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なんで?

くっ......! これはもはや拷問だ!


思わず私は顔をしかめた。



原因は分かってる。


片手でコーヒーを飲みながら、私の顔をじっーとみてくるーーこいつ。





私がコーヒーの匂いだけでも、ダメなことを知っているはずなのに......!


私は、自分でも言うようにコーヒーが嫌いだ。


ーーーーというより、苦手と言った方がいいのだろう......。


私は、このコーヒー独特の匂いだけでダメなんだ。


この匂いが強い場所に行くと、頭痛が起きるのだ。かなりの確立で。


これ本当だよ? マジで!




おっと失礼。話がずれてしまった。


と、まぁ......私の説明はこの辺にして。




そんな私の目の前で優雅に飲んでいるこいつに、私は怒りをおぼえた。


ーーこれは、嫌がらせだ。


私としては、拷問に近い。



私はこいつに何度も言ったんだ......。"私と一緒にいる時は、コーヒーを飲むな" と。


そうじゃなかったら、近づくなとも言ってやった。


ーーーーなのに、聞きやしない。




「ーーねぇ、夏樹?」


行儀がわるいかもしれないが、肩肘をテーブルにつけて、目の前に座る相手に私は、話かけた。


「なあに。舞花ちゃん?」


彼、相馬夏樹は首を傾げながら、私に嬉しそうな顔をする。




こいつは、イケメンの部類に入る。

だから、ただ首を傾げただけでも女子はみな悲鳴をあげる。


歓声というかなんというか。


ーーだだし、私以外なのだが。ある程度免疫があるため、私は平気である。



これでも私だって一番最初は、彼に会った時は他の人と同じ反応したんだよ?

ほら? その辺は、普通の女子だからさ〜。

おっと、話が脱線してしまった。


ちっ!

顔がいいやついいね〜。


コーヒーを飲んでいる姿でさえ、見栄えしてるわ〜。


何しても似合ってしまうから、余計にイラつく。


私は苛立ちを隠さずに、夏樹に八つ当たりをした。

「あのさ......何度も言っているように、私の前でコーヒー飲まないでくれる?」


「あ。ごめん! また、やっちゃった……」

謝るけど、これで何度目よ?あんた

またか。


「ワザとよね?」

私がわざと追求するように言うと、夏樹は全否定した。


「違うよ!」

「何度目?」


「3回目?」


うわー! そんなわけないじゃないか‼


「違う。24回目だ、ばか‼」

そんなに数えてた私もバカだけど。




「やめてね。私がコーヒーを嫌いなの知ってるでしょう?」


ふふふ。

微笑みながら、柔らかく言っているが、私は怒ってますから。

あは。


コーヒーのこの独特の匂いで、私は気分が悪くなるのだから。



うぅ。……ダメ。


あぁ。こう言っている間にも気分が……。


「そうだけど……コーヒー好きなんだよ」

困りつつ、私に問うようにこいつは言った。



でもね、そんなことしても私には効かないって!

他の乙女とは違う! やっても無駄よ。


それに私だって、困っているのは変わりないのだけど? ......ねぇ、夏樹くん?


「なら、一人で飲んでくれるかな? 私とは、別の席で」

あら、嫌だわ。私ったら、思わず本音が。



「そんな事言わないでよ。一緒にお茶しようよ」

夏樹め〜!いい加減にしろ‼


「だったら、飲まないで? コーヒーを」


指摘すると、こいつは首を横な振った。

「でも、無理だよ無理。俺、コーヒーがないとダメだよ〜」


「でもじゃない!」

思わず怒鳴ってしまった。あまりにも分からずやなので。



ーーーーもうダメだ。こいつは。

あーあ。言ってもしょうがないのは、知っているけどさーー。




もう無理......そろそろ限界。気分が悪すぎて、クラクラする。


私は、なんとかナポリタンを食べ終わる席を立って言ってやった。

「もう私は行くから」


「待って待って!」

止めるな、夏樹! 原因を作ったのはお前だ!


本人に言わないで、飲み込んだ私、えらい!


あんたがコーヒーさえ飲まなきゃ私は具合悪くならなかったのにーー!

「嫌。あんたが悪いのよ」


「どうしてさ」


やめて。腕を引っ張るな!

こっちは、頭が痛いのよ‼



思いっきり睨んでやったら、手を話してくれたけど。



私は、沙月さんに一声かけた。

「沙月さん。私、もう行くね」


沙月さんは、私の様子をみて耳元で囁いた。


「そう......薬は?」


沙月さんは、私が調子悪いのを知って心配してくれた。

「これから飲む」



「わかったわ。お大事にね」

お金を沙月さんに渡し、夏樹に向かって言った。

「じゃあね。私は帰るから、一人で飲んでなさいよ」


振り向かずに歩き出す。

まず、珈琲が好きな方はごめんなさい(/ _ ; )


ただ......こんな人もいると思って頂ければ幸いです

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