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だらだらしとっちゃいかんよね

 遊園地に行ってからというもの私たちはすっかり仲良くなり、お昼ご飯も4人で食べる様になった(冴子は毎度いやそうな顔をするけども)。最初は周りの女子からの視線も痛かったが、それも一週間もすると収まった。あの一週間は地獄だったけどね!顔が整った3人と共にいる私の切なさね!と、まあそんな感じで乗り切った私だが、ある大きな問題に気づいてしまった。幸い今日は槙哉くんも津田くんも何か用事があるようで冴子とふたりだけである。これはもう相談するしかない…。


「ねぇ冴子…私大変なことに気づいちゃっただけど…」


 まだデザートのゼリーを食べている冴子に声をかける。ちなみにみかんゼリー。おいしいよね、うんうん。


「どうしたの」

「津田くんと何も進展しとらん…!」

「ああ…なんだそんなこと」

「そんなことじゃないって!何しとったの私…」

「津田ファンの女子の視線と戦っとっただら」

「大体合ってる」


 ん、と差し出されたゼリーに反射で口を開けると割りと強めにスプーンを突っ込まれた。痛い、ちょっと痛いよ冴子さん。


「別に焦る必要なんてないら。向こうはあれから何も言ってこんし、オトがどうにかしたくなったら、その時動けばいいじゃん」

「………ん」

「今のままが幸せなら、それでもいいと思うに」

「ううー…ありがと冴子」


 津田くんことが好きなことは確かなのに、今の時間が楽しくて失いたくなくて勇気が出ない。一歩踏み出せない。でもそんな自分の態度は津田くんからしたらどうなんだろう。そんな風にぐるぐるしていた気持ちを全部見透かして、その上で優しい言葉をかけてくれる冴子に感動する。私が男だったら絶対冴子にアタックしまくるわ。確実に振られるけど。


「大体気持ちだけ伝えてはい終わり、みたいな津田が悪いわ。本当むかつくあいつ」

「冴子って津田くんに辛口だよね。いや、むしろ男子全般に?」

「だって事実だもん」


 とてもいい笑顔で言われたわ。くっ、この美人さんめ。だもんとか言っても可愛いだけだに。

 でも、これはいい機会かもしれん。このままだと冴子が言うみたいに今の楽しい関係で高校生活が終わっちゃいそうだし。来年だって同じクラスになれるか分からんだもんで、今の関係がずっとあるとも言い切れん。こんな風に気持ち抱えたままで後悔せんって言える?言えんわ絶対。そして何より、津田くんの気持ちをもう一回ちゃんと聞きたい。


「よし、決めたに冴子」


 お弁当袋を持った手を高く上げて宣言する。


「明日の放課後告白する!」

「え、展開はや」

「いやー、今気持ちが盛りあがっとるもんで。これを逃すとずっと言えん気がするし。あと明日金曜日だし」

「最後のが本音だら」

「バレた?」


 だって振られたとき次の日も顔合わせんといかんとか気まずいじゃん。てへ?と首を傾げてみるときもいと叩かれた。うん、自分でも思った。

 そろそろ教室に行こうかと腰をあげると、冴子に引き止められる。


「オト」

「うん?まだ教室戻らん?」


 確かに時間は余裕あるけど。するとすっと手を差し出す冴子。よく分からんもんでとりあえず右手をそっとおいてみる。


「ばか。携帯貸してって言っとるの」

「え、言っとらんじゃん」

「ん?」

「スミマセン」


 美人の笑顔ど怖い。おとなしく携帯を差し出すと何か操作している様子の冴子。覗き込もうとするとさっと隠された。


「もー人の携帯で何しとるの」

「明日告白するだら?」

「うん」

「約束取り付けといたで」

「うん…うえ!?」


 そう言って見せられたのはSIGNのトーク画面。


オト:津田くん!突然ごめんね、明日の放課後時間ある?

津田:あるに

オト:ちょっと話したいことあるだけど時間もらっていい?

津田:大丈夫

オト:ありがとー!じゃあいつもお弁当食べとるいすのとこで待っとるね

津田:分かった



「………いやいやいや、なんで冴子が約束しとるの!?おかしいでしょ!」

「あんたのことだで明日になったら怖気づきそうだもんで」

「否定できんわ…」

「だら?感謝しりんよ」

「複雑な心境です冴子さん」


 確かに助かるんだけどもうちょっともだもだしとりたかっていうかなんだかんだ心の準備ができとらんかったっていうか。ていうかこれ絶対ばれとるら!?


「明らかに告白じゃん!バレバレじゃん!」

「どうせ明日にはバレるだで一緒だら」

「え、すごく雑」


 びっくりだよ私。確かに冴子の言うことも分かるけども。………うーむ、でももう今更だよね。もう明日の約束までしちゃったし(正確にはされちゃったし)。


「…うん、こうなったからには頑張るわ!」

「はいはい、頑張りん」

「振られたら慰めてね」

「気持ちが乗ったらね」

「そこは素直に頷いてよ!」


 はいはい、と言って差し出された携帯を受け取り教室まで戻る途中、ふと疑問が浮かぶ。


「ねえ、私の携帯ロックかかっとるはずなんだけど…」

「え?かかっとった?」


 なんだこれ現代のホラーか。

久しぶりに小説を読もう開いたなーと思ったら本当に久しぶりでびっくりしました。

しかも懐かしすぎてキャラすらもぶれるしまつです。そのままあげちゃいましたけど←

主人公の名前がぱっと出てこなかったときはさすがにやばいと思いました…笑


やっと話が進む予定です。頑張ります!


読んでいただいてありがとうございました!

できれば最後までお付き合いください!!

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