ハワイ旅行計画~その前に…
二十一話です!
今回は旅行の計画についてのお話し……なのですが…。
一筋縄じゃいかなそうです…。
では、お楽しみください!
友紀ちゃんからハワイ旅行への招待を受けてから早三日。
今日はどうやらそのハワイ旅行について詳しい内容を説明して貰えるらしい。
その説明のために、僕たち四人は友紀ちゃんの家に招待された。
招待されたのだが……。
「なぁ、奏よ。」
「なんだい、太一。」
「俺は、友紀から『ぜひ、私のお家においでよ!』って、言われたから普通の一般住宅を想像してたんだわ。」
「うん。僕もだよ。」
「では、今俺らの目の前にある、この三メートルくらいの塀付きのでっけぇ豪邸はなんなんだ?」
「僕に聞いて答えがわかるとでも?」
「お前、幼馴染なんだろ?何かわかってもおかしくないだろ?」
「幼馴染でもわかる事とわからない事があるんだよ。」
僕と太一が口論している間、二人の彼女達は放心状態だった。おそらく、この豪邸に驚きが隠せなかったんだろう。
少し話しが外れるが、実は僕と太一が知らないうちにいつの間にか志帆と千葉さんが仲良くなっていた。きっかけはおそらく、三日前の僕らの不甲斐なさ、そこからの意気投合があったからだろう。
気づけばとても仲が良く、同じクラスだからか休み時間もよく話しているらしい。それがきっかけで、あれからお昼はずっと、四人で食べている。
そうこうしていると、僕らがいる正面の門が開いた。
その正面の門から顔を出したのは、今日、僕らをここに呼んだ張本人だった。
「皆、いらっしゃい!」
とんでもない豪邸に住んでいる友人、こんなの漫画でしか見たことなかったから飛び出してきたのかと思った。
「本当にここ、友紀の家…なのか?」
「うん、そうだけど。それがどうした?」
「あ、いや…その……。」
太一が言葉を詰まらせている時、僕は志帆の様子を見ていた。だって、まだ固まっているのだから、千葉さんと。
志帆の様子を確認していると、太一に足を蹴られた。あまりにも急なことだったので、痛みより先に顔の移動が速かった。
足を蹴った理由は、言葉が詰まってどうしようもなく助けろとの事だった。
助ける方法だが、こういう時に僕ができる有効方法は彼としかできない技、『アイコンタクト術』くらいだ。
(おい…!助けろよ、奏!)
(助けろと言いましても、僕に何をしろと?)
(幼馴染なんだろ?何かないのか?)
(そんな無茶苦茶な…!いくら幼馴染でもその人の全てがわかると思ったら大間違いですからな!?)
「あのー?」
二人でアイコンタクトを取っているのに夢中で、目の前の友紀ちゃんの事をすっかり忘れていた。本題の人物なのに…。
「そろそろ、中に入りません?」
「「で、ですよねぇー……。」」
あんなにアイコンタクトを取っておきながら最終的には全く同じ意見がアドリブで出てきた。
友紀ちゃんに案内され中に入っていくと、僕の中では予想通りである絶景の庭園が広がっている。ここは京都だっけ?と思わせるくらい素敵な庭園が広がっている。
今回の旅行の目的地であるハワイとは違い、僕はどっちかっていうと、こういう風流のある日本文化の方が好きだ。だからこういう風景を見てると凄く落ち着くし、いつまででも見ていられる。
庭園の中を少し歩くと、二階建ての大きい家が見えてきた。あれが目的地、友紀ちゃんの家らしい。
「でっか……。」
「うん、でかい…。うちの二倍くらいかな?いや三倍…。」
「どうしよう…。私こんなに大きな家来たことないよ……。」
「大丈夫だよ、雅ちゃん。私もだから…。」
当の本人は「そうかな?」と言っているが、その段階でこれはもう確実に彼女のうちはお金持ちであることがはっきりした。
再び友紀ちゃんに案内され、今度は家の中にある居間に到着した。
「外見通り、今も広いなぁー…。」
「奏、俺こんな家に住んでみたいよ…。」
「宝くじでも買ったら?」
「学生だぞ?金銭面考えなさいな?」
「バイト、バイト。確か、宝くじって一口、二、三百円なんだろ?いけるって。」
買ったことないからよく知らないけど…。
しかし、太一が言っている通り、お金があればこんな豪邸住んでみたいもんだ………とは僕は思わない方の人間である。だって、こんなに大きい家、掃除大変そうじゃない?それに、僕は自分のパーソナルスペースと見晴らしのいいベランダ、それに本さえあれば何も文句がない。あの庭園には少し目が惹かれたけど……。
「皆ー!お茶持ってきたよ…って、皆何やってるの?」
居間に案内した後、飲み物を取りに行った友紀ちゃんが疑問に思うのは何となくわかる。
太一は居間にある掛け軸を、千葉さんは壺をじーっと見つめていた。
僕は正座で座っていたのだが、実はただ座っていたのではない。ここの机、よく見ると凄い巧妙な技術の彫刻が彫ってある。親戚のおじさんが木工品工房を経営していて、小さい頃からそういうのは見てきたからこの彫刻の素晴らしさは少しばかりはわかる。
そして最後に志帆なんだが、志帆に関しては僕も何をやってるのかわからない。なんだか、隅の方にある鎧兜の方でそわそわしているように見える。盗みを働かないことだけをひとまず願います…。
落ち着いた僕ら四人と友紀ちゃんは全員座り、話を進める準備が整った。
「それじゃあ、まずどこから始めるの、友紀ちゃん?」
「本当なら、端的に旅行内容を言うのが正解かと思うのだけど…。」
「だけど?」
