われてしまうと、雅さんの意見はもっともだ。

「なら、荷物取っていきましょうか。」

「奏まで!?」

「その前に、家族への連絡だけどね。」

「志帆ちゃんまで!?……って、またこのパターンになっちゃうんだな…。んなら、行きますか!」

「本当に!?じゃあ、皆が荷物取ってくる間に準備してくるね!」

 ということで、僕らは一度、各々の家に戻り、家族に事情を説明したのち、友紀ちゃんの家に集合することにした。





 十六時半頃。

 再び友紀ちゃんの家に全員集合した。皆、無事に親の許可が取れました。

「で、この後どうするんだ?俺、誰かの家に泊まるのなんて奏の家くらいだから、何をどうしたらわかんないだが……。」

「私なんか初めてだよ……。」

「私もだよ、志帆ちゃん。」

「と、言うことだ。どうするんだい?友紀ちゃん。」

「そうですねぇー。まずは…ご飯にしますか?」

「あぁー、確かに俺、腹減ってるわ。」

「じゃあ、皆待ってて。用意してくるから。」

「いや、それはさすがにまずくないか?」

 いくらなんでも全てやってもらうのは違う気がする。普通ここは手伝うのが道理だろう。

「ここはぼ……」

「当然、俺たちも手伝うよ。手伝いもしないでただ泊めて貰うってのは失礼だしな。」

 先に言われた…。今までずっと息が合ってた筈の親友と今日、初めて息が乱れた。

「ん、んんっ…!あぁ、僕も手伝うよ。」

 その後に続き、志帆と雅さんも同意をした。

「じゃあ、運ぶの手伝って!ご飯自体は出来上がってるから。」

 出来上がってるのかい。



 用意ができ、全員が席に着いたのを友紀ちゃんが確認したら全員で――


『いただきます!』


 全員で声を合わせた。

 いただきますという言葉自体は普段から使うけど、こんな大勢で揃えて言うのなんていつ振りだろうか。おそらく、小学生以来だ。

 友紀ちゃんが用意してくれたのは、大勢で食べるときの定番、『カレーライス』だった。ただし、ここで一つ訂正を入れておく。友紀ちゃんが用意してくれたと言ったが、正確には、友紀ちゃんのお母さんだ。今日のことを見越してお仕事に行く前に作ってくれたのだと言う。何から何まで本当に…。頭が上がらない状態です…。



 食事終了後、僕らは寝室に案内された。

「まず、奏君たちの部屋はここ。二人部屋ね。」

 家の二階、上がって直ぐのところにある部屋。僕好みの和室。見晴らし良し。二人部屋にしては広すぎるのではと言いたくなるくらいの部屋だ。

「この広さなら男二人でも問題ないね、太一。」

「そうだな、むしろもったいないくらいだ。」

「えっとー、何を誤解されてるのかな…?」

「はい?」

「誤解とは?」

「私は『奏君たちの部屋』とは言ったけど、『男部屋』とは言ってないよ?」

 僕は今日のお泊りの件で彼女が言い出したことに理解するのに時間がかかった。そのおかげか、彼女が言い出したことの発言の意味を理解する早さがかなり早まった気がする。だから今、彼女が何を言いたいのかもわかる。わかるからこそ、阻止したい。だって、彼女が言っていた僕たちの部屋。絶対もう一人は『志帆』だ……。それは……色々な意味でまずい………気がする…。

