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ヴェナトール公爵領へ


――――イグナルス帝国への道のりは、ヴェナトール公爵領を密出国すると言うものだ。ランゲルシア国内の協力者から馬を調達したフィーロは私を前に乗せ、エレミアスもまた別の馬に跨がる。


そこからは馬を急ピッチで走らせ、ヴェナトール公爵領を目指す。


「少々荒い手ですまんな」

「……ううん……っ」

揺れはすごいし、お尻は痛い。でも不思議と恐怖はなかったのは、フィーロの体温のおかげだろうか……?


そうして普通は馬車で3~4日かかる道のりをたった2日で駆け抜け到着したのがヴェナトール公爵領だ。さすがにあのバカ王子は領地の統治に興味がなかったのか、ここには手を出していないようだが……。しかし、あることに気が付く。


「どうして封鎖してるの……?」

公爵領を覆う城壁は、そこで侵略者を食い止める設計になっている。有事の際は避難民を逃がし、内側から完全に封鎖し、避難民を逃がし、王都や周辺領地からの増援が来るまで食い止める。まぁ、今は王都からの増援はうちの王都常駐騎士団くらいしか臨めないが。


それにしても……封鎖しているとなると。


「まさかもう帝国が……」

「それはない。まだだ」

まだ……と言う言い方が気になるが……。


「あの城壁は、内側から封鎖する……と言うが、実際は外からも守れるものだろう」

「……それは……」

最重要機密。王家が知らない、公爵家だけの秘密。あそこは万が一の際に、王都からの攻撃も防げるようになっている。


長い時をかけ、王家からも気付かれぬように改修されたものである。では何故そうしたのか。それは当時の公爵家が、今のような、国の軍事力よりも公爵家の軍事力が上回った際の王家からの仕打ちを見越していたからとしか思えない。


「だが特別な段階を踏めば、行き来できる」

そうでなくては援軍を招けないから。しかしそう言った事態はほとんどない。何故ならヴェナトール公爵家の騎士団の方が、強いから。


そしてその方法を分かっているかのように、フィーロはエレミアスと共に馬を進める。


私が知らない間に、ヴェナトール公爵領に何があったの……?


「悪いが、領地のやつらとゆっくり過ごしている暇はないぞ。顔を合わせることはあると思うが」

「……うん」

まるで私は人質のような……いや、でもフィーロが私を帝国に連れていく真意は別のところにある気がするのだ。


そして特別な扉は開かれ、私たちは内側へと招かれた。再び扉が厳重に閉じられるが、その先で待っていたのは、領地を任ている騎士団の副団長だった。


「確かに、ロザリアさまとお見受けしました」


「あぁ。約束は守っただろう?」

どう……なっているの……?


「あの……」

「こっちの話し合いはついた。まずは帝国に向かわないとな」

確かに……暇はないと言われたけど、副団長はフィーロたちと何を話していたのだろう……?それに私が何かの交渉のひとつになっているような……。


そうして、国境に向かえば、国境警備隊が国境の門を開く。その……先には。


「イグナルス帝国軍……っ」

間違いなく、イグナルス帝国の軍旗がはためいていた。


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