表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/26

02

登場人物の紹介

母(主人公)→みふゆ

父→零

長男→蓮

長女→彩葉

次男→瀬斗


 朝食を食べ終え、いつも通り家事や自分の好きなこと、そして夕飯の用意を終えれば、いつの間にか空が暗くなっていた。


 時計を見れば18時30分。そろそろ彩葉の部活が終わり帰ってくる時間だった。蓮と瀬斗から連絡は特に来てないため、この子達ももうすぐ帰ってくるのだろう。


 子供達が帰ってきて、すぐご飯が食べられるようにテーブルの上にお皿やコップを並べるが、もしかしたら先にお風呂に入ると言うかもしれないため、お風呂の準備もしておく。



 そして、22時。

 本来であれば、子供たちの食器を洗い終えて、私がお風呂に入る時間なのだが――――子供たちがまだ帰ってきていない。


「遅い……!なんで電話出ないの」


 思わず、誰もいない家で声をだしてしまう。


 あれから子供達が全く帰ってこず、20時を過ぎた辺りから私はメッセージを送っていた。『夕飯と今日帰らないのなら、返信して』と。

 けれど、子供達は返信どころか既読すらつけてくれない。

 心配に思っていたものの、友達と盛り上がっているかもしれないと思いその時はメッセージだけでやめていた。けれど、21時を過ぎても連絡を寄越さないため、何度か子供達の携帯に電話をかけ、現在に至る。


 連絡をくれない怒りと、子供達に何かあったのではないかと不安の気持ちでいっぱいになる。

 

 すると、私のスマホに電話がかかる。

 私は表示された名前すら見ずに、電話に出る。


『もs「いまどこ!?」……今?えっと、取引先と飲んでたから、××っていう居酒屋にいたけど……どうかした?』

「……」

『もしもし?みふゆ?』

「っ……!」

『みふゆ、どうかしたの?』

 

 電話をかけてきたのは、子供達ではなく旦那の零だった。

 本当は、出張で疲れている彼に余計な心配を掛けたくなく、今はまだ言うつもりはなかったが、思わず零に助けを求めてしまう。


「どうしよう……どうしよう零!子供達が、まだ帰ってこないの。連絡もくれないし、どうしよう……!」

『……三人とも?それとも蓮だけ?』

「三人とも……!蓮も彩葉も瀬斗も帰ってこないの……!どうしよう、私のせいだ。あの子達に何かあったら……!」


 慌てふためく私に対し、零は優しく私に話しかける。


『みふゆ。一旦落ち着いて。大丈夫、きっと友達たちと盛り上がって連絡を忘れているだけだよ』

「で、でも!瀬斗は今日一人で図書館に行って、彩葉と蓮は学校に行って……!」

『うんうん。でも、瀬斗だってたまたま会った友達と遊んでいるかもしれないだろう?それに蓮や彩葉だって、ね?』

「それは……そう、だけど……」


 零の言葉に少しずつ、落ち着いてくる。

 なぜなら、私だって何度か連絡を忘れて友達と遊び続け、親にしこたま怒られた経験があるからだ。もちろん、連絡を忘れた私も悪かったと思うが、当時はあんなに怒らなくてもいいと思っていた。だが、親の立場になると、違った見方になる。


『少しは落ち着いた?』

「うん。ごめんね、ありがとう」

『よかった。まあ、僕も明日帰るから。子供達が帰ってきたら、二人でしっかりと注意しよう。”せめて連絡ぐらいしなさい”って』

「……うん」


 零のおかげで当時の思い出がよみがえり、子供達への連絡をやめることにした。零は、私が落ちついたのがわかると、『それじゃあ、また明日』と言って通話が終了する。


 時計を見てみれば、23時。正直そろそろ帰ってきて欲しい所だが、もしかしたら、友達と盛り上がりお泊まりの流れになっているのかもしれない。

 不安がないと言えば嘘になるが、たまにはこんな日もあるだろうと思い、私はお風呂に入って寝る準備をすることにした。

そろそろ異世界の話に突入したいのに、行けない……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