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4章~¨魔精(ピクシー)¨~
何が起きた?
必死こいて考えても、今分かる事といえば、あのでかくて白いマネキンみたいなのが俺をぶっ飛ばした事と、右腕があらぬ方向を向いていてめっちゃ痛い事くらいだ。
『災難だね、お兄さん。ケケケ』
いつの間にか倒れている俺の横にスケアクロウがいた。
助けてくれとか、アイツは何なのかとか、言いたいことは山程あるけど、口が全く動かない。
『門、開けてたら元気なのが1匹出てきちゃった』
出てきちゃった、じゃねぇよ。おかげ様でこのザマだ。
『アイツはね、¨魔精¨っていって、地獄に棲む怪物共さ』
その魔精と呼ばれた巨大なマネキンがゆっくりと俺達の方に近づいてくる。
『―そう、地獄で願いを叶える為にしなければならない事は、魔精の頂点に君臨する、¨魔精皇オベロン¨を殺すことだよ。ケケケ』