「ここは、『奏君と志帆ちゃん』の部屋だよ?」

 すごい、僕。彼女の思考が読めるようになった……。

「ちょい待て!てことは、俺の部屋は?」

「ん?雅ちゃんとだよ?」

「いや、その、当たり前じゃん?みたいな感じで言われても。」

「何なの、奏君も太一君も。二人とも彼女ちゃんと同じ部屋じゃ嫌なの?」

「いや、嫌と言いますか何というかー……。」

 緊張やら何やら、うぬやらが出てきてしまいせっかくの素敵な部屋なのに満喫できそうにないです。と言えたらなんて楽なのだろうか。

「奏君…………。」

 言い訳を考えていたその時、急に背筋がゾクッ!っとした。今日の雰囲気やら、最近こんなのこと無く、仲良くやってたから、久しぶりにこれが来ると、恐怖が大きい…。

「なんでしょうか…?志帆……さん…?」

「奏君は……私と同じ部屋じゃ……嫌なの………?」

「ちっ、違う違う!嫌なわけではない!ただ………。」

「ただ…?」

「…………。」

 この時に言葉に出せないということは、自分の中に色々やましい思いがあるからなのか?仮にそうだとしたら、言葉には出せないよな。と、納得してしまう。

「ヤッパリソウナンダ…。カナデクン、ワタシトオナジヘヤハ………。」

「お、おおおおお落ち着いて、志帆さん!!」

 両手にナイフを握りしめ、死んだ魚の目で、片言の文字で、こちらを見てこられたらそれはもうただの殺人鬼だ。人間ではない。

 このままにしておけば確実に事は進まない。

 こうなった今、僕にできる選択肢は二つだ。

 ①大人しく死ぬ

 ②自分の心の内を告白し、同じ部屋になった後、恥ずかしさで死ぬ


 この選択肢なら……僕は迷わずこちらを選ぶ!

「志帆、耳貸して。あ、ナイフはしまってよ。」

「ウン、ワカッタ…。」

(あのね…、正直な話、同じ部屋が嫌なんじゃなくて、その…恥ずかしかったんだよ…。ほら、いくら志帆が彼女と言っても女の子なわけですから、同じ部屋に女の子が寝るって考えると、そのですね……色々と考えてしまったわけですよ……。)

「はい、以上!!」

 話し終え、すぐに志帆の耳元から離れた。それはそうだろう。ただいま、心臓が爆発して死ぬという緊張の典型的な死に方をしそうなのだから。

 自分の心臓を落ち着かせることに集中して気づかなかったが、妙に志帆が静かだなと思い、志帆の方を見ると、彼女の顔はたぶん、今の…いや、さっきからの僕の顔以上に真っ赤な顔をしていた。

「何を話していたのか知らないけど、床に落ちたナイフを見る限り、もう敵意無いみたいだからそこの二人は決まりでいいね?」

「あ、はい…。」

 友紀ちゃんの言葉を聞き、確認してみると、確かに床に落ちたナイフが突き刺さってる。

「じゃあ、次は『太一君達』の部屋に案内するね。あ、ところで奏君?」

「え!?は、はい!?」

「そこ、ナイフが刺さってるとこ。しっかり抜いてね。」

「あ、それは勿論。」

「あと、木工クラフトが趣味って言ってたけど、刺さった部位、修繕とかできる?」

「しゅ、修繕っ!?んー…。抜いた時に一応見てみるけど、期待はしないでよ。」

 あくまで僕はmake(製作)であり、repair(修繕)は専門外なんだよな。

「じゃあ、改めまして太一君たちの部屋に……ってあれ?太一君、どしたの?」

「あ、いや……。別に、何でもないっす…。」

「何?まさか、太一も私とじゃ嫌とか言うんじゃないでしょうね?」

「あ、いやっ!?そういうわけでは…!」

 デジャヴ…。

「じゃあ、何?理由言ってみなさいよ!?」

 言えたら苦労しないんだよねー。

「彼女と言えど、同じ部屋に女の子いたら緊張で普通は色々考えちまうだろうが!俺だって男なんだよ!そのだな、色々やましい心があったんだよ!」

 言いやがったこいつ…。男だ…。かっけぇよ、お前。僕、お前を尊敬するよ…。

 声を張り上げやましき心があったと宣言したことを聞き、雅さんがどうなったのか様子を見てみると、志帆とまったく同じ事になってた。

「なるほね、今ので雅ちゃんがこうなったってことは奏君もやましい心があったんだね。」

「うぐっ!?」

「なるほど、奏。さっきの耳打ちか。」

「うぐぐっ!?」

「どうする、彼女ちゃんたち?彼氏組は二人とも、下心全開だけど、部屋変える?」

「「 うぐっ!? 」」

 さっきから何か心にグサグサと刺さる感じが酷いのだが……。

「わ、私は…奏君を信じます……。(まだ)何もしないって…。」

 今、小さな声で「まだ」って言った?

「私も信じます…。」

「ありがとう、雅!」

「はい、じゃあ決定ということで!」



 不安しかない……。

いかがでしたでしょうか?

前にも言いました。人は色欲と言う危険な欲を持っています。

犯罪にだけはならないよう、犯罪にだけは巻き込まれないよう気を付けましょう。

あくまで、奏や太一のように心に留める、相手に許諾を得るなどの状態での範囲でにしましょう…って何を語ってるんでしょうかね私は……。

さて、本編ですが……

恋人同士で部屋が確定しましたが、この後、二組のペアはどうなってしまうのでしょうか?特に奏と太一。理性保てるのでしょうか?

思いましたが、友紀もかなりの策士ですよね。


今回も見ていただきありがとうございます。

次回も読んでいただけると嬉しいです。

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