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鬼に抱かれし少年は、今宵も逝者の夢を見る

作者:秋山リョウ
人は眠れば、夢を見る。
永遠に続いてほしい幸福な夢も、すぐにでも目覚めたい悪夢も。
正夢も、偽りの夢も――。

けれど夢は、夢。
それでももし、その夢の中に“希望”があるのだとしたら?

少年――ユリス・ルルナリス。
数々の難事件を解決してきた、若き名探偵。

彼は、こう言う。

「……そんな夢を見た。」

ユリスには、夢の中で“死者”と対話することができる、特異な力があった。
当初はオカルトまがいと笑われたその能力も、
彼が夢の中で得た情報を次々に的中させるにつれ、人々の呼び名は変わっていった。

――「夢見探偵」。

今宵も彼は、声なき“死者の声”を拾い上げる。

だが、ユリスには一つだけ、夢を見るための“条件”があった。
過去の深いトラウマから、彼は極度の不眠体質となり――
“ひとりでは”眠ることができないのだ。

彼に必要なのは、安心できる「女性の温もり」。

彼の傍らにいるのは、魔族――鬼の女、紫苑(しおん)。
戦闘に特化した鬼族として、孤独と血に染まった過去を生きてきた彼女もまた、
ユリスとの旅の中に「生きる理由」を見出していく。

そして紫苑の腕に抱かれていなければ、ユリスは安眠することすらできない。

ユリスには、果たすべき目的があった。
それは――「死亡した」と伝えられた、最愛の母と姉を探し出すこと。

しかし、彼女たちは夢には一度も現れなかった。

それはつまり――まだ、“死者”ではないということ。

生きている。どこかで。

だからこそ、ユリスは今日も探し続ける。
夢と現実の狭間をさまよいながら。
生者の記憶をたどり、死者の声に導かれながら。

彼の歩む先にあるのは、希望か、それともさらなる絶望か。

導くのは、生者のささやきか。
それとも――
逝者の嘆きか。
第1話「夢は血に染まりて」
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