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【詩集】Shangri-La

コーヒーハウス

作者: 野鶴善明

 日曜日の昼下がり

 ぶらりと入ったコーヒーハウス

 軽やかな午後の陽ざしが

 窓の外の常緑樹を揺らして

 君の顔にまだらな影が落ちて


 隣の席は若い夫婦

 よだれかけをつけた赤子が

 つぶらな瞳を光らせては

 テーブルをたたいてはしゃいだり

 じっとなにかを見つめたり


 この世へ生まれ落ちてきたことを喜ぶ

 無邪気さが

 この世界の謎を解こうとする

 好奇心が

 たゆたう時間をかき混ぜるから

 カップを口へ運ぶ手がふととまり

 僕たちは知らずしらず

 赤子を見つめる

 

  「早く僕たちのところへもこないかな」

  「男の子がいいわね」

  「女の子もいいものだよ」

  「健康なら、どちらでも」

  「僕たちが決めることじゃないし」

  「それもそうね」


 僕たちのもとへ

 赤ん坊がくるかどうかは

 わからないけど

 それはそれ

 どうなるかは

 神様が決めることだから

 きてくれたほうが

 もちろん嬉しいけど


 日曜日の昼下がり

 ぶらりと入ったコーヒーハウス

 ほほえみあうのは

 ささやかに期待する未来

 君の顔に真夏の影が落ちて

 


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