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建国祭に向けて


さて、皇太子夫妻とのお茶を終え、お二人を見送れば……次は式典に向けての準備である。


「式典は明日とは言え……衣装やアクセサリーの準備も今からしなくちゃね」

「お任せください。皇太子妃殿下の侍女とも情報交換しときましたので」

……って、リディア!?本当にさすがよね……。

「ついでにうちの伝統工芸品や特産品にも興味を持っていましたよ」

むしろ商才なども持っているのではないかしら……?


「それで、皇太子妃殿下の当日の衣装や嗜好と被らないもので、ピックアップしました」

リディアがレベッカと共に並べてくれるドレスはヴェナトールの伝統的な布織物を使ったものも含まれている。


「帝国風のは取り入れなくて大丈夫かしら……?」

「あー、それな」

衣装を選んでいれば、フィーロが様子を見に来てくれた。


「流行に乗りたいのならブティックなどをあたるのもら構わないが、属国には特に強制はしていない。帝国の伝統に合わせたらみんな似たり寄ったりになるだろ。それに義姉上たちとも被ったらと思うとドキドキするだろ?」

それは確かに……属国の王公貴族も帝国内の貴族も大勢参加するものね。

そして被りはほんと笑えないものね。

それと妃殿下よりも派手だと確実に顰蹙を買うわ。こう言う時は皇后陛下かと思われるかもしれないが、、妃殿下が皇后陛下よりもおさえ目なものを着るので、妃殿下よりもおさえるでいいのだ。


因みに皇后陛下は式典に合わせて伝統に則ったものを着るので、被りは回避できるから……重要なのは確実に妃殿下の装いである。


「それに……自国の特産品をアピールすれば貴族やほかの属国のアピールにもなるだろ?帝国の建国を祝う姿勢さえあれば、その市場をどう使おうと自由だ」

「陛下の御言葉、めちゃくちゃ商魂を刺激されます……!」

フィーロの市場と言う言葉のお陰だろうか……?リディアが気合いを入れている。


「確かにねぇ……」

今まではそれほど諸外国に向けた貿易は……リディアの実家のような貿易商や民間ではともかく国として大々的にやってきた訳じゃない。前王政は自分たちが贅沢することしか考えていなかったもの。

けれど今は【帝国】と言う大きな市場の中にいる。同じ国内だから売り買いするにも特典が多いし、開かれている市場の規模も違うのよね。


「それに、注目する点は他にもあります!」

リディアが再び声をあげる。


「……と、言うと……?」


「関税です」

は……っ。リディアの言う通りだ。むしろリディアは実家で身にしみて味わってきたわけである。


「そうだな。関税は他国だった時よりは安くなる。帝国は本国と属国間にある程度は関税を設けている。属国の序列が上がれば、その分関税は安くなるし、本国と優先的に取引ができる」


「これからのヴェナトール王国の国家運営のためにも、序列を上げつつ、商売も軌道に乗せたいところよね」

「まぁ、それに越したことはないだろ。むしろ2人で合わせるか?」


「それはいいかも!」


「むしろ、ペアルックですか?」

と、レベッカ。

「任せて。お父さまに頼んで合わせられる組み合わせで用意してもらったわ」

リディアの事前準備が優秀すぎる……っ!

やっぱり連れてきて良かったと本当に思う。




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