400字の告白
掲載日:2026/06/18
なんかの400字コンテスト 落選
「俺はお前に四百字丁度で伝えたいたいことがあるんだ!」
ケンジは勢いよくそう言った。隣に座るマリが驚いた顔で見返す。
「いきなり何を言い出すのかと思えば…いや待ってほんとに何言ってんの?」
彼女の反応は至極真っ当であった。しかしケンジは続ける。
「俺が言いたいことを全部、ちゃんと伝えようとしたら、余計な言葉が入ってくるんだ。でも、四百字なら、簡潔に、正確に伝えられると思うんだ。」
マリはしばらく黙ってケンジを見つめた後、肩をすくめて言った。
「全くもって意味が解んないけど、どうぞ。その意味がありそうでなさそうな四百字で、あんたの伝えたいことってのを言ってみなよ。」
ケンジは深呼吸をしてから、力強く言った。
「好きだ。」
マリは目を見開いた。
「だから、俺が言いたかったのは…好きだ。」
ケンジはもう一度、短く、しかし確実にそう言った。
マリは顔を赤らめながら小さな声で言った。
「何が四百字よ、たった三文字じゃない。」




