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増税大臣  作者: ハミル
2/3

② FIRST LADY


ファーストレディ


由凛党クニタは地元名古屋へ帰ってきていた

昨年霜月の頃新しいBARができたと聞いていたので、若手議員による勉強会を終えて繁華街に繰り出した


1人になりたい心だった、通常なら勉強会と食事会はセットではあるが今日は同志達とは行動を別にした


暗がりの中錦の雑踏をすり抜ける

闇色スーツ姿の男達や陽色ドレスの女達を横目にして目的地へ足を運ぶ

雑居ビルの前に辿り着き、念の為てっぺんまで一通り目を通した

エレベーターに乗り込み4を押す


H BAR

いらっしゃいませ

バーのママ

カシスが出迎える

カシスはもともとC子として有能なバーテンダーだった

その名の通りカシス、カンパリやチョコが代名詞であることは当然だが、現在はママとして全てのカクテルに対応している


現在H BARには、マティーニが苦手なM子、テキーラ系のT子、ギムレットの担い手G子、オペレーターを得意とする白ワインの魔術師、元テレアポO子、ホストニャンの母親でラムの名手ダイキリD子

そして、無愛のホストクウハと不倫関係にあるA子


元C子のママは経営全般に携わるため、バーテンダーとしてC系カクテルをママの妹のカンパリが担当している。C子であった


・・・・


「お一人様ですか」

「はい、初めてなのですが」

「こちらのカウンター席へどうぞ」

「ありがとうございます」

ママが対応しカウンターチェアへ案内する

クニタは打たれていた


「お酒はいかがいたしましょう」

「あ、あの。アルコール入っていないお酒ありますか」

「あら、お酒はアレですか」

「いや、そういうわけではないのですが」

「シャーリー・テンプルとかコンクラーベ。シンデレラとかいかがでしょう。オレンジとパイナップルにレモン」

「シンデレラ・・はい、お願いします」


クニタはやられていた

和装を淑やかに纏うその艶姿だった

BARでの和服とその妖艶な佇まいは、口説きたいへ走るための言い訳として充分だった


「C子シンデレラね」

「うん、わかったよ」


C子は中学生の頃小火によって外傷を負った

姉は家にはいなかったため難を逃れたが

妹には面を中心とした火傷痕がある


「シンデレラです」

「ありがとうございます」

C子がサーブする

ママが妹の隣に立ち微笑む

姉の横にC子が佇みカクテルを見つめた


なぜか分からなかった

酒を飲みに来たのに、ママのその姿を見ると呑んではいけないような気がした

誤魔化してはいけないような錯覚に陥ったのか

ママとC子と話しをしているうちに我に帰る

強い酒が欲しくなってスティンガーをオーダーした


「スティンガーです。ブランデーとペパーミント・ホワイト」

「ありがとうございます」

一口飲った

「当店は2杯までなんです」

ママがことわる

「そうですか、これで終わりですね」

「申し訳ございません、適酔いを謳っております」

「適酔い。そうですか」


30度を超えるスティンガーを進めて少し酔いが回ってきた

ママは相変わらず妖らしく微笑んで、

ふと隣のC子に眼をやって、ハッとなった


顔の模様がQUEENのようだった





FIRST LADY




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