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俺の嫁が普通じゃない  作者: 早乙女
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第14話 子供の日が普通じゃない その1

 5月は子供にとって特別な月だ。

 遠足のシーズンでもあり、GW(ゴールデンウィーク)だったり、嫁にとっても嬉しい月だろうか、母の日なんてものが用意されている....。


 父の日なんて碌に祝われた覚えが無いが...。


 そして今日は5月5日子供の日だ。

 我が家のイベントはキーラさん達のお宅での交流会だ。


 そんな訳で俺達は遠出するための支度をし、迎えの使者を待った。

 わくわくする娘たちを他所に俺と守り神さんは恐怖を抱いていた。

 愛菜さんに脅迫された守り神さんが怖がるのは無理もない、それを聞かされた俺が怖がるのも無理もないだろう。


 玄関先で待つ事数分。家のインターホンが鳴る。


「お待たせいたしました」


 戸を開くと美しいメイドさんが目に映る。

 銀髪と赤目が美しく輝き、顔はキーラさんに似ているような気がする。

 THEメイドの格好をしているが、その美貌はメイドと言うには光過ぎている...。


「ではこちらに」


 メイドさんの後ろの空間が歪みだしそれに迷うことなく嫁は入る。

 戸惑う俺達にメイドさんが微笑み、俺達はその笑みに負け歩みを進めた。


 そして現れる巨大な廊下。

 西洋がモチーフにされているような天井の高い廊下、両サイドには明らかに高価な壺や肖像画、他にも鎧や武器など様々なものが並べられている。


 メイドさんの後に続き廊下を歩く。

 娘達は興奮しすぎたのか廊下を走り回る。それを見た俺と守り神さんの表情は青褪めた。

 あんな壺...もし壊しでもしたらとんでもないことになる...弁償なんて聞くものじゃないだろう....。


 ガシャーン!


 聞きたくない音が廊下に響く。

 魂が抜けるような思いだった....あぁ終わった...そう絶望していた時、メイドさんの「お構いなく」の言葉がよく理解できなかった。

 物を壊したら怒られる。子供でも分かる常識だ。


「んーまぁいっか」


 俺と守り神、さらに娘達を含め嫁の言葉にドン引く。

 人様のものを壊してその発想はない、それも大人になってそれだと異常者のレッテルさえ張られてしまう事だろう。まぁ常識人ではないんだが...。


 割れた壺を気にしながらも廊下を進む、娘達は反省したのか静かに廊下を歩き、俺の裾をしっかりと掴む。

 そして、豪華な装飾の施された巨大な扉に到着する。


「では、ごゆっくりお過ごしください」


 やっぱりここに入らないといけないんだよな...。

 正直、入りたくない...さっきの謝罪もしないといけないので尚更胃が痛い...。


 扉が開かれその光景に俺は絶句しながらも好奇心を抱いてしまった。

 初めてみる巨大な円卓には出来の良い料理が並べられ美しい人達がその料理を待ちわびている様だった。


 美しい人達だが、人間じゃないので間違いなく普通じゃない。

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