「ひとつ、やってない事があって。」
あったっけ?僕の記憶には旅行内容を話していただく以外何かがあった記憶が全くない。
「私たち、まだ自己紹介とかしてないよね?」
ありました。ありましたね、やってないこと…。
確かに、太一や僕のように昔からの仲良しや僕と志帆、太一と千葉さんペア以外ほとんどが顔見知り程度だ。
僕と友紀ちゃんは、幼馴染と言っても、あくまで子供の頃に過ぎなく、幼少期の頃のイメージしか僕は知らない。
そうすると、このタイミングでの自己紹介はありであろう。僕は彼女の意見に賛成した。その後に他の三人も快諾した。
「では、言い出しっぺの私から行くね!改めまして、早御友紀です!気楽に友紀で良いからね!趣味は手芸かな。あと、好きな食べ物はスパゲッティ!宜しくね!はい、次、太一君。」
「俺かよ…っし、いくか!黄瀬太一だ。俺も気軽に下の名前で良いからな。陸上部でフィールドをメインにやっている。趣味はまぁ、部活の通り走ることだ。好きな食べ物はコンビニの肉まんだ。ということで、宜しくな!じゃ、雅、いくか。」
「あ、うん。千葉雅です。ぜひ、雅って呼んでください。趣味というか、テニス部なんでテニスが好きです。好きな食べ物はシュークリームです。宜しくお願いします。はい、次、志帆ちゃん。」
「うん、わかった!桜ノ宮志帆です。私も下の名前で志帆で良いです。趣味は料理で、好きな食べ物はドーナツです。宜しくお願いします。じゃあ、最後、奏君。」
「はいよ。雪白奏です。僕も奏で。趣味は読書と木工クラフトかな。好きな食べ物はコンビニのタマゴサンドとカレー。まぁ、宜しくです。」
「よし、一通り終わったね。では、質問タイム取りましょうか。誰かの自己紹介で気になったとか、こんな事聞いてみたいとかあったら聞いてみよう!」
そう友紀ちゃんが聞いた時に真っ先に手を上げたのは千葉さん……雅さんだった。
「あの、奏君。木工クラフトって、どんな感じのを使ってるの?」
「そうだなー、趣味の範囲だからクオリティはさておいて、小物を作ることが多いかな。食器は大体自分で作ったものを使ってるよ。」
「食器を!?」
「俺も奏が作ったやつを何個か貰ったよ。」
「奏君そういえば、北海道のおじさんが木工品工房を経営してるって言ってたもんね。」
「そうだよ。よく覚えてたね、志帆。」
「そうだ、俺も…えっと、志帆ちゃんでいいのかな?」
「うん、大丈夫だよ。で、何か聞きたいことがあるの?」
「そうだった。志帆ちゃんさ、料理ができるって言ってたけど、それ奏にも作ってあげたりしてるの?」
「時々ね。お弁当作ったりくらいかな。」
「言っとくけど、志帆の料理めっちゃ美味いんだからな。最高だからな!」
志帆の料理は本当に美味い。誰が何と言おうとこれだけは否定させない。むしろ何としてでも論破して美味しいと言わせて見せる。それくらいの自信がある。
「へぇ、彼氏が認める真心たっぷり弁当か…。」
太一はボソッと呟いた後、向かいに座っている雅さんを見つめていた。
「うっ…。すいませんね、料理ができない彼女で……。」
「え!?あ、いや…そんなつもりじゃなかったんだが…。ただ、雅が作る弁当ってのを食べてみたいなぁって思っただけだよ…。」
「で、でも…、私料理できないし…。」
「な、ならさ、雅ちゃん!今度一緒に料理作らない?私が教えるからさ。それを、太一君と奏君にも食べてもらおうよ。」
「なるほど…。」
いつの間にか、僕も頭数に入れられていた…。
「そ、そうだね。志帆ちゃんが教えてくれるなら、安心だね!」
「なんか、楽しみだな。俺らのために作ってくれるなんてさ!」
「確かに、料理の腕は絶品だし。期待は大だな。」
そう話していると、友紀ちゃんが話をやんわりと中断した。
「すいませんねぇー。のろけ話はその辺で勘弁してくださいな。大体、何でか私は頭数には入ってませんしね。」
「あ、いや……。」
のろけ話のつもりはなかった。ただ、友紀ちゃんが話に入ってなかったのには確かに僕も疑問はあった。それは、友紀ちゃんが話を中断するのも無理はない。
結局、話を整理した結果、今度、実施日未定で女の子三人での料理会が決定したそうだ。ちなみに、雅さん、友紀ちゃんは料理は、調理実習以外ほとんど未経験だそうで。
男二人はその料理を食べ、太一は雅ちゃんが美味しく作れたか、僕は友紀ちゃんが美味しく作れたか、それに加え、志帆が前と比べどれだけ成長したかを見るという仕事を課せれた。
女の子三人はその話で盛り上がってしまっている。
そんな中、ふと思い出したのだが、今日って旅行の計画について話し合うのではなかったっけ?
いかがでしたでしょうか?
実際の話ですが、友紀ほどではないですが、友人の家に行き大きい家だった時、入り口でたじろいでしまいませんか?そういう経験が一度だけあったんですよねー。
さて、話を本編に戻して…
実はこの回で初めて登場キャラの自己紹介を入れました。といっても、ほんの一部ですが…。
これで、また少しキャラクターのことがわかってもらえたら嬉しいです。
もし、もっとキャラのプロフィールが知りたい。キャラについてもっと詳しく知りたい。という方がいたら、ぜひ感想をください。もし、感想をいただければキャラクターの自己紹介だけの回を作ります。
次回は、本格的に旅行について話していく…と思いますよ?
今回も見ていただきありがとうございます。
次回も読んでいただけると嬉しいです。




