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行きたくてたまらん。

 週末に4人で遊園地に行くことが決まってからというもの私は………………ものすごくそわそわしとる。

 遊園地ってだけでもうど嬉しいし、久々の遠出にもテンションあがっとる。早く週末にならんかやぁ。まだ水曜日とかどうなっとる。

 全くの逆恨みで、教壇に立つ先生を睨みつける。


「おー弧島やる気だなー。この問題解いていいぞ」

「えぇっ」


 くっ…数学は苦手なのに…。自業自得すぎて涙しか出んわもう。




「馬鹿としか言いようがない」


 昼休み、ご飯を持って中庭に移動してきた。開口一番の冴子のセリフが正論すぎて辛い。結局唸りながらなんとか問題は解けたけど、とても恥をかきましたー…。


「ひどい…ちょっとくらい慰めてくれてもいいのに」

「泣き真似うざい」

「まさかの追いうち!」


 ああ…ほうれん草がおいしい。冴子は購買派だけど、私はお母さんが毎日お弁当を作ってくれとる。常に金欠気味の私としてはありがたい。まあ冴子についてって毎日購買には行っとるけど。ついでにおやつとか買っちゃっとるけど。


「だってなんかそわそわしちゃってさー」

「遊園地そんなに楽しみ?」

「もう待ちきれないレベルで」

「……」

「あっ今子供かって思ったら」


 私のはしゃぎっぷりにすっかり呆れ顔である。でも楽しみなのはしょうがないじゃん。


「いや、別に遊園地が楽しみなのはいいけど。あんたさ、津田も一緒に行くってことちゃんと覚えとる?」

「覚えとるよ?当たり前じゃん」


 なんで急にそんなこと聞くの。首を傾げたら冴子が口に手を当てて目を大きく開いた。まさに「何言ってんのこいつ」という顔。


「えっ何その反応」

「あんた…自分と津田の今の状態忘れてんの?」

「失礼な。さすがに自分が津田くんのこと好きなのなんか忘れんよ」


 私の言葉に冴子は大きなため息をついとる。別に間違ったこと言っとらんのに。


「それもそうだけど、もっと重要なことあるら…。自分の気持ち自覚したきっかけ思い出してみりん」

「あ……」


 そういえば私津田くんに告白されたんだった。うわなんか今更だけど、ほんと今更だけどドキドキしてきた。そんな人と一緒に遊園地行くのか私。あれ、ていうかこれって……


「もしかして私と津田くんって両思い…?」

「遅いわ馬鹿」

「えっ待って、じゃあどうすればいいの?津田くんは何も言ってこんし、てかそもそも私が津田くんのこと好きなことも知らんら?」


 何この状況おかしくない?普通告白されて両思いになったら付き合っとるら?わけが分からん。

 私が混乱しとるのが分かったのか、冴子がデコピンをしてきた。


「いたっ」

「だから、そういうこんがらがった状況をなんとかするための遊園地」

「え、あ、今回の遊園地ってそういうことなの!?」

「多分ね、どうせ槙哉の提案だら」

「そうだったんだ…」


 津田くんが誘ってくれたんじゃなかったのか…。別にどんな理由だって遊園地は、お出かけは楽しみなはずなのに。冴子が言うみたいに馬鹿な私は、自分がなんでショックを受けとるのか分からん。分かるのは、ただただ浮かれとったのは私だけで、自分がそのことに思いの外落ち込んどることだけ。……楽しみっていう津田くんの笑顔は嘘だったのかやぁ。もしそうだったら……やだなぁ。


「あんたまた暗いこと考えとるら」

「いたい…」


 またデコピン。


「確かにさっき言ったみたいな狙いはあるかもしれんけど、心配せんでも遊園地を楽しみにしとるのはあんただけじゃないに」

「ほんと…?」

「当たり前じゃん。槙哉から毎朝『おはよ〜あと◯日で遊園地だね!』って来とるし」


 心底嫌そうな顔をして差し出された画面を見れば、確かに楽しげなスタンプと共にメッセージが送られている。SINGのトーク画面なのでそれに対する冴子の返信も見られる。辛辣ながらも律儀に返されてることにこっそり笑う。


「良かった〜!私だけ楽しみにしとるとかじゃないだね!」

「そういうこと。それに今の状況をどうこうって言っても、とりあえずお互いのことを知るくらいの目的だら」

「そっか。確かに津田くんのことまだ全然知らんもんなぁ」

「そもそもこんなによく分からんことになっとるのは、津田が何考えとるのか分からんのが一番の原因じゃん」


 最近ちょくちょく津田くんに棘のある態度をとる冴子にまあまあと声をかけながらも考える。

 確かにそれはあるかもしれん。正直に言えば、津田くんが私のことが好きだとは思えん。告白はされたけど……付き合ってとかそういう言葉はなかったし、私の返事を待っとる素振りもない。嫌われとらんとは思うけど…。


 と、そこで重大なことに気付いた。


「冴子!大変なこと思い出した!」

「えっなに?」


 私の慌てた様子に訝しげな顔をしとる冴子。なんで忘れとったの私!思わず持っとったプリン用のスプーンを握りしめて立ち上がる。


 ”遊園地に行く=お出かけ(しかも好きな人と)=おしゃれ必須”


 だって言うのに……


「遊園地に着てく服がないじゃん!」


 

次は四人で遊園地編のはずがこんなことに。

本当にちょびっとですが初めての授業シーンがここでくるとは思ってませんでした笑

この感じで行くと次はお買い物編になりそうです。私自身そんなにファッションに詳しくないのでオトや冴子に何を着せるか考え中です。


それでは読んでくださってありがとうございました!また暇なときに読んでやってください!

感想、ご指摘などありましたらぜひお願いします。

